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5話 白石さんが可愛い過ぎる

月宮 仁 (つきみやじん)主人公

黒鐘 詩音 (くろがねしおん)クラスメイト

白石 碧 (しらいしあお)黒鐘の友達


肝試しに行ってから数日後の土曜日。


肝試しの日に言っていた通り、黒鐘は俺の力について知るという知り合いに連絡を取り、土曜日の午後2時にカラオケで会う約束を取り付けてくれた。


黒鐘曰く、その人は今俺と同じ高校1年生で、雰囲気は結構静かな人でめっちゃ可愛い人だと言う。


んでーお父さんが国会議員?でお母さんが会社の社長?とか言う訳の分からないクソお金持ちのお嬢様らしい。嘘だろ?


でも変な気を使う必要も無いしお菓子とか持っていく必要も無いらしい。言われなくても持っていくつもりなんてないがな。


「さて、行くか」


時刻は午後1時、約束の時間まではあと1時間あるが、心の底では緊張しているのか、居ても立ってもいられずに俺は少し早めに家を出た。



天気は晴れ、雲量は3と言ったとこか、気温は25℃。はぁー、まだ5月だってのに、もうこんな気温高いのか。異常気象だ、もう半袖でもいいレベルだな。


街を歩く人の中には、俺が思ったように、半袖で歩いている人がいた。


でも俺、人を見るの嫌いなんだよな、だってもしあと少しで死ぬ人とかいたら、赤の他人でもやっぱ気分落ちるから。


こういうとこ予知能力も不便だよな。見たくなくても分かっちまうんだから。


まぁでも、世の中には俺よりも見たくない予知を見ている人もいるかもしれないけどな。


そんなことを考えながら俺は約束しているカラオケ店に向かっていた。



ここ、だよな。


ここら辺、初めて来るから少し迷っちまった、まぁその結果集合時間15分前につけたから結果的によかったけど。


黒鐘はまだ来てないのか、入口前集合って言ってたけど。と、思っていると、ちょうどいいタイミングで黒鐘はやって来た。


「やっぽー待ったー?」


やっぽーってなんだよ、やめろそれ。


……改めて見ると、黒鐘って、なんだかんだやっぱ可愛いんだよな。


髪型は相変わらず肩までかかるポニーテールで、上は肘ほどまである半袖と言うのか?んで下はデニムだ。首にはオシャレなアクセサリーをつけている。


そんな黒鐘に、俺は少しだけ見とれてしまった。


「君〜、もしかして私の事可愛いって思ってるー?」


「はぁ!?そんな訳ないだろ!?」


やべ〜やらかした、変な気を起こさせたら面倒だ。しっかり否定しとこう。


「あはは、その反応は認めてるのも同じだよ?でも、今から来る人を見たら、残念だけど、本当に残念だけどそっちにしか目がいかなくなるよ」


2回言うな、やっぱ変な気起こしてんじゃねえーか。てかなに?そんなに可愛いんですか?そのお金持ちお嬢様は。そりゃそうか、どうせ整形とか色々やってるんだろうな。


そんなことに考えていたら、俺の後ろから声が聞こえた。


「ごめんなさい、待たせてしまいましたか?」


やっと来たか、どれ、どんな見た目を……


…………………………え?


その人物は、天使のような白髪ロングで、そしてオシャレのためか、丸くて大きめなサングラスかけて、帽子を深々とかぶっていた。マスクもしているため、顔はよく見えないが、美少女と言うべきか、それは間違いない。


服も髪色と同じように白が目立つ。下はめっちゃ長めのスカート、としか言えない。(多分ちゃんとした名前があるのだろうが、俺はそんなの知らんあと高そう)そして肩からは小さめで高そうな(余計)カバンを下げていた。


総合────GOD(神様)


「あ、え、あ」


こ、声がっ!出ない!?何だこの感覚は!?それほど俺は今目の間にいる人の虜になっているのか?ダメだ!俺は人と関わっちゃダメなんだ!しかもこんなに可愛い人となんて!


俺が今まで見てきた人の中でダントツに圧倒的に飛び抜けて可愛い人だった。


「あ、(あお)ちゃーーん!」


そう言い黒鐘は大きく腕を振った。


「ちょっと詩音さん!外ではあんまり名前呼ばないでください」


「はっ!ごめん!忘れてたー」


…………?なんでだ?何か理由があるのか?


