05
第五話です!
よろしくお願いします!
あれから数年が過ぎ、俺は中学校3年生、15歳になった。
「なぁ、吹、お前、能力持ってんだろ。だから余裕で俺たちの分の掃除までできるよな」
俺は俯き、小さな声で答える。
「出来ないよ、俺のの力じゃ」
俺の言葉を聞いた学校のいじめっ子の一人は不満で顔を歪める。
「はぁ?こんな事もできないの?それじゃあお前の能力なんて所詮は無能力なんだな」
そう言って周りのいじめっ子も全員笑い出す。
いつもこんな状況だ。
「本質」を持っていない人の方が多いこの世の中では力を恐れてその能力者を幼い頃にいじめることが多いらしい。
それでもいいんだ、こんな奴ら。いつか冒険者になって見返してやるんだ。
はぁ、とため息をつきながらいなくなったいじめっ子たちに押し付けられた掃除を続ける。
一人で強がっていても精神は中3。いじめられるのはやっぱり辛い。
教室の隅で一人で涙をこらえていた。
「大丈夫?」
俺に声をかけてくれるやつがいた。
顔を上げるとそこには幼なじみの卯月。今井卯月が立っていた。
卯月は身長は147~148くらいで、白い髪に、海のように透き通った蒼い目をしている。
そして卯月も能力者の1人だ。
家系に今まで5人の能力者がいる家だから能力者が生まれても驚かなかったらしい。
そもそも髪も白かったからな。
「あぁ、大丈夫。心配してくれてありがとうな」
鼻をすすりながら答える。
「本当に大丈夫なのね?いつでも相談してね。私でよければ相談に乗るからね」
卯月はそう言って励ましてくれる。
俺は立ち上がり卯月に向かって笑顔を作る。
「いつもありがとうな、卯月」
このやり取りを終えると、すぐに家へ帰った。
家に帰ると妹と弟に出迎えられた。
「「お兄ちゃんお帰り!」」
ばっ、と足にしがみつかれ身動きが取れなくなる。
玄関で立ち往生していると階段から母が降りて来た。
「吹、何やってるの?って、こら、悠花、悠一。やめなさい、お兄ちゃん困ってるでしょ」
「「はーい」」
母の一言で妹たちが足から離れてリビングへと走っていった。
「ほら、ボーっと突っ立ってないで早く荷物おいてきて手を洗いなさい」
疲れて止まっていると母にしかられれた。
手を洗い、学校の宿題を終えると、母が目の前に座り、俺の目の前にプリントを出してきた。
受験のための勉強だ。ここで頑張ればあのいじめっ子たちの事を見返してやれる。大人になって自由な生活を送れる。そう思って勉強していた。
また少し時は流れ、2月。
受験の合格発表の日。
国立能力開発学園東京第二中学校に来ていた。
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