03
第三話です!
よろしくお願いします!
「吹くん、持田吹くん。3番の診察室へどうぞ」
看護婦が呼び出した。
「吹、行こうか」
そう言って父が俺の乗ったベビーカーを押した。
診察室へ入り、父が椅子に掛け、医者に挨拶するといきなり血液検査を求められた。
「ええと、まず、血液検査しますね。じゃあ、お子さんを抱っこして、ください」
え?血液検査?聞いてない聞いてない。
異能力なんかがあるんだからこの検査も能力でどうにかならないのか?
べ、別に注射器を刺されるのが怖いわけじゃぁないからな。
そうこう考えているうちに父のももの上に座り、注射器を刺され、血液を採られていた。
「~~~!!」
痛いからではなく、いきなり注射器を刺されたことに泣き出す。
「あぁあぁ。大丈夫かい?吹、大丈夫、大丈夫」
父が俺のことをあやす。
あれ?何故か異様に落ち着く。体が子どもだからか?
「はい、ええと。血液を採りましたので、一度外に出てお待ちください。10分から15分程度で結果が出ると思いますので」
「はい、わかりました。よろしくお願いします」
父がそう言って俺とともに診察室を出た。
十分ほど経ち、そろそろか、と思い出した頃、丁度呼ばれた。
「吹くん、持田吹くん。3番の診察室へどうぞ」
診察室へ再び入り、座ると医者が結果の記載された紙を父に渡した。
「結果ですが、その紙に書かれた通りに、吹くんは「本質」があります。能力の内容はこの検査ではわからないのでもう少々お待ちください」
父は驚きのあまりに固まっている。
そして、表情を一つも変えずに俺達は診察室を出た。
「ぇぇ?噓だろ?吹が能力者?考えたことも無かった、なんて言ったらいいかわからない」
あまりにいきなりの事で状況が理解できていないらしい。
どうやら能力者の髪色は生まれた時に親とは全然違う色になるらしい。
例えば黒髪の両親から生まれた子の地毛の色が赤かった。と言ったような感じだ。
俺のように黒髪の両親から生まれた俺が黒髪なのは当たり前のことのようだがそれでもって「本質」があるとなるととてもレアな事らしい。
再び10分ほど待っていると別の診察室から呼ばれた。
「吹くん、持田吹くん。2番の診察室へどうぞ」
診察室へ入ると若い女性の医者がいた。
「あ、あの。けっ、結果です!」
そう言ってさつきと同じように一枚の紙を渡された。
そこには「|圧力操作」の文字があった。
読んで頂きありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!
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