「んじゃここで話すのもあれだから、早速行こっか」


俺達はカラオケ店に逃げるように入っていった。



コースを決める時も、碧さんは店員に顔を隠すような仕草をしていた。


もしかして意外と恥ずかしがり屋なのかな?いやめっちゃ可愛いじゃんかそれ。ってダメダメ────なんて言ってられないんだよな……正直テレビとかに出ても全く違和感ないからな。


結局決まったコースは2時間コース。歌うつもり無かったのに、黒鐘のやつ勝手に歌うこと前提で決めやがった。いや、よく考えれば碧さんと長い時間いられるからむしろナイスだ!


個室に入り、俺達は適当に席についた。


そしていよいよ、碧さんはマスク、サングラス、帽子を取った。


俺の想像通り、碧さんはこの世の人とは思えないほど、綺麗で可憐で、見た者を虜にさせるような顔をしていた。


優しそうな目付き、長いまつ毛、顔の全てのパーツが完璧だった。


「月宮さん、そんなに見つめられると、なんだか照れてしまいます」


碧さんはそう言うと、髪を分けるような仕草を見せた。


「あ!ごめん、あまりにも、その、綺麗だったから……ってなんで俺の名前知ってるんですか?」


「あぁ、それは昨日詩音さんから聞いたんですよ」


なるほど、黒鐘からか……てか本当に可愛いー。んーでもよく見ると、どこかで見た時あるような気もしてきた。どこだっけ。


「仁は碧ちゃんのこと知ってる?」


黒鐘はジュースを飲みながら俺に質問してきた。


その質問するってことは、やっぱりどこかで見た時あるはずだ、だがどうにも思い出せない。


「すまん、ここまで来てるんだが、どうにも思い出せない」


「本当に!?もー、碧ちゃんの事を知らないなんて最近テレビ見てないの?」


見てないの。


「碧ちゃんは今やってるドラマのヒロイン役をやってるんだよ?」


…………あーーー、なんかCMでチラッと見たような?


