第6話「発動!変態追跡スキル」
通行許可証であり、身分証明でもある輝石、片言紳士は8000万ガネーを払うから返してくれと言う。
さて、ここでどういった選択肢を取るべきか?
それによっては今後に大きく左右するような気がする。
選択肢は3つ。以下の内容だ。
・黙って石を売って8000万ガネーをGETする
・素直に事実を語って石を片言紳士に渡す
・足下を見てもっと高い額の金銭を要求する
まずそのまま輝石を片言紳士に売り8000万ガネーを手にするという選択肢だ。
片言紳士は自分が転売して儲けるために輝石を窃盗したと思い込んでいる。
もしくは窃盗した相手から買って、さらに転売しようと企んでいると睨んでいるようだ。
こちらが輝石をどこかで拾ったという線はないと見て、できるだけ転売先よりも高い額を提示して買い戻そうとしている。
ならばここで下手に誤解を解くよりも素直に輝石を片言紳士に売って8000万ガネーを得るのが一番だろう。
しかし、その場合自分が転売するつもりだったと暗に認めた事にならないか?冤罪なのに……
そして片言紳士がこの事を公安に訴えたりしたらどうなる?確実に逮捕されないか?
うん、されるね!
転売ヤーは摘発されたらその後待っているのは長い刑期に強制労働だ。そして人権を奪われる。
士農工商えた非人(転売屋)とは有名な語録である、くわばらくわばら……
なら素直に事実を語って輝石を片言紳士に渡すのが一番か?
人としてはそれが一番正しいのだろう。
良心も痛まず、被害者である片言紳士に損害はでない。
あるべき所にあるべき物がちゃんと戻る正しい結末だ。
そしてこういった正しい行為はちゃんと巡り巡って自分に思いも寄らない幸運をもたらしてくれる。
因果応報、世の中そういうものだ。
良い行いをすればちゃんと報われる結果が後々やってくる。
悪い行いをずれば必ずそれ相応の罰が下る。
だから、ここはちゃんと事情を説明して片言紳士に輝石を返すべきなのだ。
そうすれば、いずれ自分に何かが跳ね返ってくるかもしれない……
しかし、だ……
自分は今「即金」を欲している。
いつ来るかわからない、来ないかもしれない正しい行為に対しての報酬ではなく、今すぐに成果としての「即金」をだ。
となれば、ここで馬鹿正直にすべてを話してタダで返却するのは果たして正解だろうか?否!
片言紳士には悪いが僕の事を勝手に転売屋と勘違いしたのは向こうだ。
だとしたら即金を得るためにも彼には8000万ガネー払ってもらおう!そうしよう!
となれば現実味を帯びてくるのが最後の選択肢「足下を見てもっと高い額の金銭を要求する」なのだが……
うん、これはどうだろうか?
これをしてしまったら、もう冤罪じゃなくなるな……色々とアウトな気がする。
多分後で絶対公安案件になる……うん、この案は却下だ!というかクズすぎんだろ何考えてるんだ!?
そんなわけで8000万ガネーで輝石を買い取るという片言紳士に輝石を売る事にした。
片言紳士に輝石を渡し8000万ガネーが入った革のアタッシュケースを受け取る。
うむ、ほんの少し心が痛むが仕方がない……何せ自分には今「即金」が必要なのだからこれは仕方がない事なのだ。
そう心に言い聞かせていると片言紳士が。
「盗マレタ時ハドウナルカト思イマシタガ、何トカ取リ戻セテ良カッタデース! アナタモ、コレ以上罪ヲ重ネナイデクダサーイ! 窃盗モ転売モ犯罪デース! 次ハナイデスヨー」
そう言って立ち去っていく。
いや、僕は窃盗もしてないし転売もするつもりもなかったんですけどね?
