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第1筆 斬首
――リトンの首を刎ねよ!
夏の離宮にある玉座の間で、王が叫ぶ。
――宮廷書記官の身で、何ということを。この痴れ者が!
近衛騎士に身柄を押さえつけられ、床に這いつくばった翠目の青年は、それでも不敵に笑った。
――お持ちください、陛下。
王太子が口を挟む。
――何だ? お前はこやつの肩を持つのか?
――いいえ。
怒りに燃える、王の紫の目にも怯まない。
王太子が口を開く。
――首は首でも、宮廷書記官としての命を絶ちましょう。
――リトンの首を刎ねよ!
夏の離宮にある玉座の間で、王が叫ぶ。
――宮廷書記官の身で、何ということを。この痴れ者が!
近衛騎士に身柄を押さえつけられ、床に這いつくばった翠目の青年は、それでも不敵に笑った。
――お持ちください、陛下。
王太子が口を挟む。
――何だ? お前はこやつの肩を持つのか?
――いいえ。
怒りに燃える、王の紫の目にも怯まない。
王太子が口を開く。
――首は首でも、宮廷書記官としての命を絶ちましょう。