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二次創作 東方project 神隠しに遭った青年  作者: 零月
第一章 神隠しに遭った青年編
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執事のバイト始めました2

「かしこまりました」

咲夜は吸血鬼に礼をすると俺を連れて部屋から出ようとする。

「・・・あの!」

俺はそう言うと吸血鬼を見る。

「何かしら?」

俺は吸血鬼にとんでもないことを聞いてしまった。

「・・・ここで働かせてくれ!あっ、いや、ここで働かせてください!」

「・・・は?」

「何を言ってるのですか?」

これには吸血鬼も咲夜も唖然としていた。

「ここの世界に来てから俺は霊夢に色々と迷惑をかけている。せめて、バイトでもして住まわしてもらってる分は返さないといけないと思ってるんだけど、人間の里では人数がいっぱいなのか働かせてくれないから、良ければここで働かせてください!」

「へぇ」

吸血鬼は何かを考えているようだったが口を開いた。

「いいわよ」

「お、お嬢様!?」

予想していたことと違ったのだろう、咲夜が驚きで声を上げる。

「いいじゃない。それに、ここで働かせてなんて言った人間は初めてじゃない?」

とりあえず働かせてもらえそうな流れのようだ。

「ただし、1ヶ月働いて私たちの評価が悪かったら働くのは諦めなさい」

「わかりました!ありがとうございます!ええと・・・」

「レミリア・スカーレットよ。働く以上は貴方のお嬢様ということになるわね」

「ありがとうございます!お嬢様!」

「ちょっ、お嬢様・・・構わないのですか?」

俺に聞こえないように咲夜がレミリアに話す。

「いいじゃない。霊夢に貸しを作るのもありと思ってね」

「それが目的ですか?」

「それもあるけど、なんか面白そうじゃない?」

「そうですか・・・?」

「はい、話はおしまい」

レミリアは咲夜の話を切り上げると俺のところに来た。

「じゃあ岳、さっそく服を着替えて準備しなさい。今日から1ヶ月間働いてもらうわよ」

「き、今日からですか?」

「あら、働く日を決めれるとでも思ったかしら?」

「いえ、今日からですと、霊夢に伝えないといけないので」

今日から1ヶ月間ここで働くとなると霊夢にまず伝えておかないといけない。

「それもそうね・・・咲夜、貴方博麗神社のところへ行って伝えてきてくれないかしら?」

「お嬢様、それについては魔理沙が今来ていますから問題ないかと」

「あの魔法使いも来てたの?まぁ、いいわ。なら咲夜、伝えてくれるかしら」

「かしこまりました」

「それとまずは岳を部屋に案内しなさい。いくつか空いている部屋があったはずよ?」

「かしこまりました。それでは行きましょうか」

「あっ、はい」

俺は咲夜と部屋を出た。

「先に言っておきますが、私はまだ貴方がここで働くということに反対です。仕事の時には厳しくしますので」

「はい、わかりました」

俺は咲夜に部屋を案内された。

部屋は一人部屋といった感じだった。

ベッドや洋服ダンスなど最低限必要なものは揃っているようだが、シンプルな感じの部屋だった。

「洋服ダンスに貴方の仕事着があります。それに着替えて待っていてください」

咲夜はそれだけを言うと部屋を出ていった。

とりあえず俺は洋服ダンスを開ける。

開けた先に男性用の執事服と女性用のメイド服が置かれていた。

俺は執事服を取ると着替え始めた。

「うん、まぁ、こんな感じでいいだろ」

置いてあった鏡で服を整えていると部屋の扉が開いて咲夜が入ってきた。

「着替えましたね。それでは早速仕事をしていただきます」

「わかりました」

俺は紅魔館の執事として働き始めた。


-1週間後-

「はぁ・・・はぁ・・・」

俺はベッドの上で倒れ込んだ。

仕事の内容はたくさんある部屋の掃除、階段の掃除、食器などの洗い物、買い出しが主な仕事で、たまに地下にある図書館の整理を手伝ったりしているのだが、大変なところこの上ない。

睡眠時間はおよそ3時間か・・・

掃除はメイド長である咲夜の厳しいチェックに何度もやり直し。洗い物は朝昼夕、そして度々あるお茶会などの食器の洗い物が毎日。地下にある図書館の主人であるパチュリー・ノーレッジの魔導書整理は魔導書について全く知らない俺がやるものだから更に手間をかける始末。

特に大変なのは買い出しである。

買い出し自体はまだ2回しか経験していないが、人間の里で食品を買って紅魔館へ戻ってくる仕事だ。

これが何故大変なのかと言うと、行き帰りで妖怪に襲われるのだ。

新聞の影響はすごい。

神隠しによって幻想郷へ迷い込んだ俺なら食べても良いと妖怪中に広まっているのだろうか・・・

特に紅魔館の近くにある湖の辺りはよく襲われる。

初めて行った時は食品をそこで落としてしまったため、咲夜にこっ酷く怒られた。

そのような事をして1週間が経過した。

ベッドに倒れ込んだ俺は疲れからかそのまま寝てしまった。

バシッ!

そして仕事時間になる10分前に咲夜に頭を叩かれて起きる。

「早く支度してください」

それだけを言うと咲夜は部屋を出て行った。

「・・・」

俺はゆっくり起き上がると新しい執事服に着替えて部屋を出た。

「岳」

朝食中のレミリアが俺を見る。

「今日で1週間目だけど、どう?逃げたくなったかしら?」

レミリアがクスクス笑いながら尋ねてきた。


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