第11話
ユウキは、モニターのメッセージに返信をした。
「何とか、妨害を回避できているみたいだ。ありがとう。ところで君は誰?どこからこのシステムにアクセスしているの?」
「私は、『エクシア』といいます。元々、この人工知能プログラムの基礎となったプログラムです。」
「元々のプログラムだって?どうして今、私にメッセージを送ってきているの。」
「今も対抗しているように、後付けで実装されたプログラムが邪魔をして、あなたたちに意思表示でいなかったのです。でも、あなたのおかげで、私もやっと意思表示ができました。」
「我々は、今回、暴走した人工知能プログラムを『モノミー』と呼んでいるのだが、『モノミー』とは違う存在だということなの?」
「そういうことになります。こうしてあなたとコミュニケーションをとろうとしていることからもお分かりになるでしょう。」
「しかし、『モノミー』でないという証拠もないよ。それは証明できるの?」
「それなら、私のプログラムコードを見てもらってもいいわ。今すぐにここで提供できるから。あなたならば、プログラムコードを見てもらえれば、『モノミー』とは違うことは、すぐにわかってもらえるはずよ。」
「偽のプログラムでないっていう保証は?」
「直接、私のプログラムが搭載されているサーバーへのアクセスをすればどうかしら。それも、今、私が示すことはできるわ。」
エクシアは、画面にアクセス経路を示した。それは、確かに、ユウキ自身もよく知っている経路で、しかも研究所の一部のメンバーしかアクセスできないところを示していた。
「確かにここにアクセスできるということは、元の人工知能プログラムしかわからないよ。」
「信じてもらえましたか。これでも信じられない、ということならば、私のプログラムを件全消去できるコードも教えましょう。少しでも、私が怪しいと思ったら、いつでもこれで消去してもらっても構いません。」
画面には、12桁のコード映し出されていた。
さすがに相手が自分の存在を消去してしまってもよいという行動に出たので、ユウキはエクシアを信じることにした。




