表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

113/185

宴会

 会場に入ると、コリートの言って通り、既に宴会は始まっていた。

 コリートの船の乗組員(クルー)達の姿がアチラコチラで見られる。皆、知人らしき人達と、仲良く飲み食いし会話に華を咲かせている。

 

 「お~い、タイガー!リリーナ!」

 「お兄ちゃーん!お姉ちゃーん!」

 「2人共、こっちよ!」

 「おお、レオにローラ。リサさんも!」


 レオとローラ・リサは既に会場内にいた。

 レオは大盛りの、料理の乗った皿を片手に持ち、勢い良く食ってる。

 ローラも甘いオヤツを上品に食べている。が、今までのパターンからして、既にたらふく食べた後だろう…

 この2人の食いっぷりは、ココまで来ると、完全に見慣れた光景だよ。

 側のリサは、ジュースの入ったグラスを片手に持っいる。リサは普段から、そんなに沢山食べる方ではないらしい。コリートも人並みには食う方とのこと。そんな2人から、何だってこんなが産まれてきたんだろうか?何とも不思議な話だな…


 等と考えてても仕方ない。俺等も宴会を楽しむこととした。

 宴会は、バイキングスタイルだ。皆が皆、好きな品々を選んで、皿によそって食べる。料理は会場の端の、調理スペースで料理人達が調理し、出来立てを提供してくれる。

 このスタイルは、俺的にも有り難かった。バイキングなら、マナーとか気にする必要性は殆ど無いからだ。気兼ねなく楽しめる。

 肉のコーナーにて。

 香ばしい匂いが、辺りに充満している。

 

 「お~肉の焼ける、いい匂いだな!」

 「よっ、タイガー!」


 端の調理スペースにいる料理人達。その中の1人が、船のコック、ゴンザレスだった。

 船での姿と違い、小綺麗な調理着を着て、コック帽を冠っている。


 「何だよアンタも作る側かよ⁉」

 「ハハハ、俺は作ってる方が、性に合ってるんでな!それはそれとして、食うか?」

 「おうよ!ステーキを頼むぜ!」

 「焼き加減は?」

 「ミディアムで頼む。」

 「あいよ!」


 ゴンザレスの焼いたステーキ。焼き加減も味も、共に1級品だった。1切れ1切れ味わ出て食った。

 そして最後の1切れにフォークを伸ばす。

 すると!


 「もらい!」


 レオが一瞬の内に、自身のフォークを最後の1切れを突き刺し、盗って行った。獲物を奪い取る獣の様に鮮やかで、素早い早業だった。

 

 「あっレオ!お前また…!」


 叫び切る前に、レオのヤツは、人混みの中へと消えて行ってしまった。

 本当に、しょうがないやつだな…

 まぁ、宴会を楽しんてるみたいだし、良しとするかな…


 「ん~甘~い!♡」


 リリーナも、デザートのコーナーで、好物の甘い物に舌鼓を打っている。

 横にはリサとローラもおり、おしゃべりしながらデザート類を美味そうに食べている。

 

 他の所でも、ケビンやメットが楽しそうにやっている。

 酒場の店主のスティーブは、酒を飲まない俺は行かないが、酒のコーナーでカクテルを作っている。


 皆思い思いに、宴会を楽しんでいる。まぁ宴会というより、パーティと言ったら方が良さそうだが、細かい事は気にしない。

 そんな最中、進行役のような人物が現れ、皆の視線を集めた。そして、


 「それでは、本日のショー・タイム‼」

 

 と言うやいなや、ゴツい男が数名現れた。

 彼等の姿は、先程入り口付近見た、オッタマゲ大王の姿に似ていた。

 但しコチラは槍でなく、長さ1m位の棒を待っている。

 そして徐ろに、ステージ端から小さめの松明(たいまつ)の様な物を持った、アシスタントらしき女性が出て来て、彼等の棒の両端に火を付けると、そのまま退散した。

 そして彼等は、両端に火の付いた棒を豪快に回しだした。気付はステージの端に太鼓等の打楽器を演奏している人がいた。彼等の演奏に合わせ、踊る男達。

 それを見て俺は、


 「そうだ。そうだよ、コレだコレ‼」


 俺は何か1つ、忘れてるような気がしていた。そして今、気が付いた。

 そう俺は、ファイヤーダンスを見たかったのだ。俺はハワイと言ったら、白い砂浜と並んで、ファイヤーダンス!というイメージなのだ。

 昔テレビで見てから、本場のファイヤーダンスを、1度でいいから生で見てみたいと思っていた。

 それがこうして、叶ったのだ。なので、感動もひとしおだった。

 ステージ上で繰り広げられる豪快なファイヤーダンス。会場も大盛り上がりだった。

 食うのに一生懸命なレオ1人を除いて…


 ダンスのおかげもあって、宴会は大いに盛り上がった。おかげて島での最後の夜を皆が思う存分、満喫することが出来たのだった。

 そして翌朝、島を離れる時が訪れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