第23話
そして、ユウキは、案内人に連れられて、ホテルのロビーから隣のデータセンターへと移動していった。
センターは、一見、普通の商業ビルのように見えていたが、中に入ると、そこはホテルと比べてもかなり頑丈に作られていて、外部からの侵入ができないように、建物内に入るのに、何重ものドアを開けないと入れないようになっていた。そして、建物の奥に入っていくと、複数のラックがあり、その一部で機械が動いている様子が目に映った。
「これが、データセンターですか。日本で見るものと、結構そん色はないですね。」
「そうですか。我が国にある最高レベルの技術を持った人間に作らせましたのでね。」
「さて、私はここに見学だけさせてもらうだけではないのでしょう。」
「その通りです。」
「わかりました。まずは、ここのネットワークとセキュリティの設定状況を教えていただけますか。」
「わかりました。とりあえず、これは関連する資料です。」
案内人は、データセンター内の配線図と、設置しているハードウェアの一覧、そしてセキュリティの設定状況の一覧を提示した。データセンター内は、かなり広かったが、広さに応じたハードが数多く設置されており、現在は通電している状況もあって、ハードが音を立てて動いていた。
ユウキは、図面を見ながら、センター内を視察していった。最初は、特に普通のデータセンターを変わらないように思えたが、センターの奥に行くと、さらに施錠されている部屋があるのを見つけた。




