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二次創作 東方project 神隠しに遭った青年  作者: 零月
第三章 魔人になった青年編
202/239

元に戻りました?【前編】5

岳たちが境内へと戻ると、藍たちがいる所から爆発音が聞こえた。

「藍様・・・」

「大丈夫だよ。俺たちは彼女たちを信じよう」

岳が橙に言うと、彼女は頷いた。

「それにしても、何で俺たちを襲って来たんだ・・・」

『く!・・・っ!』

「っ!?」

微かに聞こえた声に岳はスマホを取り出す。

どうやら通話はまだ繋がっていたようで向こうから霊夢の声が聞こえて来ていた。

岳はすぐにスマホを耳に向けた。



『霊夢!』

しばらく返事が返ってこなく、爆発音が聞こえた後、岳の返事が返ってきた。

岳の声に霊夢は安堵を浮かべたが、すぐに状況を尋ねる。

「岳!そっちで何かあったの!?」

『あぁ、華扇って人がいきなり襲ってきて、今藍さんとチルノたちの先生が戦っている!』

やはり、打ち出の小槌の魔力の影響だろう。

何が何でも早く解決しなければいけない。

そこで考えたのは魔理沙と針妙丸の2人に欠片を探してもらい、自分は旧都に向かい鬼たちの被害を食い止めることだった。

しかし、博麗神社の方も心配である。

そう思って博麗神社に戻るべきかと考える霊夢に、スマホから岳の声が聞こえてきた。

『俺も実際に今のヤバイ状況が理解出来た。俺にはどうやって解決したら良いかわからない。でも、霊夢は違うんだろ?俺は俺に出来ることをする!だから、霊夢は霊夢にできることをしてくれ!』

