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二次創作 東方project 神隠しに遭った青年  作者: 零月
第一章 神隠しに遭った青年編
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プロローグ2

「ここではお前達の他にも別の部活動の人たちも利用している。施設内や部屋で騒ぐなよ。あと、ここから少し離れたところに小さな住宅地がある。そこにはスーパーもあるから必要な物はそこで買うように。ちょうどここまでの道のりは長い坂になってるからいいトレーニングにもなるしな。それじゃあ、今日は夕飯を食べて風呂に入って休め。練習は明日から1週間行う。以上、解散」

『はい!!』

俺たちは返事するとそれぞれの部屋へと戻った。

「いやぁ~。それにしてもバスの中の時間長かったな~」

「そうだな」

部屋は2人部屋で、俺は真と同じ部屋だった。

「飯何かな~」

「なんだったら嬉しい?」

「ハンバーグ」

「子供かよ」

「じゃあ岳、お前はどうなんだよ」

「う~ん・・・海老フライ?」

「お前だって子供じゃねぇか!」

「うるせぇよ!」

俺と真は高校からの友達だった。

幼い頃から友達はたくさんいたが、真みたいに剣道も好きな友達はいなかった。

もしかしたら俺にとって真は友達ではなく親友みたいなものかもな・・・とバカ話しながら思った。


-4日目-

「面っ!」

俺が振り下ろした竹刀が真の面の頭上に振り下ろされる。

「かあっ~!やっぱ強えな!」

「当たり前だろ?」

面を脱ぎながら話しかけてくる真に俺も脱ぎながら返事をした。

「なぁ、岳、ちょっと下のスーパーでなんか買っていかないか?」

「いいな。休憩がてら行くか」

ここでの練習は時間が9時~18時となっているが、途中で買い物や昼食などで抜けることができる。

俺と真はスーパーに向かった。

「何買う?」

「俺はジュースかな?真は?」

「俺も似たようなもん?あとは菓子とか。先輩達と夜駄弁ったりするかもしれないし」

「確かにな。ならジュースもデカイの数本買って行くか」

「いいな!それ」

俺と真はスーパーについて必要な物を買うと外に出た。

外に出て体育施設に戻ろうと歩いた俺はあるものを見て歩みを止めた。

それは看板に貼ってあった紙だった。

そこには大きな字で探しています!という文字が。

よく飼い猫や犬が見つからなくてこういった紙がコンビニなどに貼られていたのを見たことがある。

しかし、写真は猫や犬ではなかった。

写真に写っていたのは女の子だった。

公園の砂場で遊んでいたのを写真に撮ったのかそれが貼られている。

「どうした?」

真が歩みを止めた俺に気づいて話しかけると俺が見ていた紙を見た。

「行方不明ってことか?まだこんな幼い子なのにな・・・」

「あぁ・・・」

写真に写っている女の子はまだ小学生になったばかりのような年頃だ。

「しかも行方不明になってもう半年経ってんのかよ!」

真の言う通り紙には行方不明になった日付がしてあり、それは半年前だと言うことがわかった。

しかも、その紙は1つだけではなかった。

女の子の紙の隣にも似たような紙が貼られている。

その数6枚。

紙に載っている写真を見るに行方不明になっているのは女の子と同じ年頃の人だけではなく、高校生くらいの少年や俺らと歳が変わらないような女性、30代くらいの男性、70代の老人など年齢もバラバラだった。

「"神隠し"だよ」

俺と真の後ろからそんな声がして振り向くとそこには40代後半~50代くらいの男性がいた。

「は?神隠しってどういう?」

「半年前に行方不明になった女の子から連続5回。それもひと月1件という頻度でさ。私が幼い頃にこの山では"神隠し伝説"があったって聞いたことがあったけどまさか今頃になって起きるとはね・・・。これもあのスポーツ施設が出来てからかねぇ・・・」