そう思っていると、片言紳士が手にしている杖に違和感を覚えた。
「ん? あの杖もしかして?」
今まで気がつかなかったが、よく見えば片言紳士は足がほんの少し不自由なようだ。
そして、おぼつかない足取りを支えるにはあの杖はいささか、いやかなり心もとない。
なんというか、まったくメンテされていないのだ。
ほっとけばすぐにでも折れて壊れてしまいそうだ。
なので思わず声をかけていた。
「なぁ、その杖ちょっと見せてもらえないか?」
曲がりなりにも自分はマルに追い出される前はパーティーメンバーの武器のメンテを担当していたのだ。
職人気質ではないが、どうにも放っておけなかった。
不審がる片言紳士をなんとか説得し杖をチェックする。
やはり今まで折れなかったのが奇跡なくらいの状態であった。
近くの露店で部品や道具を調達し、杖を修繕する。
「ふぅ……これでもう大丈夫だと思うけど、こんな状態になる前に鍛冶屋や道具屋にちゃんとメンテ頼めよ?」
そう言って杖を片言紳士に返し、その場を後にしようとした。
しかし……
「チョット! コンナスゴイ腕アナタ持ッテタンデスカー!?」
「へ? いや、すごい腕って……僕そこまで技術はないですよ?」
「謙遜デスカ? 嫌味デスネー! ソンナ腕ガアルナラ転売ヤーニナラナクテモ真ッ当ナ仕事ガデキルデショウニ!」
「いや、だから転売屋じゃねーし! 稼げる技術でもねーし!」
「HAHAHA! 下手ナ謙遜、イキガル自慢ヨリ嫌ワレマスヨー?」
片言紳士はそう言うと懐からお金を取り出しこちらに差し出してきた。
「ハイ、修繕費デース! マッタク、オ金ヲ持ッテルトワカッタラ修繕シテクルトハ、トンダ金ノ亡者デース」
「ちょっと待て! さすがにこれはいいって! そういうつもりで直したんじゃないし、それに僕は本気でお金をもらえる腕前じゃないんだからさ! 前のパーティーでもさんざん言われたし」
そう言って受け取りを拒否すると片言紳士が首を傾げる。
「何ヲ言ッテルンデス? コレダケノ腕ガアッテオ金ヲ取ラナイナンテ、キット本職ノ人ガ価格破壊ダッテ怒リマスヨ?」
「へ?」
「ヒョットシテアナタ、自分ノ腕ガドレホドノモノカ解ッテナイノデースカ?」
自分の反応を見て片言紳士がそう言うと、ため息をつきながら自分の修繕の腕がどれほどのレベルなのかを懇切丁寧に説明してくれた。
自分ではわからなかったが、どうやら自分の修繕の腕は自分が思っていた以上にプロの鍛冶屋レベルだったようだ。
むしろなんでこれで鍛冶屋や修繕屋をやらないのか?というレベルらしい。
うーん、確かにマルのパーティーにいた時はパーティーメンバーの武器のメンテを担当していたが、その技術で食っていけるとは思っていなかった。
いや、違うな……そう思い込まされていたのだ。
思い返してみれば、自分が修繕技術にそこまで自身を持てなかったのはいつだったかマルに言われた言葉が原因だった。
「おーい、ハル」
「ん? 何すか?」
マルに呼ばれて振り返るとマルがため息をつきながらこちらにやってきて肩を組んできた。
「お前に頼んだ武器のメンテだけどさぁ……全然ダメだわこれ」
「え? そんな事はないと思うんすけど?」
自分は確かにきっちりとメンテを行ったはずだが、どうにもちゃんとできてなかったようだ。
マルが顔を近づけて睨みながら言ってくる。
「あのさぁ、お前こんなんでよく武具や道具のメンテできるなんて言えるよな? 恥ずかしいレベルだぜ? とても表には出せねーな」
「そんな……」
「まぁ、気にすんな。お前が腕がつくまで俺がしっかり面倒見てやっからよ? あ、そうそう他でメンテの依頼とか受けるなよ? 当然だよな? こんな下手くそなメンテ外でかましてみろ? お前どうなると思う? 町でみんなから後ろ指を指されて笑いものにされちまうぞ?」
マルは笑いながら言ってきた。
「それは嫌だな」
「だろ? ま、安心しな! 俺はお前の腕が超がつくほど下手くそでも重宝してやるよ! そしてお前の技術がどんなレベルかは黙っといてやる。っつーかお前に万が一にも依頼がいかないよう内密にしてやるよ! だから気にせず俺の言う事だけ聞いてメンテしろ」
マルはそう言って自分の背中をバンバンと叩くと立ち去っていった。
これ以来自分は自信をなくしてしまったのだ。
マルはあの時そう言っていたが、マルのやつは自分の腕が職人レベルだって気付いてたんだな。
だからタダで最高級のメンテができる要因として囲い込んでたわけだ。
そして万が一にも他のパーティーメンバーから引き抜かれたり、報酬を払っての依頼が自分に来ないよう
、お前の腕はクソだから余所から仕事を受けるな、黙ってろって言ってたのか……
クソ!マルのやつめ……今までいいように使われてたって事だなチクショウ!
