16話 俺の意見も聞けよ
月宮 仁 (つきみやじん)主人公
黒鐘詩音 (くろがねしおん)クラスメイト
高橋 千奈 (たかはしちな) 自殺未遂をしたが、仁と黒鐘に命を救われた。
先程、ばったり黒鐘と千奈と会い、なんやかんやあって今は昼飯を食べるためにパスタ専門店に向かっている。
俺の少し前を歩く黒鐘と千奈、俺は2人の少し後方の間につけている。
傍から見ればストーカーに見えてそうだな……
明らかに陽気の風貌の女子の後ろを、明らかに地味で陰キャな男子がつけている……別に陽キャになりたいわけではないが、少しはオシャレというものを気にするべきか、服選びは今まで適当だったからな。
「あ、ここかな」
おっと、急に止まられて黒鐘にぶつかりそうになった、危うく本当に変質者になるところだった。
「おー、なんかすごいね」
語彙力。にしても、確かに最近出来たこともあり、外装はめっちゃ綺麗で、目に入ったらちょっと入ってみようかなと思える程だ。ただ少し高級そうな雰囲気もあるのは俺の気のせいだろうか。
そして中からは食器の音や、話し声や笑い声、またパスタのいい香りも漂ってくる、あーまじで腹減ったなぁ。
いつもなら休日は12時くらいに飯食べているからな、もう12時はとっくに過ぎている。
「でも少し並んでるね、まぁこれくらいなら大丈夫か」
と言いながら黒鐘は俺の方をちらっと見た。
ん?なんだ今の視線は。まさか俺が並ぶのに耐えれないとでも思っているのか?ははは、安心しろ、忍耐力はある方だからな。
まぁ結構少しだけ並んでいるため、俺達は店の外にあるベンチで順番が来るのを待った。
15分程経っただろうか、やっと俺達の番が来たようだ。
何度か腹が鳴ったが、聞こえていなかったことを願う。
上から下まで白く、清楚感を出している店の服を着ている若い女性店員の声を聞き、俺達は店内に入った。
やはりと言うべきか、内装も写真で見た通り、オシャレと言う感想だ。
やはり店員の服と同じで、壁紙やら床も全体的に白が多い。
パスタ専門店だが、パスタの本場、イタリアっぽい店にはしなかったんだな。
俺達は4人席に案内された。
周りにも客は沢山いるが、ほとんどが女性だった。
なんか俺、すげぇ場違い感があるんだけど、居づらいなぁ。
そうは思いつつも、俺は案内された席に座った。
俺側は俺1人で、俺の正面に黒鐘、その横に千奈という並びだ。
「ふぅーやっと入れたねー、あ、仁、私のバックそっちに置いてくれない?」
そう言いながら、黒鐘はこの前カラオケに行った時に持っていたバックと、同じものを俺に渡してきた。
ミルク色の小さめなバックで、肩から下げる系のバックだ。
俺は黒鐘からそのバックを受け取り、俺の隣に置いた。
本当に中が入っているのかと思うほど軽いバック、中に何が入っているのか少しだけ気になったが、それは黙っておくことにした。
「さーてと、何食べようかなぁ」
黒鐘は早速メニュー表を手に取り、千奈と一緒にどんなメニューがあるのか見始めた。
「沢山メニューあるねー」
千奈も目をキラキラ輝かせて言った。
俺も決めるか。腹減ってるからボリュームあるのがいいんだけどあるかな……
メニュー表を取り、適当に1ページ目を開くと、そこには聞いたこともない名前のパスタが沢山載っていた。
スパゲッティ、リガトーニ、ニョッキ、アニョロッティ、プカティーニ、うん、パスタってこんなに種類あったのか……あとほとんど分からん。
さすが専門店、まずはパスタの種類の説明から書いているのか、それぞれのパスタの特徴が分かりやすく載っている。
「うわぁ!この『トリュフとシーフード』ってパスタ、めっちゃ値段高いね!?」
そう言われたら気になる、俺はそのパスタを探した。
ペラペラページをめくっているとそのパスタを見つけた。
3000円、この量で?高過ぎないか?お子様ランチ程度の量しかないのに、3000円という値段、ほとんどトリュフのせいだろ……さすが世界三大珍味だ。
「さすがにこんな高いのは頼めないね……あ、私このパスタにしようかな」
そう言いながら千奈はあるパスタを指さした。
「あ、それ俺も頼もうとしてたやつ……」
それは俺が気になっていたパスタだった、量も多めだし、それにしようかなと思っていたが、千奈って意外と大食いなのか?
「なら私もそれにしようかな〜」
そして日本人特有の特徴で、黒鐘も2人に合わせるように同じパスタを選んだ。
こうして俺たちは全員同じパスタを注文した。
まぁこれなら割り勘の時簡単だからそれは得だな。あれ、千奈が奢ってくれるんだっけ?
注文してからしばらく2人だけが会話していると、ふと千奈はこう言った。
「あのー、ずっと聞きたかったんだけど、詩音ちゃんと月宮ってどういう関係なの?」
千奈は本当は分かっているがあえて質問した様に言った。
あー、されたくない質問来たー。どういう関係と言われても、友達と言えばもはやそうかもしれないが……答えづらい。
だが、黒鐘は特に迷わず返事をした。
「いや、ただの友達だよ?」
「へー、友達かー」
おい、なんでニヤニヤしてる、まさかまた俺達が恋人同士と勘違いしてるのか?もうやめくれよ。
この前は友達と言われるのが嫌だったのに、いつも何かそういう感情が無くなっている自分が怖いな。
「だったら私も月宮の友達になっていい?」
その質問に対して、黒鐘は少し間を開けてから「別にいいよ」と答えた。
『だったら』ってどういう意味だ?あとなんで黒鐘に聞くんだ、俺に聞けお、れ、に。どうして俺はこんなにいないことになってるんだ?俺がそれを望んだからか?
「やった、これからよろしくね、仁君?」
そのイラッとくる言い方やめろ、あと何度も言うが、俺はイエスと言ってない。はぁ今更断るなんて言えないし、余計な友達作っちまった……大体俺みたいな陰キャと友達になってなんの得が……
まぁいいや、基本無視しとけば勝手に離れていくだろう。
なんてことを思っていると、注文したパスタが届いた。
「お待たせいたしましたー、『牛とピリ辛ソーススパゲッティ』です」
そう言いながら店の店員は慣れた手つきで品々を俺達の前に置いた。
おー、いい香りだ、写真で見た通り美味そうだ。
「うぁー美味しそうー!写メ撮っちゃお!」
そう言いながら女どもは何枚もパシャパシャと写真を撮り始めた。
確かに見た目はあんまり見ないパスタだが、そこまで撮らなくてもいいだろ、いや、訂正する、そういう人達の心理は分からんしどうでもいいわ。
もう腹の減りも限界だし、食べるか。
俺はフォークを手に取り、パスタを食べようとしたが、
「あ、待って仁!こういうのは一緒に食べようよ!?」
えぇ、そんなこと言われても知らんよ、だったら早くせい。
俺の願いが通じたのか、黒鐘と千奈はフォーク持ち、手を合わせた。
「それじゃ!いただきまーす!」
「いただきます……」
小声で俺もいただきますと、言った。
さぁ待ちに待ったぞー、やっと昼を食べれる!
そう思いながら、パスタを口の近くまで運んだその時、俺の幸せの時間を台無しにする事件が起きた。
ここまで読んでいただきありがとうございました!次話も是非お願いします!
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