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第九話!!
班別戦開始です!!
班別戦当日、学園にある戦闘用訓練室でそれぞれの班ごとに作戦を立てていた。
「まず、班別戦のルールを。武器の持ち込みは無し。相手が死ななければよし。制限時間は2時間。班が全滅するかフィールドのどこかにある五つの珠を集めた班の勝ちとする。この他には何をしてもよし。と言ったルールで戦いを行うんだ。これをどのように戦うかなんだけど」
北上さんが緊張を隠せずに堅く笑う。
「前評判的には、昔からの名門野村家の御曹司君がいるからそこが一番注意すべきところだと思いますし」
一度考える間を置き山井さんが続ける。
「戦闘をするなら、私たちの班はステルス戦闘をしやすい本質が集まっています。北上さんの擬態、小林君の偽装、そして私の蜃気楼。この三人で相手を上手く離してそれぞれで戦える形を作れるようにしたいですね。たとえば、擬態で風景の中に隠れてみたり、偽装で相手の見える風景を変えてみたりすればいいと思いますね」
山井さんの作戦、まだチームワークが取れない俺たちでもできそうだな。でも相手に反撃された時の対応も考えないと。
「じゃあ、その案で行こうか。俺と卯月はステルスには向かないんだが、遊撃手として動いていいかな」
取り敢えず安直な案を出す。
「私も賛成。今井さんの未来視と、持田君の気圧操作で何が起こるかはわからないけど、面白そう」
「俺も賛成だね。この二人は幼なじみらしいし、だから協力しやすいと思うな」
「じゃあ、今井さんと持田君の二人で遊撃隊としましょうか」
トモ、北上さんの賛成で遊撃手の案も通った。
後はもう、班別戦の展開に対応して戦おう。
今日使うマップは、市街地α。町のモデルは吉祥寺らしい。
住んでいるから分かりやすくていいね。
「みんな、なんて呼べばいいかな?」
脈絡もなく、いきなりトモが話し出す。
班の全員が呆気に取られている。
「私は、卯月って呼び捨てでいいよ」
卯月が真っ先に答える。
一人が答えた事によってみんな答え始める。
「私も、二科でいいですよ」
「え、ええ。私も、奈乃でいいですよ」
北上さん、嫌、奈乃は少し周りの人に流され、動揺している。
「一応俺も。自己紹介で言った通りにイブって呼んでくれ。別に他の好きな呼び方でもいいけどな」
「最後に俺も。トモって呼んでくれよ!」
気づくと、白波先生が後ろに立っていた。
「お話は終わりましたか?それじゃあ、それぞれスタート位置についてください」
「卯月、最終確認だ。スタートしたらすぐに合流しよう。最初はそれだけを考えてくれ」
「わかった」
位置について少し待っていると、スマホから音声が鳴った。
「「班別戦、スタート!」」
班別戦が始まり、すぐに卯月と連絡を取る。
「決めてある場所で集合な」
「了解」
早く合流してしまおう。その気持ちを察したのか、角を曲がった所に、野村がいた。
「マジかよ」
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