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二次創作 東方project 神隠しに遭った青年  作者: 零月
第四章 それぞれの葛藤編
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干支探しです4

「ねぇ、お兄ちゃん。次はどこの干支に因んだ人を探そうか」

命蓮寺を出た俺にリアが尋ねる。

「そうだな・・・」

まず思い浮かんだ所に向かうのが良いだろう。

干支に因んだ者で思い浮かんでいるのは今のところ卯年、辰年、巳年、酉年、戌年だ。

俺はそれをリアに説明する。

「兎と竜と蛇と鳥と犬?」

「あぁ、まず卯年はてゐだろ?辰年は美鈴さん、巳年は神奈子様、酉年はミスティアで戌年は椛かなって思ってる」

「確かに似合うかも!でも、何で辰年は美鈴さんで、巳年は神奈子さんなの?」

「美鈴さんは中華な雰囲気が竜をイメージさせる感じで、確か神奈子様は蛇と関係があるって聞いたような気がするんだ」

「そうなんだ〜。それじゃあまず近くにある紅魔館から向かった方が良いかもしれないね!」

「そうだな、先に紅魔館に行くか」

俺たちは紅魔館へと向かった。

しかし、残りをどやって見つけるべきだろうか。

紅魔館へ向かいながら俺はそう考えていた。

紅魔館に着いた俺とリアは早速美鈴の姿を見つけた。

門の前で眠っているのだろうと思ったが、今日は違った。

門の前でチルノと大妖精と会話していたのだ。

「あ、チルノちゃんと大ちゃんだ!」

紅魔館へと到着したリアが3人の元へと駆け寄っていった。

「ん?お!リアじゃないか!」

「ここで何してるの?」

「美鈴さんとお話をしていたんですよ」

リアがチルノと大妖精と会話している間、俺は美鈴へと話しかける。

「あけましておめでとうございます。美鈴さん」

「あけましておめでとうございます。お嬢様に御用ですか?」

「いえ、美鈴さんに用が」

「私にですか?どのような御用でしょう?」

俺は美鈴に用件を伝えた。

「なるほど!干支の辰年に因んだ者として私を選んだわけですね!良いですよ!私でよろしければ!」

事情を説明された美鈴は何故か嬉しそうに答えた。

「なんだか嬉しそうですね・・・」

「はい!辰年といえば竜!かっこいいじゃないですか!」

どうやら美鈴は受け入れてくれるようだ。

「リア、美鈴さんは構わないって」

「え?本当?やったぁ!」

「ん?何かあったのか?」

チルノと大妖精に、リアがここに来たわけを説明した。

「へぇ、そんなのがあるのか!あたいもエトの中に入りたい!」

「え?え〜と・・・」

リアが困ったようにこちらを見る。

「すまないなチルノ。今回は干支の動物に合った人妖を探しているから、正直チルノは当てはまらないんだ」

「え〜!!あたいも当てはまるものあるぞ!」

チルノが言うが、何かあっただろうか・・・

「例えば何があるんだ?」

「う〜ん・・・」

何やら考えているチルノはしばらくして口を開いた。

「あれだ!チルノだ!」

『・・・』

俺たちはチルノの言葉に唖然とした。

この妖精は何を言っているのだ?

