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二次創作 東方project 神隠しに遭った青年  作者: 零月
第二章 異世界の魔王編
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異界からの訪問者です【前編】2

「で、話って何かしら?」

「はい、一先ず私たちの紹介を、私はアリーヤと申します。こちらは・・・」

アリーヤが側近と護衛の紹介を終えた後、本題へと移る。

「私たちはこの世界に来た魔王を退治するためにここへと来ました。貴女にはそれに協力していただきたいと思ってこちらに赴きました」

「魔王か・・・また大きな話ねぇ。で、特徴はどんな感じなのかしら?」

「手伝ってくれるのですか?」

「手伝うも何も、特徴なり知っておかないと間違えて退治してもいけないでしょ?ここは妖怪もいるんだから。それに、紫が私に紹介したと言うことは貴女たちが幻想郷で問題を起こさないように見張れと言っているようなものだしね」

霊夢の言葉にアリーヤ以外の女性たちは眉をひそめる。

「なるほど、私たちも魔王を退治することが出来たら元の世界へと戻る予定です。こちらの世界に迷惑をかけるつもりはありませんが、気になるのでしたら監視するなりお好きに。それで、魔王の特徴ですが、見た目は私たちと同じ服を着た男です」

「なるほど、その服なら目立つわね。人間の里なんかに入ったらわかるだろうから騒ぎになっていないことを考えると山や森にいる可能性が高いわね」

霊夢は幻想郷で身を隠す所ができそうな場所を考えて魔法の森と妖怪の山が怪しいのではないかと考えた。

「なるほど、でしたらそちらの方を案内してくれませんか?」

「わかったわ。そのかわり迷惑をかけるような行為はしないでよね?」

「約束しましょう」

アリーヤの言葉を聞いた霊夢は頷くと立ち上がった。

「そういえば、なんで岳を離すようなことをしたのかしら?あまり人に聞かれたくない話だったから?」

戸を開けた霊夢はアリーヤたちに振り返り尋ねる。

「それもありますが、一番の理由は彼が男だからです」

「男だと何かあるのかしら?」

「魔王ヴィクトリア、彼女を完全に消滅させるためには近くに男が居ないことが第一条件になります。男がいると、消滅したヴィクトリアが次の母体としてその男に寄生するからです」

寄生、憑依のような人に乗り移る妖怪は霊夢も相手したことがあるが、男限定に寄生する相手は初めてだった。

「男に寄生ね、寄生されたら最終的にはどうなるの?」

「寄生された男を乗っ取りヴィクトリアが表に出て来ます。そして、最終的にはヴィクトリアが力を取り戻し、私たちでも手に負えなくなります。そうなってしまったら待っているのは世界の破滅です」

