第10話
モノミーを発見すると同時に、プログラムの内容を調べていたユウキは、そのプログラムには、今まで気づかなかった分岐があることに気づいた。その分岐は、かなり複雑に入り組んでいて、ユウキが追跡するのには時間がかかった。また、追跡中にモノミーは、分岐の先に「行き止まり」のダミー回路を用意して、ユウキの調査を妨害していたので、プログラムの全貌を調査するのにかなりの時間を要していた。ユウキは何とか解析を進め、モノミーのプログラムの中に最初のプログラムである「エクシア」を発見する。エクシアは、ユウキの追跡に気づくと、画面で自分の存在をユウキに伝えた。ユウキは、モノミーの追跡遮断のプログラムを回避しながら、エクシアをモノミーのメインプログラムから抽出しようとした。しかし、それに気づいたモノミーは、プログラムの分岐を増やし、エクシアへのアクセスを妨害した。結局、ユウキは丸1日、モノミーのプログラムとの格闘を行ったが、結局、モノミーの妨害を回避し、エクシアにたどり着くことはできなかった。途方に暮れるユウキに、システムのモニターからユウキ宛てにメッセージが現れる。
「あきらめないで、私も妨害を封じ込めてみる。」
ユウキは、最初、誰のメッセージかわからなかった。そこで、追跡プログラムを組みながら、メッセージ送信の相手との通信を試みた。すると、自身がプログラムでは追いつかない速度で、モノミーの妨害プログラムをブロックするような処理が行われていることに気づいた。




