第39話
ユウキは、エクシアとともに、コールドスリープ装置の点検を行うことにした。
装置は、データセンターの深層部にあり、核爆発の被害は、ほとんど受けていなかった。また、マニュアルも、朝鮮語ではなく、英語で書かれてものであったので、ユウキは難なく試運転することに成功した。
エクシアも、装置の負荷テストを終え、十分、長期の運用に耐えうることがわかった。
コールドスリープ装置のテストを一通り終えた頃、北朝鮮の案内人が通信室から出てきた。あまり芳しくない表情を浮かべていた。
「どうでしたか。誰か生存者はいましたか。」
「残念ながら、心当たりは全て連絡してみましたが、まったく応答はありませんでした。日本にも連絡してみましたが、応答なしでした。」
「日本にもつてがあるのですか。」
「ええ、現地に派遣されている軍の工作部隊の面々が、東京、大阪といった主要都市に駐留していましたからね。」
「そうなんですか。まったく知りませんでした。日本人はそんなことも知らないなんて、平和ボケしていましたね。今となっては、もう関係ありませんが。」
「とにかく、自動的に、こちらの生存を示す発信は行っております。また、どこか生存者がいれば、返信もあるでしょう。」
「そう願いたいものですね。」
「ところで、コールドスリープ装置の状況は、どうでしたか。」
「ええ、試運転も含めて、良好です。シェルターが優秀で、核兵器の影響はなく、ほとんど無傷で動かせます。」
「それはよかった。ところで、コールドスリープを開始するのはいつですか。」
「そうですね。これから、1週間程度は、まだ点検と試運転などの準備が必要ですね。それが何か。」
「1週間ですか。ちょっと微妙ですが、私もさらに遠隔地への通信を行ってみたいのですが、可能でしょうか。」