「確かドラマは、『月の下で恋をした』……だっけ?」


薄らある記憶を辿りに、ドラマの名前を言ってみた。


「そうそれ!なんだ分かるじゃん!テレビに引っ張りだこのの超超超大人気高校生女優なんだから」


なるほど、だからさっき顔を隠してたんだな。そんな人気な女優がふらっと街歩いてたら大変なことになるからな。


「詩音さん、そんな、大袈裟ですよ」


碧さんは黒鐘の言ったことを否定するように手を横に振った。


「でも、そんな方が、なんというか、1人で街を歩いていて大丈夫なんですか?」


「えぇ、特に問題ありませんよ、私にだってプライベートはありますから、むしろ仕事から離れることが出来て嬉しいんですよ」


そりゃそっか、碧さんだって人間なんだから、自分の時間が欲しいに決まってる、一生監視されてる人生なんて最悪だもんな。


「それより月宮さん、私のことはぜひ名前で言ってもらって大丈夫ですよ?そっちほうが、話やすいでしょ?」


「い、いえ、いきなり名前で呼ぶなんて、せめて名字で呼ばせてください」


「では、白石(しらいし)と呼んでください」


「わ、分かりました、じゃあ白石さん」


俺がそう言うと、白石さんはにっこりと微笑んだ。


「それじゃ、そろそろ本題に入りますか!」


黒鐘はそう言いながら白石さんの方を向いた。


「碧ちゃんは知ってるんだよね?仁の力について」


いよいよ本題だ。俺の持っている力について、ついに知ることができる。


白石さんは改まって、両手を膝の上に乗せて言った。


「えぇ、ですが教えるには1つだけ条件があります」


俺はゴクリと固唾を飲んで聞いた。心拍が上がってきているのを感じながら。


「”絶対に誰にも言わない”でください。私が今からお伝えする情報を漏らしたともしバレれば、私だけでなく、貴方たちもただでは済まないことなってしまうので」


白石さんは、その整った見目麗しいと言える目で、俺の事をきっちり捉えながら言った。


後に言ったことが少し気にかかるが、条件に対しての答えはもちろん1つしかない。


「もちろんです、自分も自分の力についてはあまり広めたくないとおもっているので、この力のことについては誰にも言いません」


「ありがとうございます、恐らく、月宮さんは誰にも言わないと思います、ですが」


「ですが?」


「万が一があります、本当に申し訳ないのですが、私はまだ、月宮さんに会ったばかりで、完全に信用することが出来ません」


……それもそうだな。会ってまだ1時間すら経っていないんだ、さっき会ったばかりの人に自分の人生が関わるような情報を簡単に言えるわけないもんな。


「では、自分はどうすればいいですか?」



「試させてください、月宮さんが本当に、信用していい人なのかどうかを確かめるために」


試させる、何をするのかは分からんが、情報のためだ。


「分かりました……」


「ありがとうございます、じゃあ詩音さん、お願いします」


「はいよー」


そう言うと、黒鐘は席を立った。


「え?どうゆうことだ?」


「仁は今から試練を受けるから、その間だけ私は席を外すんだよ」


席を外す?ちょっと待ってくれよそしたら白石さんと2人っきりになるじゃないか、そんな空間、緊張して死んじまうよ!


「ま、何をするのかは碧ちゃんから聞いてないからわかんないけどー、しっかり合格できるように頑張りなよー」


「それじゃまた後でー」と言いながら黒鐘は個室から出ていった。



────────────────────


部屋の中は、静寂の2文字になった。


これから一体何をするんだ、試練ってなんなんだっ!


「月宮さん」


「はぁい!」


いきなり名前呼ばれたからビビった……


「こんな試し方しか思いつかなった私を許してください」


「え?」


白石さんは横に置いている小さな白いバックから何かを取り出した。


それは──────────黒色のカードだった。



俗に言う、ブラックカードと言うのだろう、白石さんはそれを俺の目の前に置いた。


「今、月宮さんの前にあるこのカードは、使おうと思えば貴方も使えます、そして、このカードの中には、13億円ほどが入金されています」


……高校生の俺にいきなり13億円って言ってもピンとこないんだよな……まぁでも、確か日本人の平均生涯収入が2億6000万円くらいだったから、それに比べれば、とんでもない額とは分かるな。


「このカードがあれば、月宮さんは一生遊んでも余る程の大金が手に入ります、それを貴方に差し上げます……と言われた時、月宮さんはこのカード、受け取りますか?」


白石さんは付け加えるように言った。


「もちろんこれは試すと言った事ですが、受け取るというのならば、本当に差し上げますよ、もちろん使ったら怪しい請求が来ることも神に誓ってありません」


……………………


「何故ここまでするのか疑問に思っていますよね、これはやり過ぎでは無いかと……ですがここまでしなくてはならないほど、その情報は重要な情報なんです」


このカードを今受け取れば、俺は一緒遊んで暮らせるし、やり方次第では一生人と関わらないで生きることもできる。


でも、それじゃだめだ。


「凄いカードだとは思うけど、俺はこのカードを受け取りませんよ」


俺はなぜ受け取らないのか説明した。


「このカードを受け取って、一緒遊んで誰とも関わらないで生きるなら、俺は自分の力について知って、できるならこの力を取り除きたいので」


俺の説明を聞くと、白石さんはどこか安心した様な表情になった。


「分かりました、認めましょう、月宮さんは信用出来る方だと」


「ありがとうございます」


ふぅー、どんな試験かと思えば、俺からすればどうってことない試験だったな。多分黒鐘だったらカードの方選んでたかもな。


なーんてもう試験は終わって安心していのも束の間。


「では、信用出来るかどうかの試験は、合格と言うことで、次の試験を行わせてください」


「え?まだ試験あるんですか?」


これで終わりじゃないのか?次の試験?他に何を試すんだ?


「えぇ、信用出来るかは分かりましたが、まだ、“その情報を聞いて、耐えれるのかどうか“が分からないので」


白石さんはニコニコしながら試験をする理由を説明した。


「な、なるほど、それも自分1人ですか?黒鐘はいいんですか?」


「詩音さんは大丈夫です、詩音さんは必ず耐えることができます」


その自信がどこから来ているのかは分からないが、まぁ白石さんがそう言うなら大丈夫なのだろう。


……まぁ結局のところ、俺はまた白石さんの試練を受けることになった……


ここまで読んでくれ皆さん、ありがとうございました!次話は是非お願いします!

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