第105話
「こちら平壌、そちらはチャンレですか。」
「はいそうです。ああ、やっとつながりました。何度も通信を試していたのですが、中々、応答がなかったもので。核攻撃で、皆やられてしまったんじゃないかと心配していました。」
「そうですか。こちらこそすみません。あまりにも、通信が多くて、すべての応答に応えきれない状況でしたので。」
「まずは、そちらの状況を教えてください。」
「チャンレ方面は、爆心地から、50kmと、かなり離れていて、爆弾の種類も、水爆のような強力なものではなく、小型核弾頭が数発落ちたというところではないかと思います。チャンレは、平壌に比べかなり田舎の過疎地であって、主要な軍事施設もないので、被害は他地域に比べてずっとましではないでしょうか。」
「放射能の影響はどうですか。」
「測定器によると、爆弾の着弾時より、1/3程度の放射線量になっています。小型核ということで、元々の放射線量も、そんなに高くはなかったのではないかと思います。」
「何人生き残っているのですか。」
「今、ここにいるのは3人です。ただ、他のシェルターにも逃げ込んだ人はいるようですし、町役場には地下室もあって、切断も多いですが、今でも着信は頻繁にありますよ。」
「わかりました。先ほど、放射能が1/3程度に減少していると言っていましたが、外に出て移動は可能になりそうでしょうか。」
「おそらく、放射能の影響を受けるギリギリのラインだと思いますが、逆にもう少し待てば、さらに放射能レベルは低下し、外にも出れるようになると思います。」
「ぜひ、試してみてください。もちろん安全確認しながら、慎重に進めてもらえればよいです。そちらには水、食料はあるのですか。」
「ええ、ここはシェルター目的で作られた施設のようですので、まだ水、食料は持ちそうです。それにチャンレ付近は、爆心地より離れていたため、まだ町の施設は無事でしょうから、スーパーなどで水、食料の追加での調達も可能なようです。」