これまで騙してたメンテされられた分のメンテ代をまとめて請求してやる!!
マルの彼女1号2号の分もだチクショウめ!!パーティーメンバーだからってタダでメンテしてやってたのがバカらしいぜまったく!
あ、でもアキちゃんの武具のメンテ代は僕からアキちゃんへのプレゼントだからタダでもいいけどな!
そう怒り心頭でいると脳内に追放神がウキウキな声で語りかけてくる。
『お、いいね! 新たな復讐する理由も目的も憎しみも増えて、俄然やる気になってきたんじゃね? これはガチャが唸る予感だな! 金もザックリ手に入ったし心置きなく課金ができるな! さ、課金しようぜ!! 課金!! 課金してガチャ意外にお前がやる事なんてないだろ? さ、課金だ!! か・き・ん!』
「ちょっとさっきから課金課金うるさいですよ? お賽銭を要求する寺院のガメツイ僧侶ですか?」
『おいおい、人聞きの悪い事言うなよ? ワイは神やで? そんじょそこらの金儲けしか考えてない生臭坊主と一緒にせんとってや!』
「言い方!」
『まぁ、何せしてもこれでようやく本物のガチャができるな! さぁ、修繕費用もらってさっそく課金の時間だぜ! ウッヒョ~イ!! さぁ注ぎ込め、本能の赴くままに!』
「こんなんが神でいいのか?この世界……」
ため息をついて一旦追放神は相手にしない事にする。
片言紳士から報酬のお金をもらった。
このお金は実際に自分が杖を直してあげた対価なので素直に受け取る事ができた。
片言紳士に別れを告げて所持金を確認する。
杖の修繕費に片言紳士は5万ガネーを払ってくれた、おかげで8005万ガネーが即金として手に入ったわけだが……
「なぁ、課金って言っても具体的にガチャを回すのにどれだけ注ぎ込めばいいんだ?」
追放神に聞いてみる。
何連ガチャだと言われても、そこらの知識がなければ注ぎ込みようがない。
しかし追放神は。
『あぁ!? 何言ってやがる? 細けえ事は気にせずがむしゃらに課金すればいいんだよ! 何を恐れてる? 親に携帯代を払ってもらってる子供じゃあるめーし、課金しすぎて今月携帯代が高すぎて怒られる! 取り上げられる! ってわけでもねーだろ? もしくはバイト全然入ってなかったから今月ピンチで課金控えなきゃ! ってわけでもあるめー』
などとイミフな事を言ってきた。
「ごめん、理解できない文面や単語ばっか並べないでくれます?」
『そうか? 理解できないか? あぁ、そうかもな……まぁ要するにだ、課金に制限をかけるな! ってこった。自分で可能性の幅を縛って縮めるな! いいか? 破産する寸前まで注ぎ込むんだよ!! 確かに天井なしに課金して爆死する可能性はある……だがな、破産する直前まで課金し続ければ爆死しない可能性のほうが高いんだよ!! わかったか? つまりはキーワードは天井なしで課金、上限さだめず課金だ!! わかったか!?』
「なんか依存症のギャンブラー理論じゃねそれ!?」
なんか一番真に受けたら駄目な理屈を言われた気がする。
うん、これ本当に課金して大丈夫なのか?
