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検問所

 ジョウの店を後にし、次の目的地へ向かう前に、荷馬車屋に来ている。

 荷馬車屋とは、元の世界で言うところの、運送会社みたいなもので、有料で荷物を指定した町に届けてくれるのだ。腕っぷしの強い護衛(ガードマン)が同行するので、安全性も高い。最も、荷馬車屋の中には、荷物を賊に盗られたり、酷いときには荷物を持ち逃げしたりする悪徳なのもあるらしいが、ココは大丈夫だと、ジョウから聞いた。

 彼も時々利用しているらしく、問題が起きたことはないとか。


 「それでは、お願いします!」

 「かしこまりました!」

 

 荷馬車屋の受付所から出てきた俺達。


 「コレでよしと。後は、無事にホリィ達の元に届くのを祈るだけだな!」

 「大丈夫ですよ。ジョウさんも、信用できるって、言ってましたし。」

 「だな。まぁ、少々金はかかったけど、何時までも持っている訳にはいかないからな。その内、全部レオの胃袋に収まっちゃいかねないからな…」

 「ですね…」


 ワイハ島でホリィ達にと買った土産の菓子等を町の方に送った。比較的、日持ちするやつを選んで買ったわけだが、放っておいたら本当に、全部レオに食われかねない。注意してもきかない。猫にマタタビ状態だ。


 因みに、ワイハ島には荷馬車屋は無く、大陸の荷馬車も、ワイハ島の様な離島は配達可能地区外らしい。


 「それじゃあ、行くか!」

 「はい。ほら、レオくんも行くよ!」

 「ん!」


 俺等は、次の目的地の国へと移動を始めた。

 その国行きの馬車に乗り、馬車に揺られて幾時間ご過ぎた頃。


 「お客さん方。検問所を通りやすので、準備しといてくだせー!」


 御者の初老の男性の声を聞き、皆が準備を始めた。

 皆といっても、小さな乗り合い馬車なので、乗客は俺等以外数名。4~50歳位の夫婦と、旅行者と思しき若い女性。

 といった面子だ。

 一人でも手間取ったら、他の乗客に迷惑がかかる。なので、スムーズに審査を受けれるよう、早い段階で用意しておくのが、こういった乗り合い馬車でのマナーらしい。


 リリーナも鞄の中を探りながら、


 「書類、書類…あった!タイガーさんも、今の内に用意しておいた方がいいですよ⁉レオくんの分と合わせて。」


 前にも言ったが、この世界では、他国に入国する(入る)には出身国の、役所発行の書類が必要だ。

 書類の内容は、出生の記録から、犯罪歴の有無、現在の職業等についての物だ。

 俺とリリーナは、旅立つ前に用意している。正確に言うと、ミミが手配してくれた。しかも、ここだけの話しだが、発行には少々金がいるが、こっそりまけてくれたのだった。

 更に、自分で言うのも何だが、どこの馬の骨かも分からない俺の書類。本来なら色々と難しいところではあったが、そこはミミが上手くしてくれた。

 少し心配になったので、本人に聞いたら、


 「大丈夫!(ギリギリ)合法だから!」


 と言っていた。

 本当に大丈夫なのか不安があったが、現在までのところ問題はなかった。

 因みに、ワイハ島は比較的オープンな国で、書類は特に不要なのだとか。

 

 まあ、俺の方はさて置き、


 「ああ、大丈夫だよ。レオの書類もある。ほら!」


 鞄から自分の分と、レオの分の書類を出した。赤ん坊以上なら、子供でも書類は必要となる。

 俺と同様、出身のはっきりしないレオ。

 俺等について来る以上、レオの分の書類もいるが、もうミミには頼れない。

 そこで力になってくれたのが、ピエールの友人のジャンだ。現役の自警隊の上官と、社会的地位も高く、それでいて多方面に顔も効く。理由を聞いた彼が手配してくれたのだ。

 その際、


 「友人のピエールの知人の為とあらば、喜んで協力しようじゃないか!」


 と言っていた。

 本当に持つべきものは友だよ。人と人の繋がりって本当に大切なんだと痛感した。

 等と思い返している内に、検問所についていた。そして俺等、乗り合い馬車の面々の審査の番が回って来た。



 書類の件をようやく出せました。1度触れて以来、ずっとほったらかしだったので…

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