第17話
ユウキは、情報システムネットワークの研究を行っている研究室にたどり着くと、ドアを開け、部屋の様子を確認してみた。そこには、旧式のデスクトップのパソコンや、有線ケーブルが張り巡らされた床など、かなり旧式のネットワーク設備が見られた。セキュリティ機器も、旧式のものが使われていた。
「かなり、古い設備ですね。」
ユウキは、同行していたコーディネーターと大学の関係者に語りかけた。
「確かに、設備は古いですが、メンテナンスは行っていますし、セキュリティの監視は十分に設定されています。」
「そうですか。とにかく、後ほど、研究のために設備を利用させていただけますか。」
「わかりました。」
ユウキは、近くの席に座ると、机の上にあるケーブルを引き出して、自分のパソコンにつなげた。
「このネットワークに入るのに、何か特殊な設定はあるのですか。」
「一応、学内ネットワークへのアクセス権は必要になります。」
「私のパソコンのOS環境で、うまく接続できますか。」
「おそらく、大丈夫です。OSは、windowsのものを利用していますから。」
「OSは独自のものではないのですか。」
「以前、中国の開発したOSを利用していたのですが、処理が安定しなくて、何度も修正プログラムが配布されていたので、結局windowsを利用することになりました。」
「最新バージョンでの利用なのですか。」
「いいえ、こちらで入手できるのは数世代前のOSです。今はwindows 9ですね。」
「かなり古いですね。セキュリティパッチも既に配布されていないバージョンですね。」
「しかし処理は安定していますよ。」
「まあ、そうですが。とにかく、私も今回持ってきたプログラムを、この回線で走らせてみてもいいですか。」
「ええ、確か、この資産運用プログラムでしたよね。」
「そうです。これがうまく運用できれば、外貨を獲得することも可能にはなりますね。」
「それは、将軍様もお喜びになります。」
「では、早速、プログラムを起動させてもよいですか。」
「ええ。と言いたいところですが、今日は、まだシステムの稼働が行われていません。」
「昨日に、メンテナンスでもあったのですか。」
「いいえ。ただ、いつ停電が起きるかわからないので、夜間はメインサーバー類は、シャットダウンし得ちます。」
「そうなんですか。」
「今起動しますので、少しお待ちください。」




