4.見えているものは、何なのか?
作者、一眠りしました!
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追伸:次回更新は明日の昼くらいかな。
追記、さっき起きました(15時13分)
「見えているものが、違う……」
「そう、なりますね」
生徒会室を出てしばらく歩き、ボクの口を突いて出たのはそんな言葉。
隣にいるセシルも、肯定するように言った。互いに半信半疑。当の本人である自分が一番信じられていないのだから、それもそのはずか。
ただ確認したいことがあり、ボクは少女に訊ねた。
「本当に、みんなには見えないの?」
すると彼女は、神妙な表情で答える。
「……えぇ、見えません。アルスさんが粒子と呼んでいるそれは、きっと仮説の中でのみ語られる存在、魔素のことですから」
「魔素……?」
「はい」
聞きなれない言葉が出てきたので、首を傾げてしまった。
セシルはこちらの様子に気付いたらしく、簡単な解説を始める。
「要するに、魔法の源ですね。空気中、あるいは属性に応じた場所に多く存在している、と仮定されています。ただ、それはあくまで仮定であって……」
「いまだ、空想上の存在、ってことか」
「……そうですね」
――なるほど、と。
ボクは少女の説明をひとまず呑み込んだ。
つまるところ、ボクが今まで粒子として視認していたのは魔素。そして魔素は、理論上存在するとされるもの、という話だった。
たしかに、目に見えないものは肯定するに値しないだろう。
「でも、どうしてボクにはそれが見えるんだ……?」
当たり前と思っていた光景。
しかし、それが不自然だと知った今となっては違和感しかなかった。
そのため考え込んでいると、おもむろに口を開いたのはセシル。彼女は努めて明るい口調で、こう語るのだった。
「それはきっと、アルスさんが何か特別な人だからですよ!」――と。
それは、クライスさんも言っていたようなことで。
ただ、より力強く肯定の意を示したものだ。
「特別な……?」
「はい! きっと、なにか特別な役割があるんです!」
「そんな、ボクはそこまでの人間じゃないよ」
勇気づけようとしてくれている。
それは理解できたが、なかなか首は縦に振れなかった。
そうしていると、どうやらセシルが次に選択授業を受ける教室前に到着したらしい。彼女はドアに手をかけてから、一度振り返ってこう言った。
「あ、あの……!」
ほんの少し、頬を赤らめながら。
「さっきは、助けていただきありがとうございました……!」
そして、駆け足で中に入っていってしまった。
ボクは少しだけ虚を突かれて、その場で立ち尽くしてしまう。
「……ありがとう、か」
数秒の間を置いて。
彼女の言葉をゆっくりと噛み締めた。
「だけど、特別、って言われてもな……」
でも、すぐに気持ちを切り替える。
自分は転入初日のため選択授業がない。
つまり今は、空き時間。
だったら少しでもいいから、考えをまとめるべきだった。
「よお、さっきは邪魔が入ったな……」
「え……?」
そう思っていた時だ。
聞き覚えのある男子生徒の声で、そう言葉を投げられたのは。
「キミは、さっきの」
そこに立っていたのは、セシルをイジメていた男子。
アビス伯爵家の次男――セリセット・アビスの姿だった。
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