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フェルナ大魔法師


グレーテル博士からもらった地図のとおりに整備されていない山道を登っていく。


グレーテル博士曰く、整備されてる道もあるが

ここから一番早くいくにはこの獣道のようなただ土が見えているだけの道が早くつけるそうだ。


フェルナ大魔法師様は、どうやら山に住んでいるらしく二つほど山を所有しているらしい。

もう、何がなんだかわからないが全部買ったそうだ。


山を登り始めて、1時間ほど経ったとき開けた場所にきた。そこは大きな広場のようになっていて小さな建物も立っている。


「お邪魔しますー。」


と、広場に入った瞬間に

たくさんの目がこちらを向いた。


そこには、たくさんの動物たちが出迎えていたのだ。


狼に虎に鷲に鹿に様々な種類の動物が思い思いに休見始めた。どうやら、すぐに興味を失ったらしい。


「うわぁー、すごい。」

確かにリアムは今までに、鹿などは村で見ることがあった。

でも、こんなにたくさんの動物を間近で見ることは初めてだ。


近づいていっても、あまり反応しない。

それに、甘えて鹿の背中をそーっと触る。

「うわっ、ふっさふっさ!!!」


あまりにふさふさで触り心地が良すぎて、背中だけでなくお腹の方も触る。

「ヒィーーン」

と気持ちよさそうに鹿も鳴くので気持ちいいのだろう。


そうすると、気になったのか大きな狼や鳥が寄ってくる。

近くで見ると、みんな可愛い!!!

目がくりんとしているフクロウや毛並みがとても綺麗な狼、美しい鳴き声で鳴く小鳥たち。


あー幸せ。こんな動物達って可愛かったんだと思うとにやけてくる。


「ん?お前は誰だ?魔物達の鳴き声を聞いて見に来て見たのだが。」


「えっ?」

声が聞こえてくる方を見ると、出るとこは出て締まるところはしまった、いわゆるボンキュッボンと言われる体型の女性が立っていた。


「あっ、すいません。そのグレーテル博士から紹介状を書いてもらったリアムと言います。あの、魔法を教えてもらいたくて来たのでのですが……」


「グレーテルか。あいつは元気にしてたか?」

「あっはい、元気そうでしたよ。」

「それは良かった。それにしても、動物達に好かれているなぁ。」

「えっ?そうですか?」

「そんなに人に動物達が近づいていくのは、私も初めて見たぞ。動物が近づくってことはそれだけの理由があるのだろう。いいね!リアムと言ったか?」

「はい、リアムです。」

「気に入った!ちょっとこっちに来い!私の魔法を見せてやる。」

「あっ、ありがとうございます。」


どうやら、小さな建物は保管庫だったようで動物の餌とかをここで管理しているんだと教えてくれた。


そのまま、もっと上の方に山を登って行き山頂の方に行くとさっきの広場と同じぐらい大きな広場と大きな建物が見えてきた。


フェルナ大魔法師様は、広場で足を止めるとこう聞いた。

「リアムは、魔法を今までに見たことがあるか?」


「いや、ないです。」


「そうか、それは素晴らしい!初めて見た魔法が私のだと思い込みがなくてすぐに魔法を極めることができるかもしれない。偏見がないってのはそれだけで、上達に繋がるからねぇ。とりあえず私の弟子にしてあげよう。」


「えっ!本当ですか?」

フェルナ大魔法師は、高名な魔法師なのでたくさんの弟子がいる。

そのため、お弟子さんのお弟子さんぐらいなら教えてもらえるかもしれないなんて受付のお姉さんに言われたのでまさか、フェルナ様から直接教えてもらえるなんて思わなかった。


