第3の町
色々とあったが、ようやく次の町に到着した。3番目の町は、俺達のいたブラウンタウンも同じ位の大きさをしている。人々も活気があり、賑やかな所だ。
「やっと着いたな!」
「えぇ、でも2人から3人に増えてるとは、夢にも思いませんてきたよ…」
「スゲ~な人が沢山いるぞ!!」
と言ってレオは町を見てテンションが上がっている。得体の知れないとこに暮らしたくないとか言っていたとは思えないな。そこは子供らくし、なれるのが早いな。
「さてと、取り敢えず今日はココで一泊するからな、宿を探すか!」
俺が宿を探そうと提案した。しかしリリーナが、
「いえタイガーさん、それよりも先にすることがありますよ!」
と、リリーナが返して。
「先にすること?」
「そうです。宿を探すよりも…」
「よりも⁉」
「レオくんの身なりを整えましょう!この姿だと、ろくに飲食店にも入れませんよ!」
と、リリーナが断言した。
なるほど、俺等は良いがレオはというと、汚れまくりで、ボロボロの服を着ている。髪も同様、近くで見たらゴミが髪に絡まっている。
「あぁ確かに、これじゃあ汚いと入店拒否されそうだ。それに、俺等が普通なのに、連れてる子供がこうだと、変におもわれるな…下手すりゃ、人攫いと勘違いされるかも…」
「でしょう!?ですから身なりを整えるんです!」
「そうだな、それがいい。そんじゃまずは、風呂にでも入れて体の汚れを落とさないとな。でも今の時間帯だとまだ風呂屋は開いてないぞ!」
「あっそうでしたね…どうしましょうか…」
リリーナが悩んでいると、
「だったら俺に任せろ!」
「ピエールさん!」
ピエールが会話に入って来た。
なんだかんだで、まだ一緒にいたのだ。
「任せろって、何かあてがあるのか?」
「言っただろ?この町に知り合いがいるって⁉」
「ああ、自警隊時代の友人がいるんだっけな⁉」
「同期以外にも知人は何人かいる。そいつ等に頼んで、風呂を貸してもらうんだ。皆気前のいい奴らだから、多分大丈夫だろう。」
「助かりますピエールさん!」
「例なら貸してくれた奴に言ってくんな!」
そう言いながらも、ピエール自身、自慢げだった。
それからピエールの友人に事情を話し、風呂を借りてレオを入れた。
しかし、風呂に入った事のないレオは、抵抗して無茶苦茶暴れた。俺等は悪戦苦闘しながら何とかレオをキレイにした。
入浴を終えピエールの友人に例を言って別れた後、服屋に言った。体はキレイになっても、服はそうもいかない。洗濯して汚れは落ちても、穴や破れた部分はそのままだ。ボロボロの服のままとはいかないので、新しい服を買うこととした。
「レオくん、これなんてどうかな⁉」
「なんか動きにくいぞリリーナ!!」
「慣れれば平気だよ!それから、これも着てみて!」
リリーナに言われるがまま、服を試着するレオ。
服を選んでるリリーナは、着せ替え人形で遊ぶ子供のようで、どこか楽しそうだった。
「あっこれもいいかも!」
そう言って手にした服をレオの体に当てて、レオが着た姿をイメージするリリーナ。
「うん、コレが1番似合いそう!」
購入決定しそうな雰囲気だった。が、俺が値札を見て、
「おいリリーナ、コレ高いぞ…」
リリーナに値札を見せる。そこには、結構な値段が書かれていた。俺等が安安と買える値ではなかった。すると、
「……と思ったけど、こっちのほうがないいかな!」
と言って、慌てて別の服に取り替えた。因みにそんなに高くない品だ。
手頃なのを何着か買うと次は、理髪店に向った。ボサボサなレオの髪をカットしてもらうためだ。
とはいえ、どんな髪型が似合うかは、おしゃれ等に無頓着な俺には分からなかった。なので店主にお任せでやってもらった。
店主は十数分程かけ、丁寧にやってくれた。
「出来ましたよ。こんな感じでどうでしょう⁉」
「オー、見違えたな!」
「うん、カワイイよレオくん!」
「そうか…」
そこには先程までの野生児はおらず、何処に連れて行っても恥ずかしくない、少年の姿がそこにあったのだった。