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旅のしかた

 マスターに教えてもらったとおりに行くと、目的地にたどり着いた。


 「ふ〜、ようやく着いたな!」

 「ええ。緑も多くていいところですね!」


 俺達が次にやって来た町。それは山間にある町だった。俺とリリーナがいたフォーマ村及びブラウンタウンを始め、今まで訪れた各地も緑が多かったが、ここは山間にあるので、より緑が多かった。


 「だね姐さん!でもタイガー、ここで何をするのさ?」


 レイナが聞いてきた。

 今日、公国を出発後に、旅に加わったレイナ(しつこいようだが、半ば強引に)。なので、次に目指す場所の、行く理由は話していない。

 マスターの店でも、他愛のないことばかり話してたしな。


 「あぁ、そうだなぁ…」

 「そうだなぁって…もしかして、特にこれと言った目的もなく、ただ来ただけっていうんじゃないの?」

 「実を言うと…そうだ!」

 「そうだ!って…本気で言ってるの?」

 「ああ。」


 本当に俺等は、


「ココで〇〇しよう!!」


等とかは余り考えずに、気ままに旅をしてる。

 ブラウンタウンの図書館で、「ココはコレが、コッチではコレが有名だ」とかは下調べしたが。それで、興味がわいた所を、手当たり次第に回っているのだ。これまで通った町等は大体そうだ。船長に誘われて行った、島は別だが。


 「随分とアバウトね…」

 「その方が、面白いだろうと思ってな!どんな出会いがあるか、何が起こるか分かんないし!」


 と、俺は答えた。

 俺は元の世界でも、旅行は余り計画を細かく立てない主義だ。細かく計画をたてて、いざトラブルが起きて計画が狂ったら、修正してりするのも面倒だ。だから俺は、行き当たりばったりなやり方が好きだった。

なのでこの旅も、細かい計画は特に立てず、気になった所に、その勢いで向かうスタイルで、旅をしているのだ。

因みに、リリーナには旅立つ前にそういう旅の仕方をすると伝えてある。

彼女も、


「その方が楽しそうです!」


と言ってくれた。

その事をレイナに話すと、


「無計画すぎない!?」


と、最初は文句言っていたが、リリーナが受け入れている事を話すと、


「だよね!あたしも、その方がサプライズ感があって面白いと思うよ姐さん!!」


と言って、手のひら返した…

尚、レオはというと、


「オレっちは、美味いもんさえ食えれば、なんだっていい!」


との事だ。本当に、ブレないやつだ。


「って、そういやレオは!?」


いつの間にやら、レオの姿が見当たらなくなっていた。


「レオくん、どこー!?」

「あっ、あそこだよ姐さん!」


レイナが指差す方にレオはいた。

レオは町の一角にある畑の側におり、何かを持っていた。それは、直ぐ側にある畑に生っている実だった。そしてレオは、それを口に入れようとしていた。


「おい、何してんだレオ!畑に生ってるやつ、勝手に採ったりしたら駄目だろが!」

「採ってねーよ!ココに落ちてたんだ!」


と言いながら、足元を指差すレオ。どうやら、自然に落ちたみたいだ。だからと言って、食べていい訳では無い。


「だからってな!それに、なんて名前の植物なのかも解んないのを食うんじゃ…」

「畑で育ててんなら、食えるってことだろ!?」


そう言ってレオは、拾った実を口に放り込んだ。


「ああ…」


そしてレオは、口に放り込んだ実を噛み砕いた。


「大げさだって!ほら、何とも…」


そこまで言った途端、口が止まったレオ。


「どうしたレオ!?」

「うっ…う…」

「レオくん!?…」


心配顔のリリーナ。

その次の瞬間、


「か、カラーい~!!」


叫びだすレオ。慌てて介抱するリリーナと、それを手伝うレイナ。

レオが食った実が生ってるやつ畑を見る。近くで見ると、それが何なのか分かった。


「辛いわけだ…」

「わけって!?」

「これ、胡椒(コショウ)だよ!しかも、黒コショウ!」


そう。レオが食ったのは黒コショウの実だった。コショウには、主に、黒・白・緑・赤色の物がある。白は穏やかな辛味が特徴で、緑や赤は、辛さをあまり感じないほどマイルドな辛味なのだが、黒は一際、刺激的な辛さをしていると聞いたことがある。

大人でもキツイのに、子供のレオには、相当効いただろうな…


その後、近くで買った牛乳を飲ませ、何とか落ち着いたレオ。畑の持ち主に謝り行ったが、持ち主はすんなり許してくれた。逆にレオの身体のことを気づかってくれた。いい人だった。


「ああー、ヒデー目に遭った…」

「拾い食いなんてするからだ!」


そう言ってレオを叱った。

がレオは既に、別の畑に生っている物に意識と視線を向けていた。


「何だこれは!?見たことねーな…」

「食うなよレオ!それ、唐辛子(とうがらし)だ、又酷い目に遭うぞ!」


と言って忠告した。


「うぇ~、こんなモンばっか育ててんのかよココは…」

「そりゃそうだ。なんたってココは、香辛料で有名な町だからな!」


そうここは、大陸一、香辛料の生産で有名な町なのだ。


唐辛子を食べた際、水を飲むのは逆効果になるそうです。唐辛子の辛さの主成分は水に溶けにくく、水を飲むことで、成分が広がるので悪化させる事になるそうです。

辛いものを食べた時は、乳製品や油分のある物を食べるといいそうです。

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