闘技大会1日目
投稿しているつもりが出来ておりませんでした。すみません!!!最近は構想を練り直しているため1日おきに投稿してます。また、固まって仕舞えば毎日投稿出来ると思うのでもう少しお待ち下さい
「これより、闘技大会を始める。」
この言葉から闘技大会は始まった。
この闘技大会は、国を代表する大会。国の中でも最大級の大会のため、幹部の方が沢山来ているらしい。
優勝者には、賞金三億ペソと聖剣グリモワールが貰えるらしい。三億なんて、考えられない数字だけどそれだけこの大会に力が入っているのだろう。
それに、聖剣の方も最上級宝具と言われており国が所有している中でもかなり上位の宝具なはずだ。
先生は、審査員として一日目と二日目は過ごすので
審査員席に行ってしまった。
なんと言っても、この来賓席からの眺めがいい。
偉い人が挨拶しているのもよく見えたし、これからの戦いも全てきっちり見えるだろう。先生いなくても自分がいて大丈夫かな?と思ってしまう。
初日は、Aランクの冒険者同士が戦う。
戦いの方式としては、トーナメント形式で負けたら即終了らしい。
最初は、翡翠の龍という名前のクランのリーダーの
ガッツさんとフェアリービリーフというところのはクランリーダーであるメアリーさんの戦いだ。
東と西の門からそれぞれ出場してくる。
クランというのは、Bランク以上で作ることの出来るシステムでメンバーは通常のパーティーに加えて
コックや召使や荷物持ちを入れてつくられクランホームで暮らすことが多い。鍛治師などを雇っているところもあるという。さらに、そのパーティに習いたいと教えてもらいに来ている人たちも居て
クランに所属している他のパーティも存在する。
クランを作るメリットは、冒険者などが苦手な税金の処理などを雇って解決したり単純に直接的な取引が増えてくるからギルドを通さずに出来るというのがある。
翡翠の龍もフェアリービリーフもどちらもAランククランで翡翠の方はこの町タンジールでフェアリーの方は王都で主に活躍しているクランらしい。
実況でそう説明があった。
ガッツさんは、翡翠色の綺麗な髪に銀のマントを羽織って登場した。翡翠の龍の名前の由来ともなった珍しい色の髪色だ。
メアリーさんは、赤色いやあずき色と言った方が正しいか、の髪を後ろで括ってポニーテールのようにしている。メアリーさんは普通の剣よりも少し尖った細い剣を使うようだ。
「レディーファイ!!!」
実況の合図と共に始まった試合は、ガッツがメアリーに向かってまず仕掛けた。
ガッツの振り上げた剣に対してメアリーは剣で上手く弾き返す。そして、そのまま自分の攻撃を繰り出した。
二人の試合は、一言で言うなら力と速さの勝負だ。
ガッツが一撃を入れようとし、メアリーさんはそれを牽制しながら素早い動きで剣を振り回す。
ガッツはメアリーの速度になんとか追いついていると言った感じだ。
しかし、止めても止めてもするりとメアリーさんの剣は抜け、また攻撃へと転じている。
今は、まだガッツさんが対応出来ているがそれもだんだん苦しくなっていくだろうと思われるぐらい一方的な試合だった。
しかし、ある時メアリーの剣が止まった。
そして、剣は手のひらで止められていた。
「部分硬化!」
ガッツが唱えたのは、固有スキルだろう。
その防御により、手が防御壁を纏い剣を受けても傷つかなくなった。それで剣を使わみとったのだろう。
そして、そのままメアリーに一撃を与えようとする。
しかし、それが分かっていたかのようにすっと斜め後ろに飛ぶ。その瞬間、剣がまたしてもするりとガッツの手から離れてしまった。
そして、そのままメアリーはガッツに一撃を入れ
メアリーが勝った。
「勝者 メアリーーーーーーーーーーー!」
実況者が叫ぶ。
やはり、なかなか実力のある試合は見ていて楽しいものだ。
その後も、7試合ほどがありお昼休憩になった。
先生も戻ってきて、一緒にお弁当を食べていると
一人の堅いのいい男の人がやってきた。
髭を囃していて、ワイルドな顔つきをしている。
しかし、服装はしっかりとしたいわゆる正装という奴で身を包んでいた。
その人は、次々来賓の人に挨拶をして行っている。
「あれはな、挨拶をして貴族たちの機嫌を取ってるのじゃよ。」
「へぇ。なんでですか?」
「傭兵だからじゃ。傭兵はな、様々な仕事を受ける。それは護衛からダンジョン捜索など多岐に渡る。そして、それは貴族から依頼されることが多いのじゃ。貴族が雇用主になる訳じゃ。」
「なるほど。だから、ご挨拶をしているんですね。」
「そうじゃ、信頼されればされるほど仕事が増えるからな。この大会だってそうじゃろう。最強決定戦で一位になればそれだけ名を売れるから利用しておるのじゃ。」
「ええええ!じゃあ、あの人が騎士団長を10分で倒したと噂のゲルフさんですか???」
「いかにも。」
「わぁ。」
後ろから、先生に質問しているとゲルフさんに答えられてしまった。いつの間に後ろに来ていたんだ?
