表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/185

ジパーネ国 入国

 俺等は、ジパーネ国にたどり着いた。国は周囲を3メートル位の高さの壁で囲まれており、国に入るには東西南北にある、入口の門を通る必要がある。

今俺等がいるのはその門の一つ。

 国の入口付近には、


 【ようこそジパーネ国へ!!】

 【これよりジパーネ国!!】


 等と書かれた立て札があった。

 なんだかチョットしたテーマパークぽいな…目の前の入口も昔、家族で行ったどこぞの忍者村に似ている気がするし…


 「どうしたタイガー!?早く入ろうぜ!」

 「ん、ああ…」


レオに急かされ俺等は、入口の門に向かった。

 門の側には長い棒を持った門番が立っている。が、暇なのか、片方は気だるそうにタバコ吸っており、もう片方にいたっては、しゃがみ込み眠たそうな顔をしていて、挙げ句にアクビしてる(眠たそうなじゃなくて、本当に眠そうだ…)。

 こんなんで大丈夫なのかこの国…

 特にこれといって、縁もゆかりも無い国ながら、俺は少々心配になった。これからしばらく滞在予定なのに…


 「私達、入れるんですかね?…」

 「まぁ一応、案内や歓迎の看板はあったからな、大丈夫だろう。多分…」


 ここまで来て引き返すのもアレなので、意を決して門に近づいた。

 俺等が近づくと、門番は俺等に気付き、


「おっ、おい!」

「ん、客か?久々だな…」

「ああ!」


しゃがんでいた方は直ぐ様立ち上がり、タバコを吸ってた方は、吸っていたタバコを足元に落とし、火を踏み消した。

そして俺等に近寄ってきた。


「入国希望で!?」

「はい、4人です!」

「4名ッスね!」


手短にやり取りをする。便宜上、タバコを吸ってた方を門番A、眠そうにしてた方を門番Bとする。

俺等が入国の為、書類を取り出そうとすると、


「あっ、書類(それ)は結構っす!」

「えっ、いらないんですか?」

「ええ!」


そう言って近くを指差す門番A。

指差す方には、テーマパークの入場(チケット)売り場みたいな窓口があった。


「あそこで、人数分の入国料を払ってもらえればOKッスよ!」


と、門番Bが言う。

入国料払うだけでいいって、みたいじゃなくて、本当にテーマパークかよ…

むしろ最近のテーマパークでも、手荷物検査が必要なところあるくらいだぞ…

とはいっても、それは俺の前世において、地球での話だが…


手な訳で、入国料を払いに窓口に向かった。

窓口には、中年のおばさんがいたが、菓子をつまみながら、茶を飲んでいた。

こっちもこっちでヒマそうにしていた。


「あの〜」

「!?おや、お客さんとは、珍しい…」


こっちも俺等に気付くと、対応に移った。


「いらっしゃい!え~と、大人3人に子供1人だね!」


俺とリリーナ・レイナは大人料金で、レオは子供料金だった。ますますテーマパークみたいになってきたな…

俺等は4人分の入国料を支払った。支払うとおばさんは、4枚の木の札を渡して来た。首から下げられる紐付きだ。


「その木の札が、入国料を払った証だよ。持っていれば、何日でもこの国に滞在出来るよ。出る時に回収させてもらうよ。後、再発行は出来ないからね!万が一無くしたら、国外退去か、再度入国料を払ってもらうことになるから、無くさないように気を付けてね!」


この木の札が滞在出来る証なのか。チケットの半券みたいなものか…

札は各々、首から下げた。


「ほらレオ君も!」


リリーナがレオの札首から下げさせた。


「いい、無くさないように、しっかり首から下げとくんだよ!」

「ん!」


注意を促すリリーナ。そりゃあ、料金の払い直しは痛いからな…

と、ふとある事を思い出した俺は、窓口のおばさんに訪ねた。


「ところでさ、今日俺等以外に、それココに来た人はいるんで?」

「いや、あんた達以外はいないよ。そもそも、今日どころか、人が来ること事態、数日ぶりだよ!」


と、返された。

そう言えばさっき、このおばさん、


「珍しい…」


って言ってたな。門番Bの方も、


「久々だな…」


と言っていたな。

どうやら、滅多に人は来ないらしい。だから門番A・Bも、窓口のおばさんもヒマそうにしていたのか。そんなんだから、接客態度の良いと言えないこの面々でも勤まっているのか…

本当に、潰れかけのテーマパーク並だ。大丈夫なのだろうかこの国…


「(すると、あの3人は、本当に何処に行ったんだ?…)」


あの3人とは、馬車乗り場で見かけた人達のことだ。もしかして、彼等もこの国に来たのか思っていたが、違うようだ。

この辺に、他に向うような場所あるのか?


「(…ま、いいか…)」


考えてても仕方がない。

俺等は木の札を門番に見せ、ジパーネ国に入国したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