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その頃

 一方、タイガーとテツがマリーの店を出た後。


 「ほらリリーナ。召し上がれ。」

 「わー美味しそう。いただきます!」

 

 タイガーとテツがラーメン屋に行った後、マリーの店に残ったリリーナは、マリーに新作パンケーキの試食を頼まれていた。新作は、2枚のパンケーキで甘いペースト状の物を挟んだものだ。


 「どうだい、リリーナ?味の方は…」

 「うーん、物凄く美味しいは、マリーのさん。」

 「そうかいリリーナ、そんなにいけるかい?」

 「ええ!でも、パンケーキが少し厚すぎるかな?後、ペーストも硬さが足りなくて切り分ける時に少々崩れて食べづらいかな…」

 「なるほどね、まだまだ改良が必要みたいだね。」


 と言いながらマリーはリリーナのコメントから改良点をメモした。メモし終えるとマリーは話を変えて来た。


 「ところでリリーナ、あんたタイガーの事どう思ってるんだい?」

 「⁉マ、マリーさん!なにを急に…」

 「だってあんた、彼と随分仲良さそうにしてるし、もしかして気があるんじゃないかい?」

 「べっ、別にそんな気持ちなんて…ただ、タイガーさん色々困ってるみたいで、ほっとけなかっただけで、その…」

 

 リリーナは言葉を詰まらせた。それを見てマリーは、


 「リリーナ、あんたは数年前に両親を失くしてから一人で働き、暮らしてきた。でも、流石に女一人じゃ何時までもやっていくのはきついだろ。そろそろ誰か相手を見つけてさ、人並みの幸せを掴んだ方がいいとあたしは思うよ。」

 「マリーさん…でも、相手の事も考えないと。一方的に思っても相手に気が無ければ成立しないし…」

 「でも、タイガーならね、彼もまんざらでもなさそうだよ?」

 「…タイガーさんは記憶無くしていて、今は一人で頑張ってるから、それどころじゃ無いだろうし…」


 リリーナは再び言葉を詰まらせた。少し間を開けてから、


 「とにかく、そういう話は今は無し。私、明日早いんで失礼します。タイガーさんが戻ったら、先に帰ったと言っといて下さい。」

 「そうかい。リリーナ気を付けるんだよ。」

 「ええ、さよなら。」


 そう言うと、リリーナは家に帰っていった。マリーはリリーナの後ろ姿を見送った。外は暗くなっているが、月明かりのおかげランプ無しでも歩けるし、この辺は治安はいい方だから大丈夫だろう。


 「タイガーさんかっ…」


 リリーナは家路を急ぎながらも、マリーに言われたことを度々思い出していた。口ではああ言ったが、リリーナは自分の気持ちなのに、上手く言い表せないのを感じていた。そして無事家に到着し、翌日に備え、就寝した。


 


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