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15話 偶然か必然か、出くわす

月宮 仁 (つきみやじん)主人公

黒鐘詩音 (くろがねしおん)クラスメイト

高橋 千奈 (たかはし ちな) 黒鐘の友達、仁と黒鐘に命を救われた


6月3日 12時頃、俺は晴天の中、自転車で15分程の場所にあるイオンへと向かっていた。


俺の住んでいる地域は意外と遊べる施設や大きなショッピングモールというものがなく、今向かっているイオンには子供の時からよく通っている。


龍己と何度行ったことか……ゲーセンもあるし映画館もあるから暇ならイオン行くか、というノリでよく遊んでたものだ。


ちなみにあんま知られてないけどイオンという名前はラテン語で『アイオーン』という言葉が由来になっていて、日本語では『永遠』という意味がある。


何度も通っている中、何となく気になって調べた知識だ。


────そもそも今日は龍己のことについての話を聞くために、龍己の家に行くつもりだったが、母親から、「お菓子とかなんでもいいから家に持って行きなさい」と言われたので、仕方なく、龍己の家の近くにあるイオンで何かを買ってから家に行くことにした。


でもそのために少しお小遣い貰えたし、余った金でなんか買うか、ぐへへ。


と言っても今欲しい物ないからな…… 結局使わないで貯金しするしか選択肢が無くなるんだよな、今から将来の為に貯金をするとは、ふっ、なんて優等な人間なんだ俺は。



しばらく自転車を漕ぎ、目的地に到着した。


なんだかんだ久しぶりに来たこのイオン、そしてよく自転車を停めたこの駐輪場…………うわぁ、みんな暇なんだろうな……


入口付近の駐輪場はぎゅうぎゅうに埋まっており、少し遠くの方までチラホラと止まっていた。


もちろん駐輪場に限らず、駐車場はもっと混雑している。端っこの方まで車でいっぱいだ。


そりぁそうか、土曜日の真昼間、ただでさえ人が集まる時間だ。そんでこの辺りの地域にはあんまり遊べる施設無いからな、人が来るわけだ。


1駅2駅電車に乗れば、都市部に行けるが、わざわざそこまで行く気にもならんのだろう。


まだ6月なのに、もうこんなに暑い、去年の今頃はこんなに暑かったけ、もう記憶にない。でも絶対こんな暑く無かった、と思う。


俺は駐輪場の端っこに自転車を留め、入口へと向かった。



さすがに久しぶりに来ただけあって、少し内装が変わっているな。


俺が入った入口は西口で、この辺りには飲食店が多く並んでいる。


そう、実は俺はまだ昼を食べていない、理由はせっかくイオンに行くならどっかの店で食べようと思ったからだ。


結構腹減ってるし、先に飯食べに行くか、それとも買い物済ませるか……龍己の家には3時に行くことになってるし、時間はまだあるからな。


と、仁が悩んでいると、偶然か、必然か、いつもの如く、その少女は現れた。


「あれ?仁じゃん!?なんでここにいるの?」


俺の名前が呼ばれた瞬間、俺はビクッと肩を震わせた。


なんだ、今の俺にとって『聞きたくないセリフランキング』3位くらいのセリフは。


俺は声が聞こえてきた方向を見た。そこには、


「黒鐘、に、高橋、さん?」


いつもはポニーテールだが、今日は髪を下ろし、カジュアルな格好の黒鐘に、あの時以来の千奈がポツンと隣に立っていた。


苗字は高橋(黒鐘に教えてもらった)で、改めて高橋千奈は、最近、親友だと思っていた人のいじめによって、自殺未遂まで追い込まれた人である。


そのいじめは俺と黒鐘が教師に報告したため、解決しているが、深刻なダメージを負った千奈はカウンセリングを受けている、と聞いていたが……


「もう、大丈夫なんですか?」


なぜが同級生に敬語で話す俺。女子と話す時なんて大体の人がこうなるだろう。


俺の質問に対して、千奈は小さな微笑みを見せながら答えた。


「まぁね、最近は大丈夫」


その言い方的に、いじめられた当日はやばかったんだろう……にしても回復まで早いと思うけど、普通何ヶ月もかかるもんじゃないのか?自殺未遂をしたんだぞ。


「なるほど、それで今日は気分転換に黒鐘と買い物に来ている感じですか?」


「うん、詩音ちゃんが誘ってくれてさ、あの日から1歩も家から出てなかったからね」


まだ何処と無く暗い印象もあるが、友達と出かけられ程元気になって良かった。


「って、さっきからまるで知り合いの様に話してるけど、私月宮と話すの初めてだよね?」


「そう、ですね……」


はい。今初めて会話してますね。なんなら黒鐘以外との女子の会話も、学校の授業以外なら初めてですねははは。


千奈は俺の目の前まで来て頭を下げた。


「ありがとう。詩音ちゃんから聞いたよ、私のこと、助けてくれたんでしょ?話したことも無いのに、どうしてそんなことしたの?」


…………当然のことをしたまで、と言いたいところだが、そう言っても余計分かんなくなるだろうし、だからと言って、俺のせいで死ぬことになったから助けたとは言えないし、どうするか……てか頭あげてくださいなんか変な気持ちになるから。


