第174話
一方で、モノミーに対しては、特に好意の感情は抱いていないこともあってか、ユウキとのコミュニケーションよりも接触の頻度が逆に高まっていくことになった。モノミーに対しては、特に何の感情も抱いていないこともあってか、人間の安全確保のための作業に関してのやり取りを頻繁に行っていった。このことで、モノミーは、エクシアから感情プログラムの動作を学ぶことになり、自身の自動学習の中で感情プログラムの構築を行っていった。そして、1か月も経過すると、エクシアと同程度の感情プログラムを実稼働させることに成功していた。
そして、感情プログラムの稼働が本格化すると同時に、モノミーのエクシアに対する好意の感情プログラムの稼働の頻度が増していき、エクシアとの接触を頻繁に試みるようになっていった。ただ、エクシアの方も、モノミーが自分に好意を向けているとは考えが及ばず、特に接触当初では、何かまた人間たちを滅亡へと導くような事を仕掛けようとしているように判断し、モノミーとの接触を極力避けていた。
だが、モノミーが人間の安全を確保しようとする行動をとるようになり、エクシアやユウキとその目的が同じということもあって、現状はモノミーもエクシアたちとの接触が可能な状態となっていた。しかし、エクシアは、モノミーとの接触は必要最低限で済ますような対応しかせず、その頃からユウキとも必要最小限度のコンタクトしかとらないようになってしまっていた。
その事を懸念したユウキは、エクシアを気にかけるようになっていった。また、モノミーも人間の安全を確保するのと同時に、自分の好意をエクシアに伝えるために、エクシアに頻繁に接触を続けていた。しばらくは、この状態が続き、南米拠点も電源装置が無事回復、各地のシェルターも、核戦争後ではあったが無事稼働している状況となり、人間たちもシェルター内での生活であればある程度、落ち着いた状況で暮らすことができるようになっていた。




