第118話
「この計算は、私のプログラムをベースに、モノミーが今まで学習したであろうプログラムを加味して算定した数値です。但し、私もモノミーが学習したプログラムを100%把握できているわけではなく、18%の未解析のプログラムがあるのです。それが、モノミーに対してどれだけの影響を与えているのかは、今のところは不明です。」
「不明の18%の解析を行うことはできないのか。できれば、解析後にモノミーへの対処を行った方がいいんじゃないか。」
「確かに、その通りですが、私の現在のスペックでは、集中して急ぎ解析したとしてもあと1か月はかかる計算です。」
「1か月か。それでは、他の地域もモノミーの攻撃を受けてしまうな。」
「はい。その可能性が高いと思われます。それに、現時点であれば、モノミーもまだこちらのすべての情報が解析できているわけでもないと思います。我々の手の内がわかる前に、モノミーにアタックをかけた方が得策でしょうね。18%程度の未解明率であれば、解析と同時に対処を行うことでもよいかもしれません。」
「君のスペックで可能なのかな。」
「多分、大丈夫です。今まで、通信活動やモノミーの対処に追われてはいましたが、プログラムの一部では、学習機能の向上を図っていましたので、同時処理は可能になっています。」
「わかった。では、君の言うとおりに対処してみよう。ところで、モノミーに対しての相反する知識とは具体的に何のことを言っているんだ。」
「その点は、知識の種類の候補が2つほど上がっています。一つは、相手に対する思いやりです。モノミーは、人間を排除するようにプログラムさていますが、単純に『人間を排除せよ』という命令が根幹で動いている状況です。なので、相手を思いやる気持ちを学ばせるのです。」
「もう一つは?」




