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闘技大会2日目 下

魔法について考えていると1日があっという間だ!

すいません。(>人<;)


11歳の女の子達が試合を終えた後、ようやく大人達の試合になった。


しかし、ターン制という意味ではあまり変わらなかった。


そもそも、最強かどうかというのは個人としての話であるしパーティーとしての協調性などは関係ない。


パーティーは、パーティーでランクがありそこは依頼をこなした数やダンジョンの到達階層などで判断される。


では、何をもって最強というのか?


これは難しい問題で、広範囲に打つことが出来

軍事的にも使える魔法を当てれば強いのか?


それとも、一点突破でどんなに硬い装甲を持つ魔物でも魔法を通すことが出来れば強いのか?


鮮やかな手際で魔法を自由に操ることができれば強いのか?


パーティー全員を守れるだけの魔法のシールドを貼れることが出来れば強いのか?


それは、その場その場で変わってくるし

どれを最強と決めるかはとても厳しいものがある。


そこで、この大会では世界で2番目に硬いと言われる魔甲地鋼(マルカシス)不思議粉(ラプス)の合金で作られた人形が用いられる。


この魔甲地鋼(マルカシス)は、どんな魔法の攻撃にも耐える超硬い鉱石として有名で不思議粉(ラプス)は攻撃力の違いで色が変わる。


魔法が強ければ、強いほど赤く輝き

普通なら緑色に、弱ければ青く輝く。


そんな鉱石と粉の合金で作られた人形をたくさん闘技場内に並べ、5分間にどれだけ多く威力の高い魔法を広範囲に打つことが出来るかで決まる。


つまり、この大会はオールラウンダーが優勝を取りやすい傾向になっており玉殖流が有利な試合となっていた。


勿論、威力だけを重視した大会も国主導で開かれているので不公平ということはないがこの大会はドナー帝国の中で一番多くの観客に見られていることでも有名なので威籠流は不公平だと言っているらしい。


ただ、なぜそれなら交代制にしないのかと言うと

一言でいうと地味だからである。


威力の高い魔法を打とうと思うとやはりためが必要になってしまう。

そのため魔法師としては威力の高い魔法を一直線にドカンと打つのは気持ちいいかもしれないが、見ている方からしたら一発強いのを打って終わりは少し寂しいものがある。


それなら、広範囲に何回も打つ魔法を見たいと思うだろう。そこで見栄え重視でオールラウンダーが有利な大会となっているのだ。


そもそも、冒険者からしたら一発で強い敵を倒してくれるより、様々な状況にも対応出来る方が生き残りやすいし依頼も完遂しやすい。そのためオールラウンダーの方が強いという認識なので仕方あるまい。


又、攻撃魔法が得意な人が勝利するのも仕方がないことである。


シクラメンピンク色のやわらかなピンクの髪色をした女性が闘技場に入ってくる。


ここまで、3人とも女性だったのは魔法に適正のある人がほとんど女性だからだ。貴族の女性は魔法の適正を持っていることが多く、女性男性の魔法師の全体で見ても7対3ぐらいの割合で女性の方が多い。


試合の仕方は簡単。はじめ!と言われたら自分が思うがままに人形に向けて魔法を打っていく。

そして5分が経てば、そこまで!と言われる。


そして、それを何人も続けていって最終的に一番強かった人物が表彰される。


その採点は、運営委員会が招待したフェルナ先生などの高明な魔法師、それから白銀の猛禽のクランマスターのような有名Sランカーなどの評価の合計によって決まる。


と言っても、主観が入る部分はほとんどなく

何発打ったか、それはどれぐらいの威力だったか

などから大体は判断出来るようなマニュアルが作られているため不満が出ることはあまりないらしい。


よく見ると、出場して来た女性は三角の耳が髪から飛び出している。

エルフだ。

エルフは、大抵森の中で生活しているが村を飛び出して冒険者をしているものもまあまあいるらしい。


エルフは、魔法を使うのに優れていて特に風魔法を得意として扱うらしい。


これは楽しみだ。


「はじめ!」

の言葉とともに、手に持たれた杖から魔法が飛び出す。杖の先端は丸くなっていて綺麗な魔石がはめられている。あれは、何の魔物の魔石だろうか?

