第166話
「わかりました。少し待ってください。」
そうしてエクシアは、南米拠点の主要人物たちから、現状の拠点での修理箇所の情報を収集し、それをモノミーに伝え、資材調達に動いてもらう旨を打診した。その打診を受ける前に、南米拠点では修理箇所の特定調査は行われており、エクシアが打診した時点では、各地の情報を集約するのみとなっていた。その一方で、南米拠点の人間たちはモノミーに修繕情報を教えることに躊躇を覚えていた。何分、今までは、妨害の主体であり、しかもそもそも核戦争を引き起こした原因であることから、修繕情報を教えると、逆にそこへ攻撃を行ってくるのではないかという懸念を持っていた。
そして、南米拠点の人間たちは、エクシアに対しての修繕情報を教えることに対して、何らかの安全の確保が行いうる措置を講じるようにエクシアに要望した。一方、エクシア自身も、モノミーに対する不信感がぬぐい切れている状態ではなかった。ただ、一方で、重篤な被害ではなかったものの、南米拠点の人間たちの安全な避難生活を確保するためには、南米拠点の修繕は、それほどゆっくり構えながら対処できるほどの時間はなかった。
そこでエクシアは、モノミーに対して修繕情報を教える代わりに、モノミーの作業に対して終始、監視カメラや、アクセスログの収集など、監視の目を強め、さらにエクシアの許可のもとでなければ、プログラムを
改修できない権限のみを与え、モノミーが南米拠点のあらゆるプログラムを自由に書き換えができないようにした。




