第41話
一方、各国の生き残りを調査していた案内人は、通信機の前で、ずっと機械を動かしていた。電波の届く範囲は、全て調べようという意識であった。しかし、相変わらず、応答はなかった。
「やはり、生き残っているのは、我々だけなのか。本当に、映画みたいな事が起きてしまったのだな。人間は、なんてことをしてしまったんだ。」
そして通信をやめようとした瞬間、わずかな雑音程度だったが、何か声が聞き取れたような気がした。案内者は、さらに通信機に耳を傾けた。やはり数分おきに、通信らしき呼びかけの声が微かにしていた。
「こちら、北朝鮮の通信局です。生存者がいるのですか。」
相変わらず、雑音がひどかったが、応答があったようだった。
「・・・ちらは、東・・京通信基地局・・。どうも・・音声が・・・」
北朝鮮の案内人は、できるだけ大きな声で、通信機に話しかけた。
「こちらは、北朝鮮の通信局です!そちらは、東京ですか!」
「すみ・・せん。音声がよく聞こえないですが、北朝鮮なのですか。」
「はい、そうです。」
「よか・・・・った。とにかく、そちらにも生存者はいるのですね。」
「はい。私と、日本から来られた方が一人、います。」
「そうですか。ところで、あなた方以外には・・・通信できましたか。」
「いえ、あなた方が初めてです。」
「そうですか。我々は、・・・国内では、大阪や名古屋、北海道では生存者が確認できています。ただ、・・・高出力ではないので、北・・・朝鮮ぐらいまでが電波の届く範囲です。」
「そうでしたか。今、もう一人の日本人もつれてきます。」
そう言うと、ユウキを呼びに部屋を出ていった。




