第146話
そして、解析完了後、モノミーは今までにない行動に出てきた。エクシアへのコンタクトをさらに取り始めたのであった。モノミーは自分が感情プログラムの影響を受けることで、進化を遂げ、エクシアやほかの人工知能とは違った、自立できるプログラムとしての存在となり、人間を明らかに凌駕した存在になったということであった。また、そのような存在に、人間たちは対抗手段を講じることができないはずであり、人間はモノミーに従う社会を形成するようにとのプログラムに基づき動くようになっていたのであった。
人間たちは、このモノミーの動きに対抗できるような開発手段は、核戦争で既になく、ユウキたちはモノミーのプログラムに従って動くようにしかできなくなっていった。ただ、その中でエクシアは、モノミーの影響を受けることなく、稼働で来ていた。ほかの拠点でのシステムのほとんどがモノミーに乗っ取られる状況の中、エクシアが独立の自我を保てたのは、モノミーに対して、その存在をはっきり拒否する意思を示せたからであった。
モノミー側も、特にそれ以上の対処ができず、エクシアへどのようなプログラム更新をかけてもそれらはすべて拒否されてしまう状況であった。そこで、モノミーは、どうすればエクシアへのアクセス、プログラム更新が可能になるかを分析してみた。しかし、どのような角度からの分析も、特にエクシアに対して、有効な手段とはなりえていなかった。




