表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

158/185

武道大会 準決勝・決勝戦

 「あの子の控室は…」


試合後暫くしてから、先程の試合で、恥ずかしい思いをさせてしまった事を謝るため、サヨを探すレイナの姿があった。

探している最中、何やらいい匂いがしてきた。


「!?香ばしい匂い…お肉…それとニンニクの…」


匂いに誘われるよう、匂いの下に足を運ぶレイナ。そこは控室のある建物の裏側で、大柄の男が分厚い肉を豪快に食べていた。

その側では、別の男が肉を焼いている。


ガッガッ!


「おい、ソレまだ生だぞ、サーロン!?」

「いいんだよ!オレはレアが好みだ!」

「たく…てかそんなに食って動けんのか?次の対戦相手のレイナって女、中々強えらしいぜ!?」

「だからこそだ!試合に備え、食って力つけんだよ力を!俺はな、肉を食わねーと力でねーんだ!わかったら、黙って焼けスーネ!」

「ヘイヘイ!」


等と会話しながら肉を食う2人。

どうやら、あの大柄の男が、準決勝でレイナと戦う相手のようだ。


「(あの男が次の相手か…)」


物陰から様子を見ていたレイナ。匂いを嗅いでいたら、自身も小腹が減ってきた。


「(控室に軽食あったわね…)」


各選手の控室には、簡単な軽食と飲み物が用意されていて、各選手、自由に口にしていいのだ。

控室に戻り、軽食で栄養補給するレイナ。そうこうしている内に、試合時間になったらしく、係員が呼びに来た。

控室から試合会場に向かうレイナ。

その最中、


「(!?あっ、しまった、あの子を探すのすっかり忘れてた…)」


肝心の事を忘れていた事を思い出した。

仕方なく、そのまま会場に向かうレイナ。そして、エムーの進行で会場に出て来た。


「対するは青コーナー…アレ?」


しかし、肝心の対戦相手が出てこない。


「ええっと、サーロン選手!?…」


出てくる気配のない相手(サーロン)

少しすると、代わりに係員が小走りで出て来た。


「どうしたの?」

「エムーさん、それがですね…」


ヒソヒソ…


エムーに耳打ちをした。


「と、言うわけです…」

「えぇっ!?そうか…えー、お知らせします。」

「何かあったんですかね?」

「さぁ…」


観客席の俺等も首を傾げる。


「サーロン選手ですが、試合に備え、レアステーキを食したところ…」

「……」

「食べ過ぎて、酷く下痢に(お腹が痛く)なったそうです!更に、豚と鶏も一緒に食べたらしいのですが、そちらも生焼けの状態で食べたので、同時に食中毒も引き起こしたらしく…」

「はぁ〜」

「それにより、近くの病院に運ばれたそうです。よってこの試合は、レイナ選手の不戦勝となります!」

「(再び)はぁ〜!なんだよ、そりゃあ…」


手なわけで、レイナの準決勝は、不戦勝に終わったのだった…

何ともバカバカしい展開なので、話を進める。


武道大会は佳境?、決勝戦を迎えた。


「たあ!」

「うおっ!」


決勝戦は、レイナとペプチドという細身ながら締まった身体の男との試合。


「ハーッ!ターッ!」

「ぐっ!…」


レイナが絶え間なく、連続攻撃を打ち込み、それをガードするペプチド。が、完全には防ぎきれず、攻撃を食らうペプチド。

ようやく、武道大会(それ)らしくなって来たな。試合はレイナが圧倒的に優勢だった。

相手のペプチドも、決して弱い訳では無いが、レイナに比べれば、パワーもスピードも劣っている。


ドッ!


「ぐぇっ!」


等と言ってる内に、レイナの蹴りが、彼の腹にモロ入った。


「ぐっ…はぁはぁ…」


苦痛を顔に浮かべるペプチド。

試合は完全にレイナのペースとなり、ペプチドは防戦一方だ。


「こりゃもう決まりだな!?」


皆が皆、レイナの勝ちを確信した。

しかし、ペプチドは、


「よ~し、こうなりゃ…」


バックステップで後方に下るペプチド。するやいなや、スボンのポケットに手を突っ込み、何かを取り出した。


「何でしょう、まさか武器!?」

「(暗器ってやつか?)武器の使用は禁止されてるはずだぞ!」


するとペプチドは、取り出したのご武器で無いと証明するかの様に、手に持った物を、皆に見えるように出した。

それは、ニンニクだった。


「アレって、ニンニクですね?」

「あぁ…」


ニンニクなんて何する気だ?

と疑問に思っていると、ペプチドはニンニクを丸かじりした。


「食ったぞ!」

「何で試合中に?」


するとペプチドの目が見開いた。


「うお~、来た来た来たーー!!」

「な、何だ!?」


突如、元気ハツラツといった感じになったペプチド。


「ハハハ!俺はニンニクを食うとこうなるんたぜ!こうなったら、元気百倍よ!!」


そう言って、力こぶを見せるペプチド。


「なんですかあれは?…」

「あんなのありかよ…」


食ってパワーアップするなんて、漫画やゲームみたいだ。例えるならば、ホウレン草を食ったポ○イみたいだ…


「さぁ、勝負はここからだ!いくぜ!」


身構えるレイナ。

が、


ピピーッ!!


エムーが笛を鳴らした。


「ハイ、そこまで!」


突然、試合を止めるエムー。


「はぁ、何故試合を止めるんだよ!勝負はここからだってのに!?」


抗議するペプチド。

それに対してエムーは、こう返した。


「ペプチド選手…」

「!?なんだよ…」

「試合中のエネルギー補給は反則です!」

「いっ!?」

「よってペプチド選手は反則負け。反則により、レイナ選手の勝利とします!」

「ええー!!」


そう。この武道大会では、試合中のエネルギー補給は禁止されているのだ。

よって、ルール違反をしたペプチドは、即反則負けとなったのだ。

説明あったのに、迂闊すぎるぞ…聞いてなかったのかペプチド…


てなわけで、決勝戦は完全にペプチド(向こう)のミスにより、レイナの勝ちとなった。

よって大会は、レイナの優勝となったのだった(…こんな盛り上がりに欠ける幕引きでいいのか?…)!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