「世界の破滅・・・ね。なんかそんなこと言ってた奴らも多くいたわね」

「只事ではありません。貴女はヴィクトリアの恐ろしさを知らないからそんなことが言えるのです!」

「わかったわよ。とりあえず私たちが退治したら問題ないわけなんでしょ?・・・はぁ、面倒くさいわねぇ」

霊夢はため息を吐くと、外へと向かった。

「まずは魔法の森に行くわよ」

霊夢にアリーヤたちは付いていくと、魔法の森へと向かった。

何気なく空を飛んだ霊夢だったが、後ろを振り返る。

振り返った先にはアリーヤたちが飛んで付いてきていた。

「一応アンタたちも空飛べるのね」

「魔力がある者に限りますが、そちらはどうなのですか?」

「魔力は関係ないわね、ただ、飛べる者と飛べない者がいるけど」

魔法の森に向かって飛んでいる霊夢たちは人間の里近くを通った。

「ここの人々たちを巻き込まないためにもヴィクトリアを消滅させなければ」

アリーヤが人間の里を見ながら呟く。

「そろそろ着くわよ」

霊夢たちは魔法の森の中へと入っていった。



「なるほどな、そんな奴らが来てるのか」

団子屋で団子を食べながら魔理沙が言う。

人間の里を歩いていた俺は里にいた魔理沙と共に団子屋でくつろいでいた。

サラマンダーは人間の里の前で休んでいた。

「面白そうだな。霊夢の奴はそいつ等と居るんだろ?私も会ってみたいぜ」

「・・・」

「どうしたんだよ?岳」

「ん?いや、なんでもないよ」

俺は団子を食べながら昨日のことを考えていた。

先程博麗神社を訪れた者たちと昨日倒した男との共通点を。

もしかしたら俺はとんでもないことをしたのではないだろうか・・・

魔理沙と別れ、サラマンダーと博麗神社に戻った後もその事が気になっていた。

博麗神社には霊夢も訪れた者たちも居なかった。

もし、襲ってきた男が訪れた者たちの知り合いなら、殺してしまった俺に対してどのような行動をとるか。

それによって幻想郷にどれほどの迷惑がかかるのか・・・

「はぁ・・・」

俺は1人でため息を吐いた。



妖怪の山も探索した霊夢たちだったが、魔王を見つけることが出来なかった。

「本当にここに来てるんでしょうね?」

本当に幻想郷にいるのだろうか、疑問に思った霊夢がアリーヤに尋ねる。

「間違いないです。ユエル、例の物を」

側近のユエルがアリーヤに機械を渡す。

形はスマホに似ていた。

「それは?」

「簡単に言うと魔王探索機です。今は機能しませんが、最後に反応したのがここ・・・」

アリーヤの言葉が止まった。

「どうしました?アリーヤ様」

「探索機が反応しています!」

「なら、それが示しているところに行けば解決じゃない。場所はどこかしら?」

「付いてきてください!」

アリーヤは探索機を見ながら飛ぶと、霊夢たちは付いて行った。

霊夢は付いて行きながら思っていた。

この方向にあるのは・・・

「・・・ここです」

アリーヤが止まった。

「本当にここなの?」

「えぇ、間違いないです。まさか、ここだとは・・・」

霊夢たちが止まったところ、そこには博麗神社があった。



「ん?」

誰かが境内に降りた音が聞こえて俺は顔を上げる。

足音は戸を開けて中へと入って来た。

「ん?霊夢が帰ってきたのか?」

部屋の戸を開けて確認しようとした時、向こう側から戸を開けられた。

開けられた先にはティアラを付けていた女性が機械を持って立っていた。

後ろには霊夢の姿も見えた。

「まさか・・・」

ティアラを付けた女性が俺を見る。

「貴方!ヴィクトリアに心当たりは!?」

「ヴィ・・・なんだって?」

「ちょっと、私に話させて」

霊夢が女性の前に立つ。

「岳、アンタこの女たちが着ている服を着た男に会ったことない?」

「・・・」

もしかして、やっぱりやばいことだったのか?

「岳!」

霊夢に詰め寄られて俺は正直に話すことにした。

「あぁ!あるよ!その男に襲われて、倒したら男が消えてしまって」

そう言うと、刀を持った女性が霊夢を押しのけ、片手で俺の胸ぐらを掴んだ。

「貴様!何をしたかわかっているのか!」

なんて力だ・・・!振り払おうにも全く振り払えない。

「なんだよ・・・!襲われたら自分の身を守ろうとするのは当たり前だろ!じゃあ、あの時死んでおけば良かったってか・・・!」

「そうだな、私が今からそうしてやる!」

女は俺を投げ飛ばすと、俺の身体は縁側沿いにある戸を突き破り、外へと投げ出された。

投げ出された俺が立ち上がる前に女性は刀を抜くと、外に走り出て刀を振り下ろしてきた。

しかし、何処からか火球が放たれ、女性はそれを避けると、放たれた方を見た。

『主に何をする!』

やって来たサラマンダーは更に口から火球を出すと、女性は離れ、その隙にサラマンダーが俺の前へと移動した。

「ふん、魔王の配下としては少々心許ないな」

女性は刀を構えると、サラマンダーに向かって刀を振ろうとしたが、それは俺とサラマンダーを覆う結界によって防がれた。

「!?」

「アンタ、これ以上やるって言うなら私が相手してあげるわ」

気付いたら俺とサラマンダーの前に霊夢が立つており、刀を持った女性を睨みつける。

「エヴァ、やめなさい」

「・・・はい」

エヴァと呼ばれた女性は刀を収めると、霊夢とサラマンダーも警戒を解いた。

「ただし、これは正直言うとマズイ状況です。貴方、確か岳と言いましたね?話があるのでよろしいでしょうか」

俺は立ち上がると、守ってくれたサラマンダーの頭を撫でて博麗神社の中へと入った。


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