全然気づかなかった!
「先生、お久しぶりです。」
「あぁ、暴迫竜討伐依頼じゃな。」
「その節は助かりました。なかなかの暴れっぷりだったもので」
「じゃが、われがおらんでも倒せたじゃろ。」
「意地の悪いこと言わないでくださいよ。先生がいなかったらとてもじゃないですけど厳しかったですよ…」
「どうだかな?」
「それより、この子は?」
「あぁ、われの弟子じゃ。」
「おっ、また取り出したんですね。」
「いや、彼だけじゃよ。」
「どうも、傭兵隊長のゲルフだ。名前はなんて言う話だい?」
「リアムと言います。」
「そうかそうか。」
ゲルフさんはにこっと笑う。
厳つい顔をしていて怖い人なのかと思っていたら
笑顔はとても優しそうな印象を受けた。
「私にもね、息子と娘がいてねちょうど、息子がリアム君ぐらいの歳だ。いやぁ、子供は可愛くていいね。殺伐とした世界を癒してくれる。」
「お前は子供が出来てから変わったな。前はもっとピリピリしておったのに、なんというか丸くなったな。」
「そりゃ、そうかも知れません。昔は子供なんてうるさいだけの鬱陶しいものだと思って子供を嫌ってたんですけどねぇ。」
「うむ、それは知っておるぞ。子供が泣いていたら、わざわざ道を迂回して通っていたんじゃからなぁ。
子供を見たら蹴りたくなるとか言ってのぉ。はっはっ。」
「もう、昔のことじゃないですか〜。でも、本当に可愛いんですよ。愛しくて愛しくて、早く家に帰りたくなります。」
「本当に考えられんな。じゃが、いい傾向かも知れんな。こんな危険な仕事は早めに辞めてもっと堅実な仕事をしろ。」
「いやぁ、でも子供がもう少し成長するまでは辞められませんよ。いくら傭兵が危険と言っても。」
「お前は、晩婚なんじゃから体を労われ。家族も心配しておるんじゃないか?」
「妻には、早く帰ってこい、早く帰ってこいと言われてますよ。ははは。」
「挨拶に来てくれてありがとうな。」
「いえいえ、また共闘することがあればその時はよろしくお願いします。では。」
「うむ。」
「リアム君もまたね。」
と言って、去って行った。優しそうないい人だった。
傭兵といえば、草原で襲われた時に落ちぶれても傭兵になれば生きていける。とか聞いてあまりいいイメージがなかったのだけれども今回そういうのは間違いなんだということが分かった。
どこでも、いい人がいれば悪い人もいる。
たった、それだけのことなんだろう。
それにしても、先生って何歳なんだろう?
傭兵さんのことも昔から知ってそうだったし。
ビクッ!
横を見ると、先生がにこやかな顔でこちらを見ていた。でも、目が笑っていない。
怖っ
女性の年齢を考えるのはやめよう。