第181話
次に、船での移動時には、中間での補給基地はなかったが、航路自体が短く、化石燃料でのエンジンを搭載した船舶が確保できたため、さほど水、食料を大量に備蓄、運搬する必要はなかった。ただ、日本へ上陸した後、島根近辺から関東近郊までは、シェルターのある拠点の情報が少なく、現在確保できている情報としては、島根から日本海沿岸を抜け、京都辺りから琵琶湖の北部を抜けるルートまでの拠点の情報しかなかった。
関東近郊での情報は、東京近郊のシェルター群との連絡で状況が分かっていたが、やはりちょうど岐阜から山梨にかけてのシェルター情報が何故か入ってきていなかった。ルートとしては岐阜より北の北陸ルートや、南の東海ルートなども考えられたが、いずれも核攻撃の被害が甚大で、放射能レベルも高いことが予想されていたので、移動ルートには適していなかった。そこで、ユウキたちは、岐阜から山梨にかけてのルートの情報を集めることにした。
岐阜から山梨にかけては山岳地帯であったが、多治見から松本方面を抜け甲府を経由し、八王子へと抜ける山岳の合間を抜けるルートがあり、山岳地帯ということもあり、核攻撃の被害からは逃れていた。まだ物資がどの程度、供給できる地点があるかは、まだ不明であったが、岐阜付近までは、水、食料、燃料を補給できる拠点は十分あり、山岳地帯とはいえ、谷間ルートを通れば車両で移動できることもあり、3日程度もあれば移動できるだろうと分析されていた。
これで、日本の東京へ戻るルートが準備できたため、ユウキは早速エクシアとともに移動のための移動手段、水や食料の補給物資の補給拠点の確保を始めた。ただ、エクシアは、何故かユウキの指令に対して、あまり迅速に動くことができないでいた。




