1ヶ月のサバイバル生活始まります4
-16日目-
「なんだ?」
夜、俺は違和感を抱いた。
いつもなら罠に引っかかった声とかで場所を特定するのだが、今回はどこもかかっている様子がない。
「・・・確認してみるか」
もしかしたら罠に引っかかっても声を出していないのではと考えた俺は罠が仕掛けられているところへ向かおうとした時、炎の弾が俺に向かって来た。
「なっ!?」
俺は炎の弾を避けると、拠点へと戻る。
拠点の方へと戻って来ると、炎の弾が襲って来ることはなかった。
「なんで来ないんだ・・・まさか!」
俺は試しに拠点から離れる。
すると炎の弾が俺に向かって来る。
「気づかれた・・・!」
俺は避けながら呟いた。
「なるほどな。慧音が言っていた通りか」
罠がないところにいた妹紅は呟いた。
俺が作った罠。
これを設置したのはあらゆるところから拠点が見えるところ。
今回のやり合いから相手が夜目利くのはわかった。
だから、どの場所で俺の拠点が見えるのかを朝方色々な場所から確認して、俺の拠点が見えるところには可能な限り罠を仕掛けていた。
だから、相手が拠点に居る俺を見たときは必ずと言っていいほど罠にかかっていた。
しかし、俺もあらゆる場所から拠点が見えるところまでは確認していたが、拠点以外の場所は確認していない。
今回は向こうに同じ作戦を使われたわけだ。
「向こうに頭がいい人がいるか、はたまた流石に気づいたかだが・・・」
それのどちらかなのは間違いないな・・・
俺が拠点に居る間は炎が向かって来ることはなかった。
-20日目-
「はぁ・・・」
朝、俺は拠点に横になりながらため息をした。
罠のある場所を把握されてから向こうも罠を壊して拠点にいても襲撃を受けるようになった。
相手に罠は通用しない。
それにもう20日になるのにまだ相手の姿がわからない。
さらに、俺が最も問題にしていることは・・・
「たけのこ・・・飽きた・・・」
20日もたけのこだけで過ごしている。
「はぁ・・・」
俺はまたため息をした。
日が暮れて夜になる。
俺は拠点に横になったままだった。
-21日目-
「ん・・・」
朝になり目が覚める。
夜に襲いかかることがなかったのか、何事もないように起きた俺。
「はぁ、腹減ったな・・・」
ただ、たけのこはもう食べたくない。
俺は川へと向かうと、川に沿って歩き始めた。
ちゃんと拠点に戻れるように、途中で竹の棒を何本か刺しながら進んでいた。
「はぁ・・・魚がいない・・・」
どれだけ進んでも川の水位が変わらなく、魚がいる気配はなかった。
そろそろ日が暮れる。
本当は帰った方が良いのだが、俺は暗くなるまで探すことにした。
夜、俺は暗い中、地面に刺した竹の棒を頼りに拠点へと引き返していた。
あれから暗くなるまで川に沿って歩いていたが、魚の姿はなかった。
「はぁ・・・」
こうなるなら少しでもたけのこでも採っておくべきだったかと後悔しているが、それでもやはりたけのこを食べる気にはなれなかった。
「ったく・・・!ここはたけのこしかないのかよ・・・!」
だんだん苛立ちが芽生え出してきた。
しかし、苛立っても仕方がない。
俺は拠点へと向かって歩く。
「っと!」
途中で足を踏み外し何度も膝をつく。
「・・・明日はたけのこでも食うか」
おそらく空腹で身体が思うように進まないのだろう。
「はぁ、せめて調味料でもあれば味が変わって食べられるのにな・・・」
これを終えたら何を食べよう・・・
とにかく米か麺類を食べたいと思った俺だった。
ただ、あと9日・・・
たけのこだけで生活できるのか?
そう思っているうちに拠点へと近づいたようだ。
拠点付近の場所を教える石で囲んだ竹の棒が地面に刺さっていた。
「はぁ・・・やっと着いた・・・」
そう言ったのも束の間、目の前から炎の弾が襲ってきた。
俺はそれを避けることが出来ずに炎の弾に当たる。
炎の弾を受けて倒れた俺だったが、熱や痛みは感じても、身体に炎が燃え移ることはなかった。
ただ、空腹と今日の歩き疲れもあったのか、身体が思うように動かせない。
「あ~、くそ・・・」
もう動かない以上仕方がない。
俺はその場で目を閉じた。
ガサッ
目を閉じている岳に妹紅が近づいて来た。
妹紅は、岳の近くで止まった。
「どうした?もう終わりか?」
妹紅が語りかける。
「・・・」
岳は答えなかったが、
ぐうぅぅぅ
岳のお腹が代わりに答えた。
「なんだ、腹減って動けなかっただけか」
そう言うと、妹紅はその場を後にした。
-22日目-
俺はいい匂いがして目が覚めた。
「何だ?」
起きると、俺は拠点で寝ているのに気付いた。
そして、側におにぎりと味噌汁が置かれていた。
俺はそれを見ていると、近くに手紙が置かれているのに気づく。
それを手に取ると、手紙には『食べろ』と書かれていた。
俺は置いてあった箸で味噌汁が入っている器を持つと口に運んだ。
「・・・美味い」
冷めていたがそれでも美味しいことには変わりない。
俺は味噌汁を平らげると、おにぎりも口に運んだ。
やばい・・・涙が流れてきた。
俺は目を擦りながらおにぎりを口へと頬張った。




