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闘技大会二日目 上


あの後も試合が行われ、最終的に戦ったのはフェアリービリーフのメアリーと白銀の猛禽のアイビーだった。


白銀の猛禽といえば、下馬評で三位と噂のエルベルトさんが率いるクランだ。白銀の猛禽といえば、この国ドナー帝国最大のクランだ。


クランリーダーのエルベルトさんとサブリーダーのトリシャさんがSランクであることが有名でこのAランクのアイビーもAランクの中でも上位であることから

最も高ランク冒険者が揃っているクランとして有名である。


もちろん、そのため白銀の猛禽の下に着くAランクパーティーも沢山あり人数の上に置いても帝国一番なクランなのだ。


そんな、白銀の猛禽のアイビーさんは右手に剣を左手に盾のスタイルで戦う。


しかし、メアリーさんはその盾の間を縫ってちまちま攻撃していき1日目はメアリーさんの勝利で幕を閉じることとなった。




〜2日目〜


今日は、いよいよ魔法最強戦である。

帝国の魔法を見るのは初めてだし、どんな魔法が出てくるのかと思うと昨日はソワソワしてあまり寝れなかった。それぐらい楽しみだ。


「先生は、そんなに面白いもんじゃないぞ。」

と言っていたが。


もちろん、先生は審査席に行ってしまったので

貴族などに囲まれて、ひとりぼっちで来賓席に座っている。


まず、初めに防御フィールドが闘技場に貼られる。

観客に魔法が飛んで行かないようにするためだ。


闘技場には、こういった防御フィールドがついており

安全に戦いが観覧者が見れるように設計されている。


目を見開いた。

髪の毛が

髪の毛が〜すごいことになってるのが二人入ってくる。


縦ロールのお嬢様と、上に上に炎のように白い髪が伸びているお嬢様だ。


可笑しくて可笑しくて、笑いそうになるが周りは至って真面目な顔をして見ている。えっ?俺がおかしいの?貴族ってみんなこんな髪型してるの?

いや、あの突っ掛かってきたお嬢様でもこんな髪型してなかったよ。


と思っていたら、にやにやしてしまってたのがバレたのか。


「笑っちゃダメだよ。」

と、サンマルティーン家のダザイ公爵に怒られてしまった。


「あれはね、貴族学校の魔法科の生徒なんだけどね。

どちらも宮廷魔法師の魔法伯の娘さんなんだよ。

だからね、この来賓席にどちらの親もいるよ。だから、気をつけた方がいい。」


ひぇーーー。いるんかい。来賓席に。

じゃあ、不味いじゃん。そりゃ、誰も笑わないわな。


それにしても変な髪型だなぁ。



「ウォーンウォール家の名にかけて絶対に今日こそは負けないわ。」


「ふん、勝てるもんなら勝ってみなさい。私は絶対に負けないわ。」


どうやら、炎の髪型がウォーンウォール家で

ドリルがケント家というらしい。


「ハーレー負けるな!!!」

「バーバラいつも通りでいいぞー。」


という声が来賓席から飛ぶ。


おっさんが叫んでいるのだ。


それありなの?というか、これは何かの茶番なの?

国一番の戦いじゃなかったんかい。

急に身内のどうでもいい戦いになりそうな予感がする。


「威籠流 第二級魔法 ファイアアロー!!!」  


十秒間ぐらいためをして、魔法を放つ。

矢の形をした魔法がドリル目掛けて飛んでいく。


「玉殖流 第三級魔法 ウォーターウォール!!!」


と叫び、ドリルが受け止める。


「これぐらい、なんのことはないですわよ。次はわたしから行かせていただくわ。」


ドリルが声高々に言い、

「玉殖流 第三級魔法 テン・レンジ・ボール!!」

と叫び、

10個の水の玉が飛んでいく。


それを、炎の髪が

「威籠流 第三級魔法 ファイアエネルギー!!!」


と、手の平を前に掲げて魔法を作り出す。

あれは、魔力を手の前でためているのだろうか


そして、そのエネルギーで魔法を防ごうという魂胆か?


「ぐはぁ。      なかなかやるわね。次はもっとすごいのを出すわ。」


とか言っている。


これは何をしているのだろう?

もしかして、魔法戦はターン制なのだろうか?

