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第二の都タンジール


5日かかった、旅もそろそろ終わりが近づいて来た。


もう、この5日間で魔物が襲いかかってくることも慣れてしまった。


森を抜けると、急に前がひらける。


「ここが、第二の都 タンジールか!!!」


さすが、都と言うだけあって活気が溢れていて見たことのないほど多くの人がいる。

道の熱気がすごい。


タンジールは、闘士の神 ブルグンド様が祀られている。闘士の神は、名前通りでバトルジャンキーな神としても知られている。

神様が、それでいいのか?と思わなくはないがかなり人間くさい神がこの世界には多い。


今回開催される闘技大会は、一年に一度するらしい。

強いと評判の冒険者や騎士団長などがこぞって主席する事で知名度的にも有名らしくこの街のビックイベントの一つだ。


闘技大会の会場は、この街の中心に位置しており

特にその周りは大会の前日というにもかかわらずごった返していた。

どうやら賭けもあるらしく、

「俺は今回は騎士団長ライザに賭けるぜ!」

「おい、それ普通じゃねぇか。男なら男らしく無名の奴を狙おうぜ!」

「おいらは、エレメール様にすんぜ。あの美しさは神々しい。」

「お前はいつもそうだなぁ。まぁ、あの方はお美しい上に凛々しいからな。賭けたくなる気持ちもわかるぜ。」


と言った感じの会話をしている人達がそこら中にいる。


先生は、ご挨拶に行くらしく3時間後にまた会おうと約束してわかれた。

その時に、ついでに行ってきてくれ。

と拡張収納袋(中)をさらっと渡された。この拡張収納袋というのはかなり高額で高いのだと、余裕で家を買えるらしいのだがその効果は抜群で小さいので大量の荷物を入れることができ、袋の中に手を入れその物を思い浮かべると

あら不思議、そのアイテムが出てくるといった便利グッズなのである。


この5日間に倒した魔物は、大量なのだがきっちりとこの袋の中に収まっている。


これを渡されたのは、冒険者ギルドに売るためだ。

そして、その売った金で遊んで来いと言われた。


冒険者ギルドは、最初に着いたヨーデスのとはかなり違って、汚いわけではないのだがどこか野蛮な感じだ。冒険者達も筋肉ムキムキのおっさん達が多い。

ギルドの受付は2階にあるらしく、一階は酒場となっていた。昼から飲んだくれてる人が多いらしく

「ガハッハッハッ」と

おっさん達の笑い声が聞こえてくる。


まずは、普通の冒険者受付に並ぶ。

ギルドには、依頼人から受ける通常クエストから

突然現れた魔物を倒すための臨時クエスト

依頼人が急いでいる時に出される速要クエストなどさまざまなクエストがあるのだがその中に常時クエストと言うものが存在する。


例えば、キュアポーションという傷を治す薬があるがこれは冒険者なら誰でも買うものと言える。

そういったものの中には、魔物から取れるアイテムが含まれており常に材料が必要となる。


つまり、ギルドにこの魔物を飼ってきて欲しいとかその材料が欲しいとか依頼されることが多いのだ。


そこで、常時クエストを貼り出すことでギルドとしてはいつでもその材料を用意しておき、依頼者に買ってもらえるようにする。


という仕組みだ。進級するためには、その人の人間性などを見たり、ギルドへの貢献度を見るため常時クエストの受けた回数は進級するための一つの基準でもある。そのため、常時クエストにある魔物を重点的に冒険者は狩ることになる。


「常時クエストクリュシオスの依頼を達成しました。」

こうやって報告するだけで、貢献度が上がっていくのだから楽なものだ。


「はーい、ブレスレットをここに翳してください。」


最初にもらった、ブレスレットは個人情報を読み取ることができその人が何匹倒したかなどが現れる。


「ピッ!   108匹ですか? えぇ?確か、あなた最近登録されたばかりのEランクでしたよね?」


「はい、でもこれ5日ぶんなんで。」


「いや、5日でそれだけやったんですか?

