レジャー
酒場で俺は、スティーブにあるアイデアを提供した。
そのアイデアを聞いたスティーブは、
「ダメで元々だ。1度やってみるかな⁉」
と言って、早速その日から取り入れた。
結果はすぐには出ないので、この日はそれで店を後にした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その日の翌日。
この日俺等は、島のビーチで遊んでいた。
パチャパチャ!
「きゃ~!」
「ひゃっほ~!」
ローラとレオが波打ち際で遊んでる。
ローラは船乗りの子なのもあってか、泳ぎは得意らしい。
対して、山育ちなので全く泳げないレオ。ジョウの店に入る前に溺れかけた事もあってか、最初は海に苦手意識があったようだが、
「それー!」
「きゃっ、やったな〜それ!」
すぐに慣れて今は、ローラと水のかけっこをして楽しんでいる有様だ。
「全く、順応の早いやつだな!」
「ですね!」
2人の近くで俺とリリーナは、遊んでいる2人を見守っている。俺は少しは泳げるが、リリーナは泳ぎは苦手なので、こうしている。
「しかし…」
「!どうしました?」
「イヤなんでもない(リリーナ、けっこうスタイルいいな…」
俺は少々、目のやり場に困った。
そう、俺の側のリリーナは水着姿だ。当然、俺もだが…
俺等も水着を着ている。
「折角、リゾート地に来たんだから、水着位着ないと!」
的なノリで、俺等も水着になってみた。場所がらアチコチで売っていたので、その中から気に入ったのを買った。
勿論、試着と財布の中身に相談して…
で、水着になって気付いた。リリーナ、中々のスタイルだ。出会ってから今まで、水着姿は初めてだ。
普段の彼女は、露出の少ない服を着てるし、当然裸なんて見たことないから、分からなかったのだ。
それは置いといて、レオ達の見守りをしつつ、俺等も海と戯れたのだった。
更に翌日、今度は山の方に行った。
この島は、中の方が山になっている。なので、海のレジャーだけでなく、山のレジャーも楽しめるのだ。
ここは、その山の中の渓流。
ピクピク!グッ!
「おっ、きたきた!」
「アタリか⁉」
「ああ!」
その直後、釣り竿を上げた。釣り糸の先の釣り針には、イワシくらいの大きさの川魚がかかっていた。
釣り上げたばかりなので、元気に跳ね回っている。
「船長、網を!」
「おう!」
釣り上げた川魚をコリートが網で受けた。
「よーし3匹目!ほんとよく釣れんな!」
「言ったろ⁉ココは穴場だってな!」
コリートが釣りた川魚をバケツに入れた。川とは比べものにならないくらい狭いバケツの中で、釣った川魚が泳いでいる。
今日はコリート親子、そしてケビンと共に、この渓流に来ている。
で、今は釣りを楽しんでいるわけだ。
リリーナにリサ、レオとローラの4人は、近くでしている。
正確に言えば、釣りをしてるのはリリーナとリサの2人で、レオとローラは足を川に浸けて見物している。
この川は、途中からいきなり深くなっているらしく、危ないので、今日は泳ぎはしないことにした。
「釣れた!うわっ、ピチピチしてる…」
「当然よリリーナちゃん!今の今まで、川の中を泳いでたんだもの!」
「そうだよ、リリーナお姉ちゃん!調理された状態で泳いでるわけないでしょ⁉」
「いや、それは分かってるけど…」
「ふふふ!」
向こうは向こうで、和気あいあいと釣りを楽しんでいる様子だった。
皆で釣りを楽しんだ結果、全員合わせて、結構な量の川魚が採れた。大漁だった。
「そんじゃあ、焼くぞ!」
ジュ~‼
ケビンがバーベキューコンロに火を付けた。
いい匂いが辺りに広まる。釣れた川魚と、持ち寄った肉や野菜でバーベキューを開始した。
「ん〜うめ~!」
川魚は採れたての新鮮なので、軽く塩をふるだけで美味かった。肉や野菜も、十分美味かった。
ガッガッガッ!
「レオくん、そんなにがっつかないで、ゆっくり食べて!」
串に刺さった肉・野菜を貪るレオと、注意するリリーナ。もう完全に、見慣れた光景だ。
その横でローラは、品よく食べている。が、早くも既に5本目に突入している。
「ガハハハハ‼山の中で飲む酒がまた格別だな!」
「あなた、ホドホドにしときなさいよ⁉」
「おっ、おうよ…」
「相変わらず、リサちゃんには頭上がらねーんだなコリート!」
「うっせー!」
コリート・リサ・ケビンも楽しくしている。
そんな皆の姿を見ながら、俺は近くの岩に腰を下ろし、串に刺さった肉をひと噛じりした。
皆でバーベキューするなんて、前世でもしたこと無かった。なので、とても新鮮だった。
「いいもんだな!」
と、しみじみしていると、
「タイガー、食わねーのか?食わねーなら貰うぞ!」
そう言うや否や、レオが俺の串を引ったくっていきやがった。
まだ肉を一口しか、食ってないのに。
「こらレオ!俺んだぞ‼」
文句言うも、レオは速攻で串に刺さった、残りの肉かじり始めていた。
「たく!」
「も~レオくんたら!」
呆れ声の俺とリリーナ。
「しょうがないやつだな…」
と思いながらも、不思議と悪い気はしなかった。
それからデザートに、川で冷したスイカと様々なフルーツを食った。
スイカは地球の比べると若干、皮の模様が異なったが、中の見た目と味は、ほぼ同じだった。
他のフルーツも、瑞々しくて美味かった。流石、南国といったところか!
間もなく、日が暮れてきた。楽し事は、時が経つのを早く感じさせる。
ここには、ナイター設備なんて物は無いので、暗くなる前に帰った。
勿論、火の始末と後片付けは忘れずにな!
こうして、この島の2日目の夜を迎えた。