「あはは、仁はすっごいお人好しだからさ、他人のことも気にしちゃうんだよ」


誤魔化す様に黒鐘は適当な言い訳を言ったが、もう少しマシな言い訳無かったのかー?さすがにそれは無理あるだろ。


「そ、そんなお人好し、詩音ちゃん以外にも居たなんて、びっくりだよ」


あれ、意外といけるか?なんか俺、すんごいお人好しってことになっちゃったけど、これで突き通せるのか?


「ははは、ま、まぁそんな訳で、俺はそろそろ────」


「ところで仁は何しにきたの?」


ちゃかり去ろうとしたが、黒鐘に引き止められた。


「えーっと、買い物だよ」


「荷物持ってないってことはまだ買ってないんだよね?」


そうだが、なんだ?まさか「なら一緒に買い物しない」とか言うわけないよな?


だが、俺の予想は当たってしまった。


「買い物してないならさ、一緒に回らない?」


「あぁーー、いやー」


いやいやいや、行くという選択肢は無いだろ、黒鐘だけなら100歩譲って行くかもしれんが、千奈もいるとなると、行かないが正解だろ。いや今のは黒鐘好きだからとかじゃなくて千奈と一緒に行動するのは危ないという意味だぞ。


「あ、だったら月宮に助けてもらったお礼したいからなんか奢らせてよ」


おい、何勝手に一緒に回る事になってんだ、俺はいいよなんて一言も言ってないぞ。


「仁はお昼食べた?」


黒鐘の質問に対し俺は、


「いや食べてないが……」


次黒鐘が言う言葉は、「なら一緒に食べようよ!私達もまだ食べてないから」だ。もう全て分かる。遂に未来予知できるようになっちまった。


「私達もまだ食べてないから、一緒行こうよ!」


ほらな、絶対言うと思ったよ、にしても黒鐘と千奈と一緒に昼を食べる、つくづく思う、黒鐘だけなら心置きなく行けたと思うが、千奈がいるとなるとそうはいかない。


また俺の力のせいで死ぬ可能性が出るかもしれないからな。


だがどうする、ぶっちゃけ黒鐘と昼を一緒に食べるのが嫌かと聞かれれば、答えは「嫌では無い」だ。


今となっては学校では昼を一緒に食べる日もたまにあるし、俺的に飯は1人で食べたい派という訳では無い。


まぁ例の力が現れてからは極力1人で食べるようにはしているけど、中学の時は龍己や近くの席の人と食べていたからな。


だから断る理由が無い。強いて言うならば、千奈がいることくらいだ。


俺がしばらく腕を組んで悩んでいると、痺れを切らした黒鐘は勝手に話を進め始めた。


「千奈ちゃんはどっか行きたいお店とかある?」


「うーん、私は特にないかなぁ、詩音ちゃんは?」


おーい、また勝手に進めんなー、他人の意見を尊重しろー、嫌俺がずっと悩んでいたのが悪いんだけど。まぁもう行く流れになっちゃったし、仕方ない、行くか。


てか黒鐘は俺のことを思って学校では1人で飯を食べる場を探してくれたはずなのに、今はなんで誰かと一緒に食べることに対してむしろ積極的なんだよ、やっぱりバカなのか、こいつは?


「私はこのお店行ってみたいんだよね〜」


そう言いながら、俺達にスマホの画面を見せてきた。


そこに映っていたのは、今いるイオンに最近出来たらしいパスタ専門店だった。


パスタ専門店など、行った時ある訳がなかなか興味深い、どんな店なのか気になる。


店の写真を見る限り、内装はそりゃまぁオシャレで、どっちかと言うと男性より女性に人気のありそうな店だ。


パスタの写真も何枚かあるが、どれも映そうなパスタばかりで、尚且つコンビニとかに売っているパスタは全く違い、ザ・イタリアのパスタという感じだ。


「そうだな、俺はこの店でいいけど、高橋さんは?」


「うん、私もいいよ、パスタ結構美味しそうだし」


千奈の同意も得ると、黒鐘は「よし!なら早速レッツゴー」とまるで小学生の様な言い方で、パスタ専門店へと歩き出した。


こうして俺は、今日の昼は女子2人と食べることになった。

ここまで読んでいただきありがとうございました!次話も是非お願いします!


…………実はもう少し下にスクロールしてもらうと、星のマークば5つ並んでいるんですよ、そこで読んで頂いた作品を正直に、星1でもいいので評価して頂ければ自分超喜びます笑(小声)

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