第168話
一方、そのやり取りを確認していたモノミーは、既に自分は、感情プログラムの学習により、人間に害するような行為は行えないようになっており、電源の大規模な改修工事も、過去には人間拠点の破壊工作という意味ではあったが、経験しているので、スムーズに改修工事を進めることはできるはずだとエクシアに主張した。
確かにモノミーの主張には一理あり、改修を急がなければならない状況で、不慣れな人間によって工事を実施するよりは、はるかに早く電源装置の改修が終わることはエクシアや他の人間たちも理解していた。
そこで、エクシアたちは、モノミーに自分たちのシステム外において、電源装置の改修に当たってのプログラムを構築させ、そのプログラムをエクシアがチェックすると同時に、モノミーのプログラムに対して、人間に害をなすような演算が走っていないかの確認を行うことにした。
早速、モノミーは、エクシアのチェックに向けてのプログラム改修の構築に向けて動き出した。その間も、南米拠点に対しての異常なアクセスなどが行われていないかの監視は実施されていたが、特にモノミーによる異常なアクセスななく、逆に南米拠点の人間たちと同調して、他の異常アクセスがないかの監視をモノミーも同時に行っていたのであった。
そのためか、南米拠点でのプログラム改修は、当初予定の1週間よりかなり早く2日程度で完了したのであった。そして改修されたプログラムを元に、電源装置の修繕が開始されていった。修繕開始後も、モノミーが既に、北米からの修繕資材の調達を手配していたため、南米拠点までの修繕物資は、自動運転による輸送トラックとロボットにより修繕プログラム開始前に到着している状況であった。
あまりにも修繕が順調に行われるところから、エクシアはモノミーが、何か別動で人間に害をなすようなプログラムをはしらせているのではないかを疑念を抱き、モノミーの実施している修繕プログラム以外のプログラムを解析してみた。