「よーーく、見ておけ!これが魔法だ。」


フェルナ様が、手を前にかざすと


広場に炎でできた犬が出来上がる。

それが増え、数匹の犬が現れるとあるものに向かって走っていく。それはどうやら水の玉のようでふわふわと犬から逃げるように空を舞っている。


犬が駆け寄ると、水の玉はふわっと浮き上がり逃げる。するりと、犬の横を通り抜けていくのだ。

犬が我慢できず、戯れたように飛び

噛みつくと


その瞬間水がそこから溢れ出し炎でできた犬達を飲み込んでいく。そしてそのまま、炎の犬達は消えてしまった。


それでも、玉からは水が溢れ出し続ける。

すると、

溢れ落ちできた水溜まりからもこもこと動物が現れる。羊だ。それも水でできているだろう羊だ。

水色で、ぷるぷるしている羊達はどんどん体を形作っていく。それが次々に、水溜まりから飛び出してくる。一気にファンタジーな可愛らしい光景になる。

もこもこの羊達は群れを作るようにしてどんどん増えている。


そこに、空から緑色の鳥が水の羊に当たるように滑空して来た。そして鳥の翼に羊が触れた瞬間羊は消しとんだかのように消えてなくなる。


翼には風が纏われており、それが水を空気中に弾き飛ばしているようだ。

すっかり、鳥が羊を消しとばしたとき


「ゴロゴロゴロ」

という音が聞こえ、その鳥に何かが飛びかかった。


その正体は雷でできた虎だった。体がバチバチとしている虎は逃げようとしている風の鳥を前足でしっかり捕まえて口から雷光を出す。


その雷光を浴びた鳥は、瞬く間に弾け飛んでしまった。


そんな虎は、狩りに成功したとばかりに満足そうに体から雷を出して雄叫びを上げている。

「ゴゴゴゴゴゴ」

その時、地面がグラグラ動き出す。

地面がどんどん膨れ上がっていく。


そして、岩ができあがりだんだんそれが大きさを増していく。

それはちょうど、5メートルを超えたあたりで成長を止めた。人型をしていてゴーレムというらしい。


そのゴーレムは、すぐに動き出しその巨体からは想像できないほど早く右手を下に振り下ろす。


轟音をたて、手を地面に下ろすと地面にクモの巣状に割れた後が出来上がりその真ん中には雷の虎の欠片のような電気のみが残っていた。


そんな巨大から最強のように思われたゴーレムの前に炎が巻き起こる。

それは最初は小指ほどしかない火だったものがどんどん渦を巻き、

ゴーレムに勝る大きさまで大きくなると形を整える。


「これは、…………ドラゴンだ。」


近くで見ているだけで、身を焦がしそうな熱量の炎をまとったドラゴンはゴーレムに向かいあう。


次の瞬間、二つの物体がぶつかり合う。


ゴーレムとドラゴンのぶつかり合いは爆発のように振動を毎回伴う。戦いは凄まじいもので巨体と巨体のぶつかり合いはそれだけで衝撃波が飛び地面もそれに相応して揺れる。


これが世界が終わる時の戦いだと言われてもおかしくないぐらい。この二体ば激しい音をたててぶつかり合う。

ゴーレムが、ドラゴンに殴りかかり、それをドラゴンば翼をはためかせ避ける。

そのまま、ドラゴンは一回転尾っぽでゴーレムに叩きつける。それをゴーレムはしっかりガードし、さらにドラゴンの尾を掴む。そして、ドラゴンを振り回し始めた。

ドラゴンは必死に体を振り、ゴーレムの手からすり抜ける。そして、距離を取り、溜めをし始める。


そして、口を開けて飛び出たのは

一面を覆い尽くす業火だった。ドラゴンのブレスはあたり一面を焼き尽くす。


防御の構えを見せていたゴーレムもこれにはたまらず、徐々に土が溶けてしまう。それはマグマのように赤黒く光っていた。


そして、後にはドラゴンのみが残り顔を上に上げ勝利の咆哮をあげる。


「パチン!」

フェルナ様が、指を弾くともうそのドラゴン達は跡形もなく消えていた。

リアムは、ぼおーーと魅入られたように何もなくなった広場を眺めていた。

「………これは夢?」

そう、呟くぐらいに壮大な戦いが繰り広げられていた。


「夢ではないぞ、これは全て私が作り出した魔法だ。」

「これが、魔法?」

「そうだ、夢があるだろう?」

「はい、とても綺麗でとにかくすごかったです。」

「そうだろう。うん、その驚いた顔がいいなぁ。

よし、とっておきのを見せてやろう。おい、サム。」

「はい、MPポーションです。」


「うぉっぉ!」

急に、フェルナ様の横にメイド服を着た女性が現れる。


気づかなかった!


「どうも、はじめましてメイド長のサムと申します。お見知りおきを」

「あっ、はじめましてリアムです。」

「サムは、私の家を管理してくれているメイドだ。これからは世話になると思うから覚えときな。」

「はいっ」

「それから、サム。グランドドラゴンの魔石を持ってきてくれ。」

「かしこまりました。」


すぐに、サムさんが持ってきたのは人の頭ほど大きな魔石だった。それは、菱形でちょうどトランプのダイヤのような形をしており、その外枠は全て内側に曲線になって曲がっていた。

さらに、菱形の上のところは伸びており上だけ飛び出した感じに尖っていた。もちろん見たのは初めてだ。


「よく見ておけ!」


というと、力をその魔石にフェルナ様は込め出す。

徐々に魔石は光り輝き眩しくなるほど力強く光始める。


直視して、魔石をみることが出来なくなってきたぐらいで一気に魔石の上に尖ったところから魔力が溢れ出す。無秩序に放たれはじめた魔力はフェルナ様により次第に丸くコントロールされて行き球へと変化する。球の大きさは一気に膨れ上がり、魔石と同じぐらいの大きさになった時、一瞬で前に飛んで行った。


「ドッカーーーーーーーーン」


地面が躍り、大地が震えた。

飛んで行った方向を見ると

「………………………………………………っはぁ?」


目の前には、さっきまであった山が跡形もなく、なくなっていた。


「山が、山が、なくないですか?………」


「ああ、吹き飛ばしたからな。これが私の最大威力の攻撃だ。どうだ、すごいだろう。」


「えーーーーーーーーーーーーーー!!!」


さっきのサーカスのような、魔法の動物達による壮絶なバトルも凄かったが、今回のは目が飛び出しそうになる程びっくりした。山が吹き飛ぶなんて常識からは考えられない。

正直人間じゃないといいたいぐらい凄い。



フェルナ様の凄さに呆然としていたリアムの心に残ったことは

「―――――――山って消えることあるんだ………」

ということだけだった。



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