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二次創作 東方project 神隠しに遭った青年  作者: 零月
第一章 神隠しに遭った青年編
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1ヶ月のサバイバル生活始まります2

「大丈夫か?慧音」

蹴り上げた足を地面につけた白髪で赤のもんぺを着用している少女は2本の角を生やした女性に聞く。

「妹紅・・・あなた・・・」

慧音は立ち上がると妹紅に振り返る。

「何してるんだ!今の一撃で彼にもしものことがあったらどうするつもりだ!」

「え?」

思わぬ言葉が返ってきて唖然としている妹紅を置き去りに、慧音は倒れている岳の元へと向かう。

そして倒れている岳を起こし、息があるかを確認する。

「・・・良かった。息はあるようだな」

とりあえず息があるのを確認して安堵の表情を浮かべる慧音。

「なぁ、慧音。知り合いか?」

後ろから妹紅が慧音に話しかけた。

「あぁ、彼が古郷 岳、神隠しで幻想郷に迷い込んだ外の世界の人間だよ」

「あ、コイツがね」

「とりあえず永遠亭に運ぼう」

慧音は岳を背負うと永遠亭へと向かった。

妹紅も後ろから付いて行く。

「慧音の評価聞いてちょっと会ってみたいとは思っていたけど、所詮アイツの色気に当てられた人間だったわけか。正直足蹴りしたこと後悔してないからな」

「妹紅、そんなこと言わない」

「だってよぉ、元々私はアイツの難問を手伝うこと自体気に入らないんだ」

「だったらやらなければ良かっただろ?」

「・・・まぁ、そうだったんだが、あの医者にそれなりの物も貰ってるから今更やめるなんてことできないんだよ」

「それは金に釣られる妹紅が悪い!」

「・・・」

「さぁ、着いたぞ」

慧音は岳を永遠亭に預けると永遠亭を出る。

門の前で妹紅が待っていた。

慧音と妹紅は永遠亭の門を出ると竹林の中を歩く。

「まぁ、これであの人間もアイツの難問をクリアできずに終わり。アイツが婚約するとか絶対にないだろ。あんな引きこもりニートを貰う方が大変だよ」

「岳さんそんな人に見えなかったけどな」

「それは慧音の気のせいさ。残りは何人だっけ?さっさと終わらせようぜ」



「・・・はっ!」

俺が目を覚ますと、そこは竹林の中ではなかった。

毛布が被さっていて、どうやらベッドの上のようだった。

俺はここに来るまでの経緯を思い出す。

「えーと、俺を襲ってきた妖怪と戦って・・・それで、竹の棒で叩きつけようとして、その後から・・・」

それにここはどこだ?

周りを見ると患者ベッドが数台置いてある。

「あぁ、ここは永遠亭か・・・」

俺がそう呟いた時、戸が開く音が聞こえた。

戸の開く先を見ると、鈴仙が入ってきた。

「あっ、目が覚めたんですね。良かったです」

鈴仙は俺が使っていたベッドの側にある椅子に座る。

「どこか体調が優れないとかないですか?」

「大丈夫。どこも問題ないよ」

「そうですか。良かったです」

鈴仙は微笑むと戸が開いた。

入ってきたのは永琳と輝夜だった。

「あら、あんなにかっこよく参加して2日でリタイヤなのね」

「良く言うぜ、妖怪なんて居ないって言ったくせによ」

クスクス笑いながら言う輝夜に俺も言い返す。

「あら、妖怪はいないわよ。岳があったのは人間よ」

人間?あれがか?

「は?じゃああの2本の角が生えていたのは何だよ」

「・・・どう言うこと?」

これには輝夜も怪訝な顔をする。

「あぁ、なるほど、昨夜は満月でしたね。確かに彼女は妖怪ですが、人間を食べたりとかするわけではないので大丈夫ですよ」

永琳が答えてくれた。

永琳は俺を襲ってきた者の正体を知っているのか?

「あぁ、アイツと一緒に手伝っているってわけね。まぁ、いいわ。ところで岳に聞きたいことがあるんだけど」

輝夜が俺に話しかける。

「なんだよ?」

「貴方、まだ続ける気はあるかしら?」

「続けるって・・・まだチャンスがあるのか!」

「えぇ。まぁ、今のところ全員が逃げ帰っているけど、岳はどうかしら?」

「・・・まだチャンスがあるならやらせてもらうよ」

俺は思い出した。

俺は竹の棒で叩きつけようとした時、何者かにフッ飛ばされたことを。

何者かは知らないが、アイツにやり返さないと気がすまない。

負けず嫌いがここでも働いた。

「・・・いいわよ。なら、早く竹林に向かいなさい」

「あぁ」

俺はベッドから起き上がると竹林へと向かった。



「なんだよ、まだアイツのこと諦めてないのか?あんなニートもらったところで辛い生活が待ってるだけだろうにな」

竹林へと入る岳を遠くから妹紅と慧音が見ていた。

「はぁ、次は私が岳さんの相手をするから妹紅は手を出さないでくれよ?」

「あぁ、いいよ。私はあの人間興味がないから・・・」

妹紅はそこで見る。

竹林に入る岳の目を。

「へぇ・・・慧音、気が変わった。あの人間は私が相手するよ」

「ちょっと、いきなりどうしたんだ?」

「あの人間、どうやら気付いたようだな。私にやり返したいらしい。なら私が相手をしてやらないとな」

「いいけど、加減をしてやれよ?彼はただの人間なんだから」

「はいよ。慧音は他の参加者を頼む」

「了解した」

「・・・なぁ、慧音。聞きたいことがあるんだけど」

「何だ?」

「昨日で満月が終わったからそんな変装してるのか?」

「仕方ないだろ?この間は普段の私の姿を岳さんや私を知っている参加者たちに見られるわけにはいかないからな」


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