日本!?いえ、異世界です! ~人斬り物語~
僕の世界には色が無い。
この目に映る灰色の空はきっと僕以外の人々には夏を思わせる白い雲に写っているのだろう
僕の横ではこれまた夏を思わせる
いや、夏のはじまりを告げるように蝉たちがせわしなく鳴いていた。
僕の長い長い夏のはじまりである。
僕、北村大知は座っている車椅子を押されて学校にある校庭の一角
他では見たこのとないくらい太く、3階建ての校舎と同じくらいには高いイチョウの木の下にいる
高校1年生の春
入学式の日だった僕は保育園以来の幼なじみ
佐藤彩華と今日から始まる憧れだった高校生活を始めることになる校門への第1歩目を競ってカラカラとチェーンの回る音がする使い古した僕のおんぼろ自転車を必死にこいでいた。
彩華は高校生になることに特別な思いの1つでもあるようで新しい自転車を買って乗り始めたばかりで僕のおんぼろ自転車のようなギアとチェーンの噛み合わせが悪い音はしていなかった。
少しだけ羨ましい。 ずるい。
そんなことを思っていたとき
ふと目に映ったのは、それはそれは白く背景と同化してキラキラと光る口からタバコを吸った時のように大きく広がりでてゆく煙だった。
この頃はまだ冬の寒さが少し感じられる肌寒い日だった。
僕たちが今しがた追い抜いた通学途中の小学生達も母親が編んでくれたであろう手編みのマフラーをしていたことからも今日は春の中でも特段寒いのだと実感できた。
だが、前日に天気予報で朝の気温を把握していた僕に死角はないこの日僕は冬が終わったばかりで机に置きっぱなしだった彩華から誕生日プレゼントとしてもらったお気に入りの少し地味めな、されど温かさは折り紙つきの耳あてをつけ彩華と学校へ向かった。
しかし、それが悪かったのだろう
耳当てにより周りの音が少しばかり聞こえづらくなっていた。
僕は横から接近してくる車に気づかず、そのまま衝突してしまった・・・らしい
らしいという曖昧な表現なのは僕は車に衝突するほんの、次の瞬間には僕の体を乗っている使い古しの自転車ごと吹き飛ばすという所で情けないことに僕は気を失ってしまったからだ。
次に生まれ変われるなら異世界がいいなぁ。
僕は勇者でお姫様がいて
ゴブリンやオーク、魔王を倒してお姫様と結婚
最高だ。
やっぱり次はファンタジーな異世界に限るなぁ。
おもろいといいなぁ
初めて投稿する作品です
誤字脱字、文章構成等おかしな点が多いかと思います。
ご指摘等頂けたら嬉しいです。