そう訝しんでいると追放神が更に意味不明な事を言ってくる。
『あのね? ひょっとしてキミ課金したら負けだとか思ってない? 無料の範囲内でやりくりするのが真のゲーマーだとかクリエーター泣かせな理論ぶちかましてない? あのね、そんな考えのやつばっかだから短期でのソシャゲのサービス終了が止まらないんだよ!! いいか? タダでもっと遊べるようにしろ! ってお前それクリエーターにタダで働けって言いてるのと同じだぞ? 言ってるお前それ他人から言われたらどう思うよ? 俺らが楽しめるゲームをタダで作れよ! って言われてみろ!』
「いや、すみません。何の話ですか?」
さっぱり理解不能な事を言う追放神の勢いは止まらない。
さらに脳内にイミフワードが乱発される。
『いいかい? 課金したら負け、課金は悪だと寝言を抜かすキミにいい言葉を授けてあげよう! これはここではない別の世界、とある島国のとある氷上を演舞するスポーツ選手の名言だ。いいか耳の穴かっぽじってよ~く聞けよ? 「課金は負けではない、強くなるための手段だ」……どうだ? 心に染みただろ? 勇気が湧いてきただろ? メダリストが言ってるんだぜ? 課金を恥じるんじゃない! 目的を達するための手段だとな! だからドンドン課金しろ!!』
「いや、そのスポーツ選手?って方を僕は存じ上げないので何ともいえないんですが?」
そう言うと追放神がブチ切れてしまった。
『いいからツベコベ言わず金が手に入ったんだから課金するんだよ!! いいか? やればできるなんてうそっぱちだ! やってみなきゃわからねー! そうだろ!? 若者よ! 天井なしの課金を誇れ!! 課金万歳!!』
「あーもー脳内でガンガン叫ばないでくれます? わかりました! わかりましたから!! とにかく少し黙ってください!!」
そう言うと追放神は『そうか、じゃあ自分のタイミングで課金しろよ?』と言って静かになった。
ふぅーようやく頭の中が騒がしくなくなった。
うん、この神様の声は自分にしか聞こえないから仕方ないんだけど、時折通る通行人に独り言がうるさいやべー奴って目で見られるのが辛い……
よかった、この通り、人通り少ない寂れたところで。
「さて、それじゃガチャを回しますか……でも、その前に」
課金するにしても一度確認しなきゃいけない事がある。
フリューちゃんを連れ去った魔族3人組がどこに立ち去ったかだ。
「う~ん、やっぱもう時間が結構立っててどっちに行ったかわからないか」
『おいおい、今更自力で魔族どもの後を追おうってのか?』
「悪いか?」
『キミさ~何のための課金だよ? ガチャだよ? ガチャ回して相手の位置がわかる結果引き当てればいいんじゃね?』
「え? そんなのできんの?」
『ガチャの結果で引き当てればね?』
「論外だろそれ、確実に引き当てる可能性なくない?」
『引き当てるまでガチャを回せ! そのための課金だ! そしてそれができるだけの金はGETしただろ? さぁ課金だ! 恐れず注ぎ込め!』
「却下だ……課金はするが、それはすべて僕の愛しのフリューちゃんを奪った魔族どもをギャフンと言わせるために使う」
『ざまぁ! する以外に金は払わないってか? まぁ、それも1つの課金の形だわな、でもそれじゃあどうやって連中の居場所を突き止めるんだ?』
追放神がヘラヘラ笑いながら聞いてくる。
この神様はきっと最終的に課金しかないって流れに持っていきたいのだろう。
しかし、いくら8005万ガネーが手に入ったとはいえ無駄課金するつもりはない。
何せ魔族どもをギャフンと言わせフリューちゃんをこの腕の中に取り返して抱きしめた後はマルにお礼参りをキメないといけないのだ。
その為にも極力課金は復讐内容にのみ使うようセーブしないといけない。
そう考えている時、視界にある物が飛び込んできた。
「むむ!? あれはまさか!?」
思わず体が反応し、すばやくある物の元まで移動する。
『ん? どうした? 道ばたにお金でも落ちてたか? だったら遠慮なく拾っとけ! 塵も積もればガチャ1回だ』
「いや、お金じゃないし変なことわざ作らないでください」
言ってしゃがみ込みある物を拾う。
「お! おぉ!! こ、これは!! まさしく!! 天の落とし物だ、やったぜ!!」
言って拾ったものを掲げた。
それは素人が見れば鳥の羽根に見えるかもしれないがそうではない。
自分は違いのわかる玄人だ。これがそんな物では事などすぐに見抜ける。
『なんだ? 鳥の羽根なんか拾ってテンションあげて? 壊れたか?』
「は? 神様何言ってるんですか? これのどこか鳥の羽根なんすか? いい加減にしてくださいよ! わからないんすか? これが何か!?」
なので、こんなおバカな事を言うやつが信じられない。
よくそれで神を名乗れるな?
