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二次創作 東方project 神隠しに遭った青年  作者: 零月
第三章 魔人になった青年編
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異変に大苦戦です!

「はぁ・・・はぁ・・・」

博麗神社の境内で霊夢は膝をついた。

その表情は疲れが見える。

息を切らしている霊夢は現在、起きた異変を解決するために行動しているのだが、今回の異変は霊夢の想像を遥かに超えていた。

霊夢は空を見上げて叫ぶ。

「もう・・・いやぁぁぁぁあ!!!」



この異変は霊夢だけでなく様々な実力者たちを苦しめていた。

「くそっ・・・この異変を甘く見てたぜ・・・!まさか、こんな・・・!」

魔理沙は自宅の中で倒れ込んでいた。

「くっ・・・!これ以上は・・・!」

紅魔館の中で咲夜は膝から崩れ落ちていた。

「も・・・もう限界です・・・」

白玉楼の中では妖夢が壁を背に倒れ込む。

「勘弁してください・・・」

守矢神社の中で早苗はへたり込んでいた。



「・・・」

疲労している彼女たちを異変を起こした何者かが見ていた。

彼女たちを苦しめている異変とは何か・・・

そして、異変を起こした黒幕とは・・・



それは12月に入ろうとしている幻想郷で、博麗神社の居間で霊夢が呟いたことから始まった。

「あ〜、暇ね」

霊夢がテーブルでだらけながら呟く。

「暇ならどっか出かけようぜ?」

「だらけているからそんなこと言うのですよ」

博麗神社にやって来ていた魔理沙や早苗が霊夢に返した。

俺はその3人に淹れたお茶を置いていく。

リアは寺子屋、華扇は人間の里で食べ歩きの為に不在の今、ここにいるのは俺と霊夢とやって来た魔理沙と早苗の4人だった。

「魔理沙の言う通りだぞ?暇ならどっか出かけたらどうだ?」

「出かけるって言ってもね・・・」

霊夢は俺が淹れたお茶を飲み、息を吐く。

「退屈なのよ。あ〜、何か異変でも起きないかしらね〜」

「・・・異変が起きないってのは平和って事じゃないのか?」

俺はそう返したのだが、魔理沙と早苗は違った。

「確かにな、魔王異変以降は大した異変も起きてないからな〜」

「あれだけやばいのが起こるのは勘弁ですけど、何か問題が起きて欲しいのは私も一緒ですね〜」

『はぁ〜』

「・・・」

3人揃ってため息を吐く彼女たちを俺は唖然として見ていた。

「そんなに異変が起きて欲しいってのは異変解決屋としてどうなんだよ?普通は平和が1番だろ?俺は今のままが続いたら良いなって思うけどな」

俺の言葉に魔理沙と早苗がこちらに顔を向ける。

「岳は異変を解決してるから言えるんだぜ!」

「そうですよ!岳さんは最近異変を解決しすぎです!それは本来私たちの仕事なんですからね!」

「いや・・・そんなに大したことはしてないぞ?」

そもそも魔王異変の後起こった異変は、俺が知る限り退魔術師による異変であろう。

あれはクルズではなく、退魔術師の男が妖怪を無差別に退治していたものであり、その男もクルズによって倒されている。

「どうだかね。私が知らないところでまだ何かしてるんじゃないの?」

魔理沙、早苗に続き、霊夢までも俺を疑いの眼差しで見てきた。

「そもそも、アンタは何もしなくて良いのよ。異変が起きたと思ったらいつもアンタが異変の元凶と共にいるんだから!いい?異変が起きたら大人しくここに居たら良いの!」

「その通りだぜ!」

「霊夢さんの言う通りです!」

魔理沙も早苗もその通りだと頷く。

「そんなに異変が起きて欲しいのか?」

呆れながら俺は尋ねるが3人とも頷いた。

「・・・」

自ら異変が起きることを望むのはどうなのだと思っていた俺の背後から声が聞こえてきた。

「そんなに異変が起きて欲しいなら言ってくれたら良いのに〜」

背後からの声に俺は後ろを振り返ると、そこには紫の姿があった。

いつも着ているフリルの付いたドレスではなく、薄いピンク色の寝間着を着ていた。

「いきなり出てきて何の用?冬眠してたんじゃなかったの?」

「そんな顔して尋ねなくても良いでしょ〜?霊夢たちが異変が起こって欲しいって言うからわざわざ来たって言うのに〜」

まさか、異変を起こす為にわざわざ来たというのか、このスキマ女は・・・

「ちょっと!?紫さん、また男女が争うような変な異変起こすんじゃないでしょうね!?」

前、紫が起こした異変のせいで俺は大変な目に遭った。

敵と化した妹紅にフッ飛ばされるわ、咲夜に肩を外されるわ、霊夢の陰陽玉に押しつぶされそうになるわ、霊夢や早苗に襲われそうになるわ・・・

「ねぇ、岳?何で顔が赤くなっているのかしら?」

「き、気のせいだよ!」

顔を逸らしながら言う俺。

「安心しなさい。前のようなヘマはしないわ」

紫は俺の肩に手を置くと顔を近づける。

それに思わず目を逸らした俺を見て面白そうに紫は笑うとウインクした。

「今回異変を起こすのは・・・少年、貴方よ」

「・・・へ?」

俺は訳がわからず紫を見た。

「ちょっと!?それってどう言うことよ!?」

「少年が異変を起こす。霊夢たちはそれを解決するために動くって言うこと。暇潰しにはなるんじゃない?」

「へぇ〜、面白そうだな!」

「岳さんが異変を起こすのですか?私たちの誰かではなくてですか?」

やる気になっている魔理沙とは違い、早苗は心配そうに尋ねる。

「俺が異変を起こすって・・・そもそも異変ってそんな簡単に起こるものなんですか!?」

「そうよ。そこの巫女だってこっちに来た時、博麗神社を乗っ取るために異変を起こしたことあるしね」

「私にコテンパンにされたのよね〜?あれは懐かしいわね〜」

「うぐっ・・・あの時はちょっと調子に乗ってただけですよ!今は違いますから!」

ニヤリとしながら語る霊夢に早苗は焦りながら答えている中、紫が俺に異変について説明する。

「基本異変は人為的に起きるものが多いわ。起きると言うか、起こすって言った方が正しいのかもしれないけどね。だから、今回は異変を少年が起こしたらってことよ。まぁ、少年だけじゃ大変だろうし、私が少年側でサポートしてあげるわ。それならできると思わない?」

「う〜ん・・・俺が異変を起こすね・・・それは本当に関係のない人を巻き込みませんか?」

「えぇ、霊夢たち一部だけにするわ。他の人は巻き込まないようにしましょう」

「う〜ん・・・」

とりあえず異変を起こすにあたって関係のないものが巻き込まれることはないようだ。

「良いんじゃない?私も暇潰しにはなるし。岳、やってみなさいよ」

「・・・わかった。よろしくお願いします、紫さん」

霊夢にも勧められ、俺は頷いた。

「なら、咲夜と妖夢も誘ってみるぜ!」

「妖夢はともかく咲夜は来ないんじゃない?」

「まぁ、その時はその時さ!」

魔理沙がスマホを持って外へと駆け出していった。

しばらくして魔理沙が戻ってくる。

「2人とも来るってさ!咲夜もレミリアから許可を得たらしい」

どうやら咲夜と妖夢も来るらしい。

「さて、じゃあ異変を起こす為に少年、お姉さんと2人きりでお話ししましょうか!」

すごく張り切っている紫と共に、俺は居間を出て行った。

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