その言葉で霊夢の気持ちは決まった。

「わかったわ!アンタも無茶だけはしちゃダメよ?」

『何、無茶なんてしないさ。俺にできることは限られているからな』

霊夢は笑みを浮かべると通話を切った。

「霊夢!岳は大丈夫なのか!?」

「えぇ。大丈夫よ」

霊夢は答えると、魔理沙たちを見る。

「魔理沙、針妙丸、貴女たちは打ち出の小槌の欠片を探して!私は旧都に向かうわ」

「わかったぜ!」

「はい!」

霊夢たちが行動に移そうとした時、目の前にスキマが開くと、紫が出て来た。

「何?」

「霊夢、欠片を集めるのは彼女たちに任せなさい」

紫がスキマから出てくるとそれに続き2人の少女が現れた。

1人は文であり、もう1人は1本の角と狛犬のような耳をした少女だった。

「アンタ、あうんじゃない!」

「霊夢さん、お久しぶりです!」

高麗野(こまの) あうんは霊夢に頭を下げる。

「彼女は神仏を見つけ出す程度の能力があるらしいわね?打ち出の小槌の欠片も見つけられるんじゃない?」

「そうか!あうんの能力で欠片を効率よく集めるってことか!」

「はい!お役に立てて光栄です!」

「私は彼女を連れて幻想郷を飛び回るってことですね」

「えぇ、私が行った方が早いのだけど、私は今回の異変について情報を得る必要があるのよ。貴女は私と来なさい」

紫は針妙丸を見る。

針妙丸は頷いた。

「紅魔館の方も吸血鬼が暴れているわ」

「わかったぜ!私が行くぜ!」

魔理沙はそう答えると箒に跨る。

「じゃあな霊夢。次会うときは異変を解決したときだぜ!」

魔理沙は紅魔館の方へと向かっていった。

「それじゃあ私たちも行きますよ」

「はい!お願いします!射命丸さん!」

文はあうんを連れて空へと飛んでいった。

「それじゃあ霊夢、頼むわね」

紫はそう言うと針妙丸と共にスキマの中へ入って行った。

「異変を解決した時・・・か。そうね」

霊夢も空を飛んで行った。



「くっ・・・!」

旧都では、空が苦しそうな表情を浮かべていた。

身体は傷だらけであり、足がふらつきながらも右手につけている多角柱の制御棒で自分の身体を支えた。

「はぁ・・・はぁ・・・」

空は後ろを振り返る。

そこには倒れているさとりと燐が居た。

この2人を守るためにも空は何がなんでも立ち上がる必要があった。

「っ!?ガッ!?」

前を向いた直後、目の前に立った何者かが放った拳に空はフッ飛ばされて地面を転がる。

「うっ・・・」

空は立ち上がろうとしたが、今受けた痛みが酷いのか立ち上がれなかった。

空は前の敵を見る。

そこに居たのは長くねじれた2本の角が生えた鬼と赤い1本の角が生えている鬼だった。

萃香と勇儀である。

「「・・・」」

2人は何も言わなかったが、身体を赤紫色のオーラのようなものが覆っていた。

その2人が空に向かって歩いて来る。

「うっ・・・」

立つことができない空に2人が迫り・・・目の前に2人の影が降り立った。

空は萃香と勇儀とは違う2人の影を見る。

1人は白と黒のゴスロリ風のドレスを着た僧侶。

もう1人は尖った獣耳のような髪に耳当てをした聖人。

「まさか貴女も居るとは・・・」

「不穏な気配を感じた先は同じと言うことだな」

白蓮と神子は萃香と勇儀を見る。

「何かに操られているのは間違いなさそうですね」

「野良妖怪だけではなく地底では鬼たちも暴れているようだ。屠自古と布都が抑えているがどれくらいもつか・・・」

「あら、ウチの者も抑えておりますよ?」

「なんだと?」

白蓮と神子は睨み合う。

「屠自古と布都が抑えているのだ!」

「ウチの者が抑えているのです!貴女の者と違って優秀ですからね!」

「そうか。でも主がダメでは意味がないな」

「言うじゃないですか。では決着をつけますか?」

「やはり私と貴女は相容れないようだな」

睨み合う白蓮と神子に萃香と勇儀が拳を振るが、2人はそれを防ぐと鬼たちをフッ飛ばした。

「・・・決着は後でつけると言うことで良いですか?」

「いいだろう。まずはこの2人を抑えるとするか」

白蓮と神子は頷きあうと萃香と勇儀に向かっていった。



紅魔館では咲夜、美鈴、パチュリーがレミリアとフランを相手にしていたが、彼女たちの弾幕に苦しめられていた。

「フランはともかくレミィ、貴女は加減ってのを知らなかったのかしら・・・!このままじゃ紅魔館がなくなってしまうわよ!」

パチュリーの弾幕とレミリアの弾幕が空中で激突する。

しかし、レミリアの弾幕に押されていく。

「くっ・・・!やはりレミィの方が上ね・・・!」

「パチュリー様!っ!?」

パチュリーの方を見た咲夜にフランの弾幕が当たる。

「咲夜さん!?」

「っ・・・!大丈夫よ」

当たる寸前に時間を止めたのだろう咲夜が美鈴にそう答えるが、完全には避けきれなかったのか左腕を押さえていた。

「それよりパチュリー様が」

「心配するのは分かりますが、こちらもその余裕はありませんよ!」

美鈴の言う通り、フランは攻撃の手を休めない。

今も弾幕を放つフランに対し、咲夜たちは避けることしか出来なかった。

「くっ・・・!これ以上は・・・!」

レミリアの弾幕にパチュリーは弾幕を放つのを止め、回避行動をとる。

間一髪で弾幕を避けたパチュリーだが、元々運動をしないからか、息を切らしていた。

「はぁ・・・はぁ・・・私は元々動ける身体じゃないのに・・・」

パチュリーは前を見る。

前にいたはずのレミリアの姿が消えていた。

「っ!?」

気付いたら、パチュリーの後ろにレミリアが居た。

手にはレミリアが使う朱色の槍が握られている。

「「パチュリー様!?」」

咲夜と美鈴の声が聞こえる中、レミリアがパチュリーに向かって槍を放つ。

「あぁ・・・これは・・・ダメね」

パチュリーが覚悟を決めた、その時、空から金色の柱が降ってきた。

「っ!?」

レミリアに降った金色の柱は、よく見るとレーザーであるのがわかった。

「この技は・・・まさか!」

パチュリーは空を見る。

そこには箒に乗っている魔理沙の姿があった。

「無事か!パチュリー」

「全く・・・本当に良いタイミングね。惚れてしまいそうだわ」

「ん?なんか言ったか?」

「なんでもないわよ!」

「そうか」

魔理沙は下を見る。

下にはレミリアの姿があった。

レーザーは直撃したはずだが、効いていないように見える。

「おうおう、タフだな」

そう呟いた魔理沙にレミリアが弾幕を放つ。

魔理沙も弾幕を放ち、2人の弾幕が空中で激突した。

「弾幕はパワーだぜ!パチュリー、ゆっくり休んでいいぞ。元からスタミナないんだからな。ここは私に任せとけ!」

「えぇ、任せるわ。でも、フランもいるから咲夜と美鈴を手伝わないとね」

「それなら心配ないぜ」

魔理沙はフランがいるところを見る。

そこにはフランと弾幕勝負をしているアリスの姿があった。

「アリスも居るから任せとけって・・・うわっ!?」

レミリアの弾幕が魔理沙の側を通り抜けた。

魔理沙の弾幕にレミリアの弾幕が競り勝ったのだ。

「チッ!まさか力で圧されるとはな・・・!こりゃあ1人じゃ厳しそうだぜ・・・」

空を飛び、こちらに向かって来るレミリアを見て呟く魔理沙の隣にパチュリーが立つ。

「もう、さっきまで格好良かったのに・・・。見てられないから助けてあげるわ」

「ヘヘッ、すなんな。頼むぜ」

魔理沙とパチュリーはレミリアに向かって弾幕を放った。

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