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邪神降臨!?


白い空間が広がる場所になぜか自分がいた。

何もない空間だ。


夢か?

いや、寝てなかったはずなんだけど。


ここはどこだろう?


そんなことを考えていると、背中がぞくぞくとした。

この世のものならざる気配を感じる。

俺は、振り返りその姿を見た。



「汝、神を怨むか?汝、神を憎むか?」


 そこに立っていたのは、一度見たら二度と忘れられないような絶世の美貌の少女だった。


「あっ、あ、あなたは、誰ですか?」


質問する声が震える。

それほど、少女の美しさが人間離れしていた。


「我は邪神のエストレーネスだ」


「じゃ、邪神様ですか?」


少女の周りは、黒ずんだ紫色のオーラに包まれ

足元からは闇色の光が照らしている。


「そうじゃ、我は神を憎むものから救いを与え力を授けるもの。さぁ、貴方も私の使徒になれ。そうすることで神をも滅ぼす力を与えよう。」


「少し、ちょいと整理させて下さい。」


「うむ、考えるが良い。」


この世界は、神が巫女に信託を与えて

それにより、危機を察知できたり力を授けられたりするらしい。これはたくさん読んだ本の中にあった知識だ。

また、信託に従って魔物を倒したり、ミッションをこなしたりもすると書かれていた。

巫女は、特別な存在とされており神の言葉が直接聞くことができる。使徒というのはそれの男バージョンである。


寿命、これも与えているのは神と考えられており

神への信仰が高ければ高いほど寿命が伸びる可能性があるらしい。


そして、ここにいるのはどうやら邪神のようだ。

一般に神にあだなすものと言われている。

もし、信者になり、それがバレれば迫害され

強くなれば、勇者に討ち取られると言われている。

その使徒となれと言われたのか?

なぜだ?


「エストレーネス様、エストレーネス様あのなぜ私が選ばれたのでしょうか?」


「うむ、汝から神への強き憎しみをな、感じたからだな。」


あっ、なるほど〜!

たしかに、教会に行ったたびにこのやろうと思ってたわ


「それで、私の信者になるか?」


「えーーと、いや、申し訳ないんですが結構です。」


「は?」

「いや、汝は神を憎んでおったのじゃないのかね?」

「もし、我が力を与えると神をも滅ぼすことが出来るかもしれんぞ。」


「いや、たしかに。運悪いなとか、おかしいやんとか思うことはあったんですけど。まぁ、この世界は理不尽ばっかりですし、別にそこまで神を滅ぼしたいとかそう言う気持ちまではないんですよね。」 


「君、ちょっと待て待て。

それじゃ何か?あんだけ、神様どうしてくれるんだ?とか言いながら別に神を滅ぼしたいとか考えてないのか?

えっと、じゃあ何が欲しいんじゃ?金か?力か?それとも名誉か?なんでもやるぞ。使徒になってくれるなら。」


邪神は突然慌てたように言葉を連ねる。


「いや、別にいらないです。コツコツとやっていくんで。」


「そっ、それは本心か?いや、本心?えっ?君無欲なの?えっ?いやそんなことないよね。なんか欲しいよね?」


急に邪神様の雰囲気がガラッと変わる。

なんか、今までは一生懸命悪い奴だとアピールしてたのが急に素に戻った感じだ。


「いや、別に真面目に頑張ってやるんでいいですよ。それに、真剣にやったら自分でもできるんだって自信がついたんですよ。」


「え?いやそんなニコニコした顔で言われても。君魔法師になるのが嫌なんじゃないの?」


「いや、そんなことないですよ。逆に楽しみなくらいです。」


「えーーーー!!!マジで?」

「マジで!いや、めっちゃ口調変わってません?邪神様?」


「うっううん、ごほん。えーーーー我が直々に使徒としてやると言っているだろう。こんな好機ないぞ!」


まぁ、そうなのだ。神から直々に言葉を受け賜われる人間なぞ世界でも10人ほどしかいないとされている。


「そうだろうそうだろう。」


あっ、これ心読まれてるな。

まぁ、いいんだけども邪神といっても神様だしなんでもありだろう。

いや、でもそんなに力とか必要ないんだよね。


「むっ?こうなったら!」


邪神様の目が赤色に光る。


おお、綺麗だ。引き込まれそうになるぐらい綺麗に真っ赤に光る。妖艶な光が自分を引き込もうとしているのがわかる。

「汝、我の使徒となれ!」


「あの〜本当に申し訳ないのですが、結構です。」





「は?効かないだと?私の邪眼が?なんでなんで?」

「君に、魅惑魔法かけたよね?神の魅惑魔法って結構強いはずなんだけど…えっ?効かないの?」 


あぁー、魅惑魔法だったのか?あの綺麗な引き込まれそうになる眼はどうやら人を言いなりにする能力があるらしい。


まぁ、何でかって聞かれたらたぶん泰然自若のスキルの影響で効かないんだとおもんだけど。


「えーーーー、それズルじゃん。効かないじゃん。というか、なんでそんなスキルあるのさ。ちゃんと管理しなよ!やだやだやだやだ、リアム君は私の使徒になるの!」


寝転がって邪神様は足を子供のようにバタバタさせる。そこには威信のかけらもない。


というか、口調もどってますけどいいんですか?


