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4.見えているものは、何なのか?

作者、一眠りしました!

★評価など、応援よろしくお願いします!!

創作の励みとなります!!!!!


追伸:次回更新は明日の昼くらいかな。

追記、さっき起きました(15時13分)










「見えているものが、違う……」

「そう、なりますね」




 生徒会室を出てしばらく歩き、ボクの口を突いて出たのはそんな言葉。

 隣にいるセシルも、肯定するように言った。互いに半信半疑。当の本人である自分が一番信じられていないのだから、それもそのはずか。

 ただ確認したいことがあり、ボクは少女に訊ねた。



「本当に、みんなには見えないの?」



 すると彼女は、神妙な表情で答える。



「……えぇ、見えません。アルスさんが粒子と呼んでいるそれは、きっと仮説の中でのみ語られる存在、魔素のことですから」

「魔素……?」

「はい」



 聞きなれない言葉が出てきたので、首を傾げてしまった。

 セシルはこちらの様子に気付いたらしく、簡単な解説を始める。



「要するに、魔法の源ですね。空気中、あるいは属性に応じた場所に多く存在している、と仮定されています。ただ、それはあくまで仮定であって……」

「いまだ、空想上の存在、ってことか」

「……そうですね」



 ――なるほど、と。

 ボクは少女の説明をひとまず呑み込んだ。

 つまるところ、ボクが今まで粒子として視認していたのは魔素。そして魔素は、理論上存在するとされるもの、という話だった。

 たしかに、目に見えないものは肯定するに値しないだろう。



「でも、どうしてボクにはそれが見えるんだ……?」



 当たり前と思っていた光景。

 しかし、それが不自然だと知った今となっては違和感しかなかった。

 そのため考え込んでいると、おもむろに口を開いたのはセシル。彼女は努めて明るい口調で、こう語るのだった。



「それはきっと、アルスさんが何か特別な人だからですよ!」――と。



 それは、クライスさんも言っていたようなことで。

 ただ、より力強く肯定の意を示したものだ。



「特別な……?」

「はい! きっと、なにか特別な役割があるんです!」

「そんな、ボクはそこまでの人間じゃないよ」



 勇気づけようとしてくれている。

 それは理解できたが、なかなか首は縦に振れなかった。

 そうしていると、どうやらセシルが次に選択授業を受ける教室前に到着したらしい。彼女はドアに手をかけてから、一度振り返ってこう言った。



「あ、あの……!」



 ほんの少し、頬を赤らめながら。




「さっきは、助けていただきありがとうございました……!」




 そして、駆け足で中に入っていってしまった。

 ボクは少しだけ虚を突かれて、その場で立ち尽くしてしまう。




「……ありがとう、か」




 数秒の間を置いて。

 彼女の言葉をゆっくりと噛み締めた。



「だけど、特別、って言われてもな……」




 でも、すぐに気持ちを切り替える。

 自分は転入初日のため選択授業がない。


 つまり今は、空き時間。

 だったら少しでもいいから、考えをまとめるべきだった。




「よお、さっきは邪魔が入ったな……」

「え……?」




 そう思っていた時だ。

 聞き覚えのある男子生徒の声で、そう言葉を投げられたのは。




「キミは、さっきの」




 そこに立っていたのは、セシルをイジメていた男子。

 アビス伯爵家の次男――セリセット・アビスの姿だった。




 


面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!


もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより★評価など。

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<(_ _)>

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