「チルノちゃん・・・何言ってるの?」

「だってエトって凄いんだろ?ならあたいは凄いからな!だからチルノ!つまりあたいだ!」

『・・・』

皆何を言ったら良いのか、何も言葉が出なかったが、俺はしばらくして頷いた。

「わかった。チルノ、お前は干支の中で馬に合うな」

「え?馬?」

リアはチルノを見るが訳がわからないように首を傾げた。

「あたいがエトになったんだな!流石あたいだ!」

チルノは選ばれたことに喜び、大妖精はそのチルノを落ち着かせようとしていた。

「あの・・・どうして彼女が干支の馬に選ばれたのですか?」

リア同様訳がわからないのか美鈴が尋ねてきた。

「ま、チルノがあれなので。よし、リア、次の人を探しに行こうか。美鈴さん、チルノ、大ちゃん、それじゃあ」

「え?うん!みんな、またね」

先に飛んで行った俺に続いてリアも飛んだ。

「・・・」

俺は飛びながらチルノを馬に選んだことについて思っていた。

チルノ・・・あいつはやっぱり・・・"馬"鹿なんだよな・・・

少々無理矢理感あったが、これで辰年と午年が決まった。

あと8人だ。

「ねぇ、お兄ちゃん。次はどこに行くの?」

「そうだなぁ・・・。次は守矢神社に向かうか。神奈子様がいるだろうし、妖怪の山にあるから椛とも会えるしな」

やはり思い浮かんだところから向かうのが良いだろう。



俺とリアは守矢神社に到着した。

やはり時間帯なのか、ここも命蓮寺同様人の姿がなかった。

「神奈子様は居るかなぁ?」

俺は守矢の戸を叩くが、中から反応がなかった。

「居ないみたいだね?」

「神奈子様ー。諏訪子様ー。早苗ー。居ませんかー?」

声をかけて戸を叩いてみたが、やはり反応がなかった。

「居ないみたいだな」

「そうみたいだね」

仕方ない。居ないようならまた出直そうと思い、リアと飛ぼうとした時、1人の少女がこちらに向かってくるのが見えた。

「あれは・・・諏訪子様か」

「ん?おーい、岳にリア。どうしたんだい?早苗なら博麗の巫女たちと羽根つきをしに行ったぞ?」

こちらに気づいた諏訪子が境内に降りながら説明した。

どうやら早苗は霊夢たちと羽根つきをしているようだ。

今回は早苗ではなく、神奈子に用があるので俺は神奈子の行方を尋ねた。

「神奈子?あいつなら地底にいるぞ?」

地底とするなら管理センターか。

「ん?まてよ?」

俺は思い浮かんだことがあった。

「どうしたの?お兄ちゃん」

「いや、もし神奈子様が管理センターにいるなら、多分お空も一緒にいるだろ?お空は烏だから干支の酉年に合うんじゃないかと思ってな」

酉年はミスティアにしようと思っていたが、空でも合うかもしれない。

「あ!本当だね!」

「よし、それなら早速向かうか」

「うん!」

俺とリアは地底へと向かおうとしたが、それを諏訪子に止められた。

「おいおい、話が見えないぞ?さっきから干支の酉年とか何を言っているんだ?今年は丑年だろ?」

「あぁ、諏訪子様。実はですね・・・」

俺は諏訪子に今行っていることについて説明した。

「なるほどな。なら、私が巳年に因んだ者として認定してもらっても良いぞ!」

「え?どういうことですか?」

諏訪子は蛇よりも蛙の方が似合うと思うのだが・・・

「私は遥か昔はミシャクジとして君臨していたんだぞ。ミシャクジは知ってるだろ?あれは大蛇の姿でイメージされているからな。つまり、私にも巳年は合うってわけだ」

「ミシャクジ・・・」

名前は聞いたことあるが、詳しく分からない俺の横でリアが口を開いた。

「確かミシャクジ様って呼ばれる土着神で、祟り神の一種だったよね?確かに蛇に似てはいるけど・・・あの頭は蛇なのかな・・・?あれって・・・」

「おおっと!?リア!ストップだ!!それ以上は言わない方が良いぞ!」

「むぐっ!?」

諏訪子がリアの口を塞いで話せないようにした。

「ったく・・・なんでリアがここまで詳しいんだ?岳が教えたのか?」

リアがこれ以上話さないのが分かったのか、口から手を離しながら諏訪子が俺に尋ねる。

「いえ、俺も名前くらいしか知らなかったので・・・リア、何でそこまで詳しいんだ?」

「え?う〜ん・・・急に頭の中に思い浮かんだの。何でか分からないけど・・・」

「・・・」

書物で読んで知ったのか?

それとも、ヴィクトリアの記憶が頭の中に浮かんだのだろうか。

魔王としての彼女なら神について知っていても何ら不思議ではない。

しかし、俺との契約の時に記憶は消えているはずだ。

もしかして、一度契約が切れた事が原因なのだろうか。

「ま、ともかくだ。私は巳年に合うってことで、どうだ?神奈子の所に行くよりは良いんじゃないか?」

「う〜ん・・・まぁ、俺としては蛙のイメージが強いですけど、リア、どうする?」

「お兄ちゃんが良ければいいよ。私は諏訪子さんも合うと思うし」

リアの了承も得たので大丈夫だろう。

「リアも良いって言ってますので、それじゃあ、よろしくお願いしますね。諏訪子様」

「おう!どんと任せとけ!巳年になったら私が真っ先に幻想郷で大暴れしてやるよ!」

「一体何をするつもりですか!?」

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