「なんで、僕になって欲しいんですか?他にもいっぱい人はいるじゃないですか?」


「それは、君たちって15歳になったら神様のうちの誰かに信仰するじゃん?」


15歳になると全員どこかの神様の信者にならなければならない。

火の神様に水の神様、風の神様に土の神様に雷の神様、他にも沢山の神様がいるが

一般的にみんなが入るのはこのうちのどれかでである。

仕組みとしては、10歳から15歳までの間に頑張ることで寿命が少し伸びる。そして、そこで神様の信者になることでもう少し寿命が伸び、そこからは信仰とこの世界に役に立つことをする、例えば人を助けるとかすることで伸びていく。

また、信仰心が強ければ加護が与えられることもあるらしい。もし、10歳から15歳の間に寿命が伸びなければ死ぬことになる。この期間は一般的に神からの試練とも呼ばれている。


「信仰されちゃうともう、邪神としては手出しできない訳!」

「だからさ、この10歳から15歳の間に信仰させないといけない訳さ!その中で信者を獲得しなきゃいけないから大変なのよ!」


「でも、多分僕以外にも神を憎んでる人はいると思いますよ。例えば、スラムで生まれた子供たちとかは憎んでるんじゃないですか?だから、僕以外で当たってくれると…。」


「そうはいかないのよ〜。まぁ、スラムはなかなかいない信者の巣窟ね!だから、私の部下が誘ってるわよ。」


「あっ、部下ですか…自分ではされないのですか?」


「なんで、そんなめんどくさいことしないといけないのよ。それは部下の仕事!」


「はぁ。」


「で、使徒って言うのは神様自らが決めないといけないのよ。

でも、何故か私の力が強すぎるせいかなんか知らないんだけど私のところに呼べる人がなかなかいないの。そこで君に目をつけたって訳。

ここに呼ぶことができて、神を憎んでるやつなんて君しかいなかったから。

まぁ、君は本当は憎んでないみたいなんだけど。」


「なるほど〜!」


「だからさ、なってよ!もう、神恨んでなくてもなんでもいいから信者になって!100年以上、使徒になれそうな人居なかったんだから。」


「そんなに?」

まぁ、そんなに長い間いないならたしかにまずいのだろう。

「えーーでも、悪いことするんでしょ。」


「そんなことしないわよ。別に普通に暮らしててくれていいわよ。」


「えっ?何か企んだりするんじゃないんですか?世界征服とか?」


小説にあったような話を思い浮かべていく。


「私以外はなんか色々してるみたいだけど、めんどくさいし私はそんなことしないわよ。」


「じゃあ、なんで信者を集めてるんですか?」


「そりゃ、信者がいないと私達生きれないからよ。信者の信仰によって強さも決まるし序列も決まるんだから集めるしかないでしょ。」


「じゃあ、なんで、邪神なんかしてるんですか?普通に神様やることは出来ないんですか?」


「あー、それは書類仕事がめんどいからに決まってるじゃない。」


「は?はぁ?」


「普通、神になると創造神の元に

自分の信者の書類とかを送ったり、

人間の監視報告を送ったり、

未知の魔法が発見されると報告したり

色々することがあるのよ。

それに、会議がよくあって信者がどうだとか

世界はこうやって管理すべきだとか

あーだこーだ、グダグダ喋らないといけないし

めんどいのよ。」


「その点、邪神は何にも言われないし自分が生きれるだけ信仰心を保てれば後は何をしても自由!

最高でしょ!」


「…………そんなもんなんですか?」


なんか、神様のイメージがどんどん崩れていく。

もっと、なんか高潔なイメージだったんですけど!!!


「聖典に書かれているような、そんな高潔なわけないでしょ。神様が信仰してもらいやすいように巫女とかにいってるだけよ。誰でも美化してなんでも書くでしょ!」


たしかに、大抵の歴史の本は勝った方が有利になるように捏造して書いてあることがほとんどだと言われてるけど…

そこまで、俗っぽいとは…


「それで、信者になってよ!寿命も100年分ぐらいあげるよ。」


「いやー、もうちょっと考えさせて下さい。本で読んだんですけど、邪神を信仰すれば、勇者に目つけられて殺されるって聞いたんですけどそれって本当ですか?。」


「えーー、まぁそういう可能性がないとはいえないけどさ。用は、神様に動きがバレれば巫女に報告が行って滅ぼせ、って勇者に命令が降るんだよ。だから、バレなきゃ大丈夫大丈夫!」


「あっ、なんかその考え方が邪神ぽいですね。勇者に討ち取られるとか嫌ですよ〜」


「むっ、わたしにはリアム君しかいないんだからさ使徒になることを考えてよーーーー。お願いだって〜

あっ、時間が……

また、来るからね!

その時にはいい返事を期待してるからね。

バイバイ!!!」


ん?目が覚めた?なんか最後めっちゃ早口で去っていった。神ってあんな感じなのか?軽すぎだろう。

話やすいからいいけども〜

邪神の使徒かー、まぁ可愛いからなってあげてもいいかなと思わなくもないけど、勇者に殺されるのはなぁ。って上から目線すぎるか、

何にせよ一つ思うことは、神なんていなくなればいいなんて簡単にいうもんじゃないということだな。

反省、反省!


今日は、これから馬車に乗って冒険者になるメンバーで町に行くことが決まっている。町に行って、とりあえず冒険者ギルドで登録しないといけないらしい。


すぐに用意しなくちゃ!

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