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1.アルスの過去と重なる光景。

ここから第1章!

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<(_ _)>









「近寄んじゃねぇよ、役立たずの穀潰し!」

「そんな……!」



 この時代に来る前のこと。

 ボクは魔法を使えないことを理由に、村の人々から穀潰しと呼ばれていた。しかしそれだけではなく、常に距離を取られていたのだ。

 何かしらの暴力を受けたわけではない。


 むしろ逆だ。

 無視をされて、腫物のように扱われて。

 友達らしい友達もいなかった。だから――。




『私と、友達になってください!』




 目が覚めて、初めて会った彼女の言葉が泣きたいほどに嬉しかった。









 魔法学園での勉強は、ボクにとって刺激的なものだった。

 そもそも魔道具の数々が生まれた経緯や、その歴史という授業が興味深い。はるか昔、魔法の才がない少年の研究を基にして発展した魔道具は、いまや生活に欠かせないものとなっている。自分と似たような境遇の人物が、そのように後世に成果を残したのは嬉しい話だった。



「あとは、魔道具構造学を履修したいな」



 この学園では、全体授業のほかに自主選択科目制度がある。

 ボクは年齢上転入扱いなので、これから選択する、ということだった。



「そうなると…………ん?」



 だから履修登録解説書を見つつ、今後のことを考える。

 ――と、その時なにやら声が聞こえた。



「ここは、空き教室かな? いったい、なにが――」

「お前みたいな穀潰し、理事長のコネがないと入学なんてできないんだよ!」

「…………え?」




 それは、まるで自分に突き付けられているようで。

 思わず息を呑んでしまう言葉だった。



 だけど、それを突き付けられているのはボクではない。

 数人の学生に囲まれているのは、見覚えのある少女だった。



「セシル……?」



 そこにいて、悲しげな表情を浮かべるのはセシルだ。

 彼女は特に抵抗することもなく、言い返すこともなく、ただ他の学生からの罵詈雑言を浴びせられていた。これは、どう見ても……イジメだ。



 そう思った瞬間、ボクの身体は勝手に動いていた。




「おい、何とか言えよ――――あん?」

「やめなよ、そんなこと!」

「……誰だよ、お前」




 そして、一番偉そうな学生の腕を掴む。

 するとその男子は、訝しみながらそう訊いてきた。だから、




「ボクは、セシルの――」




 勇気を振り絞り。

 過去の記憶がフラッシュバックするのに耐えながら、言い返した。






「彼女の、友達だ……!!」――と。





 


面白かった

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_(:3 」∠)_

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