第31話
しかし、人間たちの一部は、核ミサイルの着弾前に、地下シェルターへ逃げ延びた者たちはわずかに生き残っていた。ユウキたちも、頑丈なデータセンターの中にシェルターを見つけることができたため、かろうじてシェルターへと逃げ延びることができた。
シェルター内には、少しではあったが、水、食料などが保管されていた。そして、何の目的の装置かはわからなかったが、人間一人が横たわれるほどの格納装置3台ほどが置かれていた。ユウキが近辺を探ってみると、近くのテーブルに何かマニュアルのようなものがあった。資料は英語で書かれていたので、ユウキでも読むことができた。タイトルは、「冷凍睡眠装置」となっていた。
なぜ、北朝鮮にこのような、SFに出てきそうな最新装置があるのか、それは今となってはわからなかったが、マニュアルを読んでみると、電源さえ生きていれば、半永久的にコールドスリープの状態が維持できるというもののようであった。
ユウキは、シェルターに一緒に逃げ込んだ案内人と話し合い、このままシェルターで生き延びていても、食料等もすぐそこを尽きるため、コールドスリープを利用しようということになった。そしてユウキは、コールドスリープの間でも、ネット上での活動ができるように、施設の予備電源を利用し、常時システムを稼働することにした。幸い、施設の電源は、かなり規模の大きい蓄電施設と、太陽光発電、そして、仕組みは謎であったが、寒冷気候で蓄電できる設備を備えていた。北朝鮮も、各国と種々衝突していることが多かったため、中国の力を借りてではあったが、非常事態時のシステム運用ができるようにしていたのだった。




