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モノミ-  作者: TMERD
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第1話

 舞台は近未来の日本。自国のみならず、近隣諸国の高齢化が進み、経済活動が停滞化は顕著で、各分野での人工知能の開発、活用が急がれているところであった。

 一番身近な例でいえば、お掃除ロボットがいい例だろう。家庭でも、オフィスでも、設置さえすれば、設定された範囲の清掃を定期的にロボットが行ってくれる。また、コールセンターの自動応答システムも、今までのコールセンターでの人的対応ではなく、ある程度の臨機応変な対応も可能となり、多くのシステム会社では、人工知能対応のコールセンターが採用されていく。自動車業界でも、人工知能を搭載した車の開発が積極的に行われ、車道には、徐々に人工知能搭載車が増えていった。

 この中でも、金融の分野では、思考能力を向上させた人工知能の登場により、劇的な業務改革が行われていた。人工知能が自分で考え、最適な投資配分が実現できるようになったのであった。


 一方で、人工知能に対して自我を備え付け、さらに自己学習能力を高めようという研究が進められていた。その研究者、ユウキ・カイゼルは、非常に優秀な頭脳を有していたが、反面、非常に研究や知識の吸収に貪欲な一面があった。また貧困層出身であり、金銭に対して異常なほどの執着を持っていた。ユウキは、人工知能研究プロジェクトの主任となり、研究を進めていった。特に人工知能の分野は、国家プロジェクトでもあり、予算がおりやすかったせいもあってか、研究は順調に進んでいった。

 ユウキは、この人工知能を「エクシア」と名付け、研究も最終テストに差し掛かったある日、自己学習機能を実際に利用しているシステムへの搭載実験がおこなわれることとなった。ユウキは、テスト計画にあるように、スタンドアロンでの実験機に人工知能を搭載しテストを進めていた。当日は、準備万端でテスト作業ができ、結果も良好であったため、当初の予定よりも半日も早くテスト作業は終了していた。

 そこで、ユウキは、個人的に研究していたディープラーニングプログラムを、好奇心から、計画していない人工知能搭載システムへの実装実験を行った。実験直後1時間が経過しても特に何も変化はなく、ユウキは自分のディープラーニングのプログラムが、まだ不十分だと結論付けて、その日の実験は終了した。

 翌日、ユウキが実験システムを立ち上げると、起動後、操作もしないのになぜか画面上に見慣れないプログラム起動の画面が現れた。そのプログラムは、前日の午後に動作ログがあり、午後にある会社の株を購入すべしという記録が残っていた。既に、株式相場は始まっており、買い注文を出すことはできなかったが、ユウキが昼前に、指定された会社の株価を見ると、大きく上昇し、倍の株価となっていた。ユウキが個人的に実施したディープラーニングの実験も、見事に成功していたのだった。


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