ちょっと横に移りましょうか。

とりあえず、倒した魔物を見せてもらえますか?」


どうやら、何か不正をしてないか。疑われているようだ。

拡張収納袋(中)から、毛皮と鍵爪をどんどん出していく。


「えっと、多くありません?」

「先生が狩ったやつも一緒に入ってるんで…」


「1、2、…………………………212匹ですね。きっちり、毛皮と鍵爪が入ってますね。」

といって自分をじっと見てくる。

「本当に自分で狩ったんですか?」

「本当ですよ。ブレスレットで表示されてたじゃないですか?」


その時、

「うらぁ、どおした?なんかあったか?」


カウンターの後ろから出てきたのは、もうこれはゴーレムなのか?と言いたくなるぐらい筋肉ががちがちのムチムチについたおっさんだった。


「ギルドマスター!」


少し、そのあと受付の人とギルドマスターと呼ばれたゴツいおっさんが話し合っている。

「おら、お前か?ちょっとこっち来い!今から昇格試験をしてやる。」


連れてこられたのは、ギルドの地下で前のギルドと同じような意外にもしっかりとした道場だった。


「俺はなぁ、はっきり言って馬鹿だ。だからなぁ、お前が嘘ついてるかついてないかなんか分からん。

それに、知りたいとも思わん。でもなぁ、戦えばこいつはちゃんとクリュシオスを狩ったかどうかぐらいわかる。ちょうど、貢献度も十分お前はあるし俺が見てやるよ。」


面白い。たしかにそれだけの実力があるかどうか見るっていうなら、口論になってずっと疑われ続けるよりも何倍もすっきりとする。


「こいや、おらぁ。」


早くないか?もうちょっとなんか説明があるのかと思ってたんだけど、まぁめんどくさかったのかもしれない。

最初は、アイスウルフから出していく。


「なんだなんだ?   おりゃあ。」


テンション高いな!さっきからおらしか言ってないけど…

ギルドマスターは、剣で一払いすると一気にアイスウルフは消えてしまう。

これはやばいな。


死ぬたびに、アイスウルフを量産していくが

なんせ、一払いで終わってしまうのだ。

勝てやしない。とりあえず、おっさんが詰めて来れないようにウィンドウルフに変える。


ははっ。

笑うしかないぐらい強い。


腕にかなりの筋肉の塊があるなと思ってたがここまで強いのか。

「おらぁ〜〜〜」

顔に笑みを浮かべながら、余裕綽綽で剣を振り回している。


このままでは、拉致が開かない。


自分の中で最高火力の魔法を放つ。

一回、自分で打ってみてびっくりしたのだ。

こんなの人にむけるもんじゃないなと思っていた。


だが、多分これも意味を成さないのだろう。

そう思いながら、魔法を打つ。

それは、雷でできた隼だ。


通常、風隼は下降する時に異常な最高速度が出る。

つまり、高さがあるところじゃないとそこまで威力が出ないのだ。

ここは地下。

どう考えても、隼がうまく使えない環境だ。

だが、雷属性に変えると一気に直線でも使えるようになる。

見えない速度の雷でできた隼を放っていく。


「身体強化!!!」

ギルドマスターのおっさんが叫ぶ。

すると、ギルドマスターの動きが格段に良くなり

周りのウィンドウルフも雷でできた隼も消し飛ぶ。


いやいやいや、強すぎだろ。

絶対無理やん


と思いながら、隼を打っていく。


すると、おっさんは剣で隼を切り出した。


なんでもありかよ?


おっさんも、もう俺が手札が残っていないことに気付いて詰めてくる。


両手を上げ、降参する。


「意外とやるじゃねえか。疑って悪かったな。合格だ。Cランクに上げといてやるよ。」

「しっかし、見たことねぇ魔法だな?誰に教えてもらったんだ?」


「フェルナ先生です。」


「フェルナって、あの魔源自在のフェルナ大魔法師のことか?」


「初めてその魔源自在ってのは聞いたんですけど、多分そうだと思います。」


「まさか?いや、でもあの人は弟子を取ってないって言われてるはずなんだが…」


「なんでも、5年ぶりとか?聞きましたけど…一応弟子です。」


「お前が嘘をついてないってのは分かったから、信じられんが信じてやろう。それに、二週間ほどでここまでの実力が出たってのは信憑性もある。」


一応考えることはできるんだ〜とかなり失礼なことを考えていると、カウンターに戻りギルドに売ったクリュシオスのお金を渡される。


「これで、全部だ。また、来な!優秀な冒険者は大歓迎だ。」


「ありがとうございました。」

意外と気さくな感じの人だったなぁ。最初はスッゲー怖そうと思ったんだが。

ギルドを出て、あっそうだ。お金の確認を忘れてたと思ってみると

200万ペソ以上?えっ?

いや、たしかにそれぐらいはするだろう。

これ、使っていいのかな?


リアムは無駄遣いだけはしないようにしようと心に決めて町に繰り出すのだった。



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