顔を洗って出直してこい!
いや、違うな……歯を磨いて出直して来い!だったか?
そうだ、思いだした!ドコカニイッテ、ハヲミガク! だ!!
『いや、なんでオオ○ニサンの活躍に興奮した実況のグー○ル先生直訳に頼って放ったよくわからないニホンゴのほうを正しいと思うの? キミもお茶目なグー○ル先生直訳派なの? どこかに行って歯を磨いてきて?』
「何理解不能な単語連発してるんですか? ちゃんと人間が理解できる単語なりを言ってください、僕人間なんで」
『いや、同じ人間の話題だけどね? ていうか話戻すけどただの鳥の羽根だろそれ? 何言ってるのキミ?』
「かー! わかってないっすね? 何でわからないんすか? これはフリューちゃんの羽根っすよ! つまりはフリューちゃんの一部なんですよ! あぁ、フリューちゃん愛してる!!」
そう言って拾ったフリューちゃんの羽根に頬ずりした。
あぁ、まだ微かにフリューちゃんの体温が残ってる……うふふ。
『え? 何してるのキミ怖いよ? 変態だよ? 通報案件だよそれ?』
「誰が変態じゃい!!」
『いや変態でしょ! というか何でその羽根があの子の羽根だってわかるの? 怖いわー怖い怖い、引くわーまじ引くわー』
「怖い言うな! というか普通わかるでしょ? この羽根から香るこの匂い、フリューちゃんの匂いじゃないか! 間違えるわけない、だって抱きしめた時めっちゃ嗅いで覚えたし! あぁフリューちゃん……」
『……うわぁキミ、マジでキモいよ? ドン引きドン引きドンビキビキビッキーズよ?』
「だからネタが古いって……」
これ以上は追放神と話しても変態と言われ続ける気がしたので話を切り上げることにした。
まったく、僕のどころが変態だって言うんだ!
そんなわけで周囲を見回す。
すると至るところにフリューちゃんの羽根、否、天使の落とし物が落ちていた。
「これだけ羽根が落ちてるって事は相当乱暴されて連れていかれたんだな、僕の天使になんて酷い事を! 許せねー! きっと恐怖に覚えて僕の助けを待ってるはずだ!! はやく助けに行かないと!!」
羽根がある方向に向かってたくさん落ちていた。
つまりはこの羽根を拾っていけばフリューちゃんにたどり着けるはずだ!
「そうと決まれば天使の落とし物を拾いながら進むか! あぁ、フリューちゃんの羽根が1枚、2枚、3枚……あぁ、いい匂いだ。こんな貴重品、誰かに拾われたら大変だ! すべて回収しないと! うふふ、フリューちゃんの匂いを堪能していいのは僕だけだからね! うふふふ……フリューちゃんの羽根が4枚、5枚、ろく……クサっ!! これただのハトの羽根やんけ!! ふざけんな!! いらねーよこんなの!! 神聖なフリューちゃんの一部と混ざってるんじゃねー!!」
ただのハトの羽根を投げ捨てて周囲を再度窺う。
これはとんだトラップだ!まさか天使の落とし物に混じってゴミが擬態していたとは!
クソッタレ!ハトの分際で生意気な!!
『いやキミ、周りから見ればどっちも同じやで?』
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