男性は俺たちを見る。

「気をつけなよ。もしかしたら君たちの誰かが次の犠牲者になるかもしれないんだからね・・・」

男性はそう言うと去っていった。

「おっそろしい言うなよな・・・」

そう言う真は身体が震えていた。

「大丈夫だろ?神隠しなんて嘘だって・・・」

真はホラー映画など怖い話が大の苦手である。

それを知っているからこそ俺は真を安心させようとした。

「あ・・・あぁ、そうだよな・・・」

真は落ち着きを取り戻したが施設まで着いても表情は暗いままだった。


-6日目-

6日目の練習が終わり風呂に上がった俺たちが部屋で休んでいると先輩たちが部屋に入ってきた。

「よぉ!古郷!村岡!ちょいと付き合ってくれないか?」

「はぁ、飲みですか?でも真はともかく俺はまだ未成年ですよ?」

「いやいや、とりあえず外に来いよ」

そう言うと先輩たちは出ていった。

「何のようなんだ?」

「さぁ」

俺と真は外に出るとそこには先輩たち全員とヨシキまでいた。

「剣道部全員じゃないですか。何のようなんですか?」

「あぁ、今から剣道部皆で肝試しをしようと思ってな」

「えぇ!?マジですか!」

真が驚いたように声をあげた。

前にも説明したが、真はホラー映画や怖い話が苦手だ。

それは肝試しも苦手だと言うことも意味する。

「先輩、真はこう言うの苦手で・・・」

「あぁ、知ってる。ヨシキも苦手らしいからな」

先輩がヨシキを見るとヨシキが頷いた。

「ならヨシキ、何で断らなかったんだ?」

「えっと・・・僕も断ろうと思ったんですけど・・・」

「それが断れないんだよな~」

先輩が笑いながら言う。

「まぁ、とりあえずルール説明だ。まず、部員1人ずつ神社に行ってもらう」

神社?そんなものあったか?

「神社は住宅地に向かう際途中右側に獣道みたいなところあっただろ?あそこを登っていくと神社があるんだよ。俺は行ってきたからな」

俺の疑問を先輩が解決してくれた。

「で、だ。そこにお前らの竹刀を置いてきたからそれを持って帰って来い」

「「なっ!?」」

この言葉に俺と真は驚いた。

「もちろん取りに行かなかったら明日の練習で顧問に怒られるだけだからちゃんと取って来いよ」

「順番は後輩のヨシキ、真、古郷、中村、佐々木、俺、副部長、部長の順だ」

「部長・・・」

「すまん、俺も全く気づかなくてな・・・。まぁ、夏の思い出にって事で今回は大目に見てやってくれ」

俺から目をそらしながらすまなそうに言う部長。

俺は仕方ないという風にため息をした。

「それでは行ってきます!」

「いってらっしゃい!」

「ちびるなよ?」

「ちびりませんよ!」

まず最初のヨシキから神社へと向かっていった。

神社への道のりは獣道を5分ほど進んだ先にあると言う。

懐中電灯は持ってきてなかったのでスマホの明かりを頼りに行くとのことなので明かりが心許ないことこの上ない。


およそ15分かかってヨシキが竹刀を1本持って帰ってきた。

「頑張ったな」

「怖かったですぅ・・・」

「つ、次は俺か」

「村岡ちびるなよ?」

「ちびるかもです」

「おい!?」

ビクビクしながらスマホの明かりを頼りに真が歩いていった。

真はビクビクしながら行ったのだろう。ヨシキより5分ほど遅く、走りながら戻ってきた。

手にはちゃんと竹刀を持っている。

「村岡、頑張ったな!」

先輩達から肩を叩かれてホッと安堵したような表情をする真。

「よし、次は俺だな」

「頑張れ岳!」

「古郷!ちびれ!」

「ちびりませんって!」

そう言いながら俺は坂をスマホの明かりを頼りに降りて行った。


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