とても綺麗だ。


風乱刃舞(ウィンドラング)!」


その杖から飛び出したのは、何枚もの風でできた刃だった。刃は、正三角形に近いかたちをしていてとても鋭かった。


その刃達は、魔甲地鋼(マルカシス)で出来た人形に次々に突き刺さっていく。闘技場に置かれた全ての人形に当たっていた。


それは、止まることを知らずほとんど5分間ずっと続いた。


素晴らしい。刃は、乱れて無差別に散らばっているように一見見えるが、その全てが人形に当たっていた。

正に神業だ。早く真似してみたい。


人形はオレンジ色だし、これはかなり高評価が出るんじゃないだろうか?


エルフの試合?というか披露と言った方が正しい気もするがそれが終わると一旦休憩が入る。


人形は、傷ついてないがその全ての色はオレンジのままだ。それを治すのに少し時間が必要なのだ。


つまり、魔法戦は一人一人の間に毎回休憩が入ることになる。


その間にトイレに行っておく。

トイレをして、

風の刃を再現するのは簡単だろうが

あれだけ正確に的に当てるのは難しいだろうな

どうやったら出来るかなと考えながら

来賓席に戻ろうとした時ふと管理倉庫の扉が開いているのが見えた。


倉庫の中には、人形の予備や掃除用具などが並べられていた。

そこに、黒い服を着た人がじっとしゃがみ込んで何かをしていた。


何か、不穏な感じがしてとても気になった。


「あのー    何してるんですか?」


「あら?」


そう言って振り向いたのは女の人だった。


「子供がこんなところでどうしたの?ここは立ち入り禁止ですよ?」


「いや、しゃがみ込んで何かしていたから何をしてるんだろう?って気になっちゃって。」


「あらあら。そう。私は人形の点検をしてたのよ。」


「点検?」


「そう、調子のおかしい人形があったみたいでね。それの原因を調べてたの!」


「へぇ。そうなんですね。」


「えぇ、坊ちゃん。席まで帰れる?」


「はい、大丈夫です。」


「そう、じゃあ気をつけてね。」


そう言って、扉を女の人は閉じた。


その女の人の肩越しには、一瞬白い点滅する石が見えた。その点滅は、なぜか時間が経っても頭の片隅から離れることはなかった。






休憩が終わって試合がどんどん進んでいった。

魔法は火属性と雷属性が多かった。


理由は簡単で、ある程度の範囲巻き込めるだけの魔法であれば攻撃力が高い魔法の方が得点が高くなるからだ。


属性としては、基本5属性として火水風雷土があり

それ以外にも聖属性や闇属性、無属性など

様々あるがやはり攻撃性が高いのは

雷と火の属性である。


炎の大きな塊が上から叩きつけるようにして落とす高火力な魔法の

火炎殴打(ファイアージャンキー)!」


最初は小さな火のボールであったはずがいつの間にかぐるぐるとそのボールが周りはじめ辺り一面に炎を撒き散らす

大火車(ブルクレファイ)!」


ファイアーボールを広範囲に散弾させ人形に着弾すると一気に爆発する

炎爆火撃ファイアーブラスティー!」


地面から雷を流し込み、一気に人形まで到達させ焼き尽くす

雷蛇忍焦(ライトニングスネーク)!」


ライトニングボールを高く打ち上げ、雨のように雷を降らす魔法

雷雨散別(サンダーレイン)!」


雷の弓矢が人形に向かって飛んでいき、着弾した瞬間に光が枝状に広がり周囲の人形も纏めて感電させる

光雷連結(ライトニングチェイン)!」


どの魔法もカッコよくて、為になる。

すぐに真似ることが出来るように詳細にメモを取っておいたので帰って練習したいものだ。

自分が作る動物達も可愛くて強いので気に入っているがやはりここまでの攻撃性はない。


冒険者をして戦闘しなければならなくなることを考えるとこういった魔法を習得していかなければならないだろう。


特に驚いたのは、「百炎球襲(ハンドレットアタック)!」だ。その名の通り、百のファイアーボールを生み出し次々に的に当てていく魔法なのだが

何がすごいかと言うと100個ものボールを維持できる世界への干渉する力だ。

そのまま、干渉力と表すことが多いのだが

どんなに魔力を持っていたとしても干渉力が低いと

大きな魔法を放つことができない。


俺は少しずつは伸びているとはいえ、まだ20個分しか

制御することが出来なく、それ以上はどんなに作ろうとしても消えてしまうのだ。


それを100個だから、つまり自分の5倍の干渉力と言うことだ。


しかも、100個というのは目で見て凄いことが分かるのでパフォーマンス性も高い。


思わず拍手してしまった。


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