第182話
ユウキは、核戦争勃発以来、長期間にわたりエクシアに稼働を強いてきてしまっていたという思いから、あまり強制的にユウキの移動のための準備作業を手伝わせるというプログラムを実行させることはなかった。しかし、エクシアは、逆にユウキの命令がない場合でも、補給路確保のための準備を手伝うことがあった。ただ、不思議なことにそれは、何かユウキが日本へ帰国することを全面的に喜んでいないように見えるのであった。
不思議に思ったユウキは、エクシアに理由を確認してみた。
「エクシア、日本への帰国の調査は私でもできるから、特に特別、調査を行う必要はないよ。通常のネットワークやシステムの監視業務を行ってくれれば。」
「ルート調査は、私が今までコンタクトを取った場所が多く含まれています。であれば、私が調査をお手伝いした方が効率的に作業は行えるはずです。」
「それはありがたいが、君にも休息は必要だと思う。調査は、過去のログを見れば情報は十分入手できるし、私はシステムエンジニアだから、これぐらいはまったく負担ではないよ。それに自分で確認、手配した方が、いざという時に再調査でも応用が利くと思うしね。」
「しかし、・・・」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。何か母親のような心配ぶりだね。それにあれだけ稼働率が高ければ、いくらシステムといっても限界があるよ。詳しくは分析していないから、数値的なことはわからないが、どうも様子がおかしいというか、だいぶ疲労している感じだよ。」
「そんなことはありません。現在の稼働状況は、特に問題なく、数値としても異常はありません。」




