白い小さなリボン 『白い選択』
物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります
手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています
関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております
小説は毎朝6時に投稿いたします
ぜひ、ご覧下さい♡
Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい
hhtps://www.instagram.com/iroit0
可愛いなぁ・・・
気になって手にしたのは白いリボン
でも、白は汚しそうだし汚れるし、自分で買うのは躊躇ってしまう
『んー・・・無難に紺色かな』
そして結局買うのは落ち着いた色合い
仕事でも使いやすいので、つい手にとってしまう
まとめた髪を先程買ったリボンで結ぶ
仕事をする時は、丁度耳の後ろのあたりの位置で1つに結んでいる
『先輩!これ出来ました』
『ありがとう!助かった♪じゃ、次はこれをお願いしまぁーす♪』
『だっ!?はぁーい・・・頑張ります!ううう。今日、私デートなのにぃぃぃ』
『なに?そうなの?よしっ!時間までに終わらせられるよう私も頑張るから!あと少し一緒に頑張ろう♪』
『先輩が頑張ってるから私も頑張りまぁーす!!』
そう言って後輩は少し肩を落としながらもガッツポーズを私に向けてから、自分の席へと帰っていった
一人暮らしの自分の家に着いたのは、0時をギリギリ回らない時間だった
一息ついて、ゆっくり今日の疲れを癒やす為にお風呂へと向かう
『さっ!明日も頑張るぞ♪』
本日は贅沢気分のバラの泡風呂にお風呂を変身させる
私は至福の時間を過ごしてから、寝床へ着いたのだった
午前中の仕事を早めに終わらせ、今日は暖かいので外でランチをする事にしようと朝から電車の中で決めていた
小さなカバンに財布を入れて出かけようとしていると、後ろから聞き慣れた声が私を呼び止めた
『せーんぱいっ!私もランチ一緒に行ってもいいですか?』
『いいよ♪いこう!』
お店の席に着くなり、後輩は私に飛びかかってくるのではないかという勢いでお礼をしてくれた
『先輩のおかげで昨日デート行けました!!先に帰らせてくれて本当にありがとうございましたぁぁ!!』
『いいよいいよ♪だって彼氏の誕生日だったんでしょ?特別な日はお祝いしなきゃ♪』
『うえーーーーん!!先輩遅くまで本当にすみません!!ありがとうございました!!なので!!ここは私に奢らせて下さいね!!』
『もぉ、だからいいって言ってるのに』
昨日デートがあると言っていた後輩は、死にものぐるいで仕事をしていた
いつもと違う鬼気を感じた私が理由を聞くと、彼氏の誕生日でサプラズにお店を取っているとか何とかで・・・
せっかくの特別な日だし、任せた仕事も急ぎではなかったので、残りは私が引き受けて彼女を定時で上がらせたのだった
『先輩、本当にありがとうございました。あの、これ良かったらどうぞ♪先輩ハーフアップにしたらキレイだと思うんですよ!それにもう少し色があってもいいと思うんですよね?』
そう言いながらカバンの中から小さな袋を出してきた
赤いラッピング用のリボンの付いた透明の袋には、手のひらに収まるくらいの『小さな白いリボン』が入っている
後輩は可愛い笑顔と共にリボンを私に渡してくれた
『白いリボン・・・』
『あっ!白、あまりでしたか?これなら派手にならずにオシャレに可愛く付けられると思って・・・』
『違うの!ありがとう!すごく嬉しい♪自分ではなかなか白いの買えなかったから嬉しくって♡』
『ほんとですか!?わっ♡ありがとうございます!!かっこいいのに可愛い先輩に私、憧れてて・・・これ見た時に先輩に似合うだろうなって♡いつもお世話になってます!これからもよろしくお願いします♪』
『ふふ。ありがとう!こちらこそよろしくお願いします♪』
笑い合う声に、香ばしく焼けたチーズの香りとパンの甘い香りが私達の会話を余計に弾ませてくれた
帰り際、後輩が私の髪の毛をハーフアップにキレイに仕上げてくれた
髪型が変わるだけで気持ちも変わる
午後は気持ちを入れ替えていつもより頑張れそうだ
最後まで読んで下さり、ありがとうございます
色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです
また明日、6時にお会いしましょう♪