そもそも逃げればいいじゃん、避ければいいじゃん

という攻撃をわざわざ受け止めて

挙句、炎の方は間に合ってないのだ。


えっ?どうなってるの?


しかも、ためなんかしてたらその間にやられちゃうんじゃないか?意味が分からん。

なんか貴族では、そうするって決まりがあるのか?


「これは、どういう戦いなんですか?」


「えっ?魔法師同士の戦いだけど……そういうことを聞いてるんじゃないよね?」


「いや、これで魔物とかとは戦えなくないですか?」


「あぁ、それはまだ11歳だからね。仕方ないよ。」 


いや、おんなじ歳じゃん。めっちゃ弱くない?


「えーーと、それで、なぜここで戦ってるんですか?」


「昔からウォーンウォール家と、ケント家とはいがみ合って来ていてね。どちらが強いか?とはいうのが貴族の中では話題にのぼることが多いせいで意識して二人とも生きているんだ。


だから、子供達も争っちゃって

それに親が加担するものだからますます

酷い有様になっちゃったのさ。


そこで、この魔法戦で一旦決着をつけようと言う話になってね。例外でこんなことになったのさ。」


なんでもありだな。貴族だからこそ出来ることだろう。けど、もう少しマシな状態にはならなかったのか?と思わざるおえない。


先生が面白くないと言ってた意味がよくわかった。


しかし、ここで同年代との違いが分かったのはリアムもよかっただろう。


そもそも、リアムは異常なのだ。


何も出来ない状態から、たった三週間もたたないうちにここまで魔法を操れる人間はいない。


ここにいる貴族のお嬢様達も5歳ぐらいから英才教育、

貴族として生きていくための教育と魔法を使うための教育を受けて来ているからこそ第三級魔法まで使えるのだ。


基本的に貴族は、大抵魔法が操れるため魔法の教育も小さい時からある。なんでも、小さい頃から魔素を身体になじましておくことで魔法が使いやすくなるとい言われているからだ。


そもそも、フェルナ魔法師は弟子をあまり持たないことで有名だがそれでもかなりの人数10人では収まりきらないほどの数は弟子がいる。


もっと言えば、2年ほど貴族学園で勤めていたこともあるぐらいなのでそこの生徒を弟子と言うならかなりの数の弟子がいる。


しかし、その弟子達にフェルナ魔法師がどんな人かと聞けば鬼というだろう。

とても厳しく、あまり褒めない。


やっと終わったと思ったらすぐに扱かれることで有名だ。


しかし、リアムに対してはそんなことをしてもないし

リアムも一切鬼だなんて思っていない。


では、なぜ厳しくリアムにあたらなかったのかというとそもそもリアムは努力をしているから怒らなかったのだ。これをしろ、とか言う前にやるのだ。


一度、リアムの部屋を覗いた時に

リアムはずっと魔法をこね続けていた。

そして、勉強をしていたのだ。


魔法をこね続けるだけで初心者ならぶっ倒れてしまうぐらい大変なことなのだ。なのに、勉強をしている。

これにはフェルナも驚いてしまって声をかけたのだが、リアムは魔法をこねながら普通にしている。


しまいには、寝ながらも魔法をこね続けていた。


フェルナ魔法師も最初はリアムをまだ仮の弟子であるつもりだったし、こんなに早く対外的に弟子だということをするつもりはなかったのだがここまで真面目に頑張ってやっているのを見ると弟子と言ってもいいだろうと認めたのだった。


それ以外にも、天才的に魔法を使いこなせるところもありさらにそれを威張ることも自慢することもないというところが弟子にした大きな理由である。


リアムは、自分しかいないので自分が特別なのかどうかは分からなかったしそんなに努力をしているつもりもなかった。心の中にあったのは、早く魔法を使えるようになりたい。


その思いだけであった。


また、魔法が使えるようになって嬉しいという気持ちも時間が経つとすぐにスキルの影響で沈静されるのだから増長するはずもなかったのだ。


結局、試合はドリルの方が勝った。

どちらかというと、炎の髪型の方を応援していたのだが実力が足りなかったのだからしょうがない。


リアムはあれはもっと増長するんだろうなぁ、と冷めた目で